フレンチシェフの腕がなるサンドイッチ - グリオット - ブランスリー電子版

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お店拝見/2014年9月号

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フレンチシェフの腕がなるサンドイッチ - グリオット
オーナーの石川暢子さん(右)と、シェフの小島正義さん
赤い看板が目印の「グリオット」。スロープの先に入り口がある
陳列棚は、黒のスチール製。すっきりとした印象だ。木製の陳列台には、「タルトポム」(税込270円)などの焼き菓子が並ぶ
「バゲット」(税込270円)は、フランス産オーガニック小麦と、甘酒から作った酵母を使用。甘味がある
ミニバックに、ラスクが入った「ラスクギフトバック」(税込900円)。作家とのコラボ商品だ
近所にアトリエを構える作家による手作りの雑貨も販売している
おいしいものを、ささっと食べられる場所
 「おいしいものを、かしこまらずにささっと食べられる場所を作りたいと思いました」
 こう話すのは、東京・目黒区のベーカリー「グリオット(griotte)」のオーナー石川暢子さん。
 1階の売り場から、地下へと続く階段を降りると、カフェスペースがある。そこでは、購入したパンと、コーヒーやスープ、夏場はスムージーなどが楽しめる。
 同店の近くには、広大な敷地を持つ駒沢オリンピック公園がある。常連客には、公園の行き帰りに立ち寄るという人も多い。
 「ちょっと休憩ついでに何か食べたいと思うとき、コンビニがあればいろいろと手に入ります。でも、せっかく食べるなら、作り手の顔が見える安全でおいしいものがいいと思うんです。ですので、厳選した材料で、添加物を使わずに作ったパンを、気軽に楽しんでいただきたいと思っています。『おいしそうだな』と思ったときに、その場で食べられるって、便利ですよね」(石川さん)
 ペットの犬を連れた客も多く、犬の写真が、同店のフェイスブックを賑わすこともある。取材中、入り口と道路の間にあるスロープで、石川さんと愛犬を連れた客が会話を交わしていた。常連客にとって、パンを買うこと以外にも来店目的があるのだということを伺わせるシーンだ。公園でのジョギングや散歩と同じように、同店に寄ることも、日課のひとつとなっているのだろう。
 また、売り場にはパンのほか、髪飾りや小さなバッグなど、手作り雑貨も並ぶ。これらは、近所にアトリエを構える作家のもので、作家は同店の常連客だ。
 「ラスクギフトバック」(税込900円)は、同店と作家のコラボ商品。税込750円のミニバックの中に、税込み250円の同店のラスクが入っており、ギフト用に人気があるという。 
 「アイシングクッキー」(税込300円など)も、近所のアイシング教室の先生が、同店で焼いたクッキーにアイシングを施したコラボ商品だ。
 近所との関わりは、客と店という関係を超えて、愛される商品を共に作ることによって、より深いものになっていきそうだ。

料理人からパン職人へ転向
 同店のシェフを務めるのは、小島正義さん。フランスの料理学校で学び、ホテルに勤務後帰国し、都内のフランス料理店に勤務している間、パン職人を志すようになった。
 「先輩が、まかないでパンを作っている様子を見て、パン作りに魅了されました。水とレーズンと粉からパンができていくという工程を、目の当たりにしたとき、まるで魔法を見ているような衝撃を覚えました。その魔法を使える職人になりたい、パン作りの工程を一つひとつ丁寧に行っていきたいと思ったんです」(小島さん)
 同店のパンは、レーズン酵母と、甘酒で起こした酵母の2つを使用している。
 「米で作るところが気に入って、甘酒の酵母を作りました。甘酒の酵母は、酸味をつけたくないパンに使用しています。甘味が出るところがいいですね」(小島さん)
 甘酒の酵母を使用した「バゲット」(税込270円)は、クラムがもちもちとしていて噛むごとに甘味が出てくる。また、焼いた翌日もしっとりとしていて、おいしく食べられる。甘酒の酵母は、サンドイッチに使用するチャバッタにも入れている。窯伸びを良くするのと、もちもち感としっとり感を出すためだ。



「ミラノ風カツレツフレッシュトマトソース」(税込500円)。皿盛りの料理がサンドされているような豪華さ
「シュークルートソーシソン」(税込320円)は、ソーシソンの焦げ目がアクセントとなっている
売り場の下の階にあるカフェスペース。自家製スープやコーヒーなどのドリンクとパンが楽しめる
「クロワッサン」(税込230円=写真左)と、「クロワッサンカフェ」(税込260円=写真右)。「クロワッサン」は看板商品で、カルピスバターを濃厚に感じることができるよう、焼き色を薄くしている
「パンドミコメコ」(税込340円)は、その名の通り米粉が入っている角食。トーストするとクラストはバリッとした食感になる。水分量が多く、クラムはふわふわ、もっちり
料理を楽しむ感覚で食べられるサンドイッチ
 フランス料理店で働いていた経歴がある小島さんの腕がなるアイテムといえば、サンドイッチだ。
 毎日4〜5種類ほど用意していて、定番は、「ハムとゴーダチーズ」(税込310円)、鶏肉をサンドした「プーレカリープロバンサル」(税込500円)、ナンプラー風味の大根、酢の効いたニンジン、甘辛味の豚肉をサンドしたバインミーサンド風の「ベトナム」(税込420円)の3種類。このほかに、適宜変わるメニューが1〜2品ある。
 「『ハムとゴーダチーズ』のように、シンプルなものもいいですが、他のメニューは、しっかり調理した具材をサンドして、ボリュームのあるサンドイッチに仕上げています。言わば、ガッツリ系サンドイッチです」(小島さん)
 7月中旬から始めた「ミラノ風カツレツフレッシュトマトソース」(税込500円)は、1・5センチほどの厚みのカツレツ、トマトやタマネギ、チーズなどが合わさったソース、生のセージの葉が、チャバッタでサンドされている。風味や味、ボリューム共に、レストランのメイン料理を食べたときのような満足感があるサンドイッチだ。 
 調理パンも負けていない。「シュークルートソーシソン」(税込320円)は、ザワークラウトなどと共に煮たソーセージと挽き肉をトッピングした、肉がたっぷりと味わえる調理パンだ。ソーセージの焦げ目やハーブの香りがアクセントとなっており、味わい深い。
 これだけボリュームを持たせて肉を使用できるのは、フランス料理店に勤務していたときからの付き合いがある問屋から仕入れているからだそうだ。料理をやってきた経験を、こうしたところにも十分に活かしている。
 さらに小島さんには、料理人時代からの友人が多くおり、料理界の情報に事欠かない。
 「しっかり料理した具材をサンドしたサンドイッチは、料理人の友人と話題にしていたことがあります。友人の店に食べに行ったり、話をすることが、商品開発のヒントを生むことに繋がっていますね」と小島さんは話す。
 店内には、プラスチック容器に入った惣菜も並ぶ。バゲットにのせて食べる惣菜だ。パンのおいしさを料理で活かすという、料理人としての視点が活きている。「フムス」(税込200円)は、ひよこ豆のペースト、ニンニク、練りゴマ、オリーブオイルなどで作った中東料理のひとつだ。
 「枠にとらわれず、世界中のいろいろなパンを作っていきたいです」(小島さん)
 料理人とパン職人の2つの視点を活かしたパン作りは、パンの楽しみ方の幅を広げていってくれることだろう。

SHOP DATA
店名:グリオット(griotte)
住所:〒152-0021東京都目黒区東が丘2‐14‐12
電話:03‐6314‐9286
営業時間:午前8時30分〜午後7時
定休日:月曜(祝日の場合は火曜)
品揃え:50〜60品目
スタッフ:販売1〜2人、製造2人
店舗面積:厨房約8・5坪、売り場約6・7坪、カフェスペース約6・7坪
日商:平日10万円、土日祝日18万円







原価計算女王
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