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| お店拝見/2014年6月号 |
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「実は僕も4年前まではここのお客でした。でもここのパンの魅力にとりつかれ、ここで働いてみたいと思うようになったんです」と振り返る菅原さんは脱サラのパン職人だ。サラリーマンだった4年前、友達が同店の看板商品である「ムー」を買って持ってきてくれたのがきっかけでパン職人になった。 「ムー」は通常の食パンよりバターの配合率を高め、中がふわふわになるように焼き上げた食パン。同店のカフェメニューであるフレンチトーストなどにも使用されている。 「その時に食べた『ムー』のあまりのおいしさに衝撃を受けました。その後、自分で何回かこの店に通い、この店のパンの魅力にとりつかれてしまったんですね。もともとパンが大好きで、なんとなくパンに関わる仕事に憧れを持っていたんですが、これを機に決意しました。この店で働くパン職人になりたいと思ったんです」(菅原さん)。そして菅原さんは勤めていた会社を辞め、この店の採用の門を叩くこととなる。 当時は、現在は系列店の店長となっている櫻井正二シェフがベーカリー部門の責任者で、菅原さんに実に様々なことを教えてくれた。「毎日同じ時間に同じクオリティーのものを出し、そのレベルを下げないようにすることが大切」だと教えてくれたのも櫻井氏だ。また味も勿論大切だが、この店の雰囲気や特色と合わせ、見た目も一つ一つを綺麗に丁寧に作る必要があり、そのための技術も教わった。 そしてその櫻井氏が他店へ移った後も、菅原さんは教えてもらったレシピをベースに、バール部門との完璧な一体化を目指し、パンを焼き続けている。 バリスタが立ち上げたバール&ベーカリー 同店は5年前の2009年にオープンした。当時、熟練のバリスタだった國友栄一氏が、イタリア人の日常に根付く文化であるバールを、ベーカリーと合わせた形で提供していきたいと考え、同店を立ち上げた。パンとコーヒーとの組み合わせにこだわったのは、どちらも毎日提供できるものなので、一緒にすることでより幅広い層に興味をもってもらえると考えたからだ。毎日通うバールで、毎日提供するパンの魅力を知ってもらい、逆にパンを買いにきた人にも、そこでエスプレッソの1杯をじっくり味わってもらうことで、バールの魅力を知ってもらう、というのが狙いなのだ。「毎日通ってもらいたい」という思いをベースに日常の中の幸せの提供を追求した。 立ち上げから、5年が経ち、ベーカリーの責任者は櫻井さんから菅原さんへ変わり、バール部門のバリスタスタッフも入れ替わりがあったが、店のコンセプトは受け継がれている。定番メニューは根強く残り、パンも今ある定番商品の多くは櫻井氏から引き継いだものだ。 一方で、菅原さんは、「今後は自分自身のオリジナルのパンも作っていきたいですね」とも話す。現在は定期的に新作も出している。季節商品がほとんどだが、中には通年の定番商品として定着したものもある。例えば「くりザマンド」(税込み210円)はマロングラッセをダマンド生地と合わせピーカンナッツの生地で包んだもの。菅原さんが他のスタッフと意見を出し合い、ふとしたインスピレーションからこの組み合わせを思いついたものだが、評判が良く通年での定番商品となった。 「バゲット」(税込み340円)も菅原さんの考えで小麦の風味をより深く味わってもらうため、低温長時間発酵の時間をさらに20時間まで拡大。素材へのこだわりが強い菅原さん独自の姿勢が見られる。 同店は基本コンセプトを守りながらも常に進化を続けているようだ。店名の「パンとエスプレッソと」の「と」の後に続くものは、「パンとエスプレッソ」の組み合わせを楽しむ「私」だと、来店客に感じさせてくれる。ここは皆が主役になれる毎日の居場所なのだ。 SHOP DATA 店名:パンとエスプレッソと 住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-4-9 電話:03‐5410‐2040 営業時間:午前8時〜午後8時 定休日:第2月曜(第2月曜が祝日の場合は翌火曜) 品揃え:約30品目(ベーカリー)、約40品目(カフェ) スタッフ:製造4人、販売4人 店舗面積:厨房12坪、カフェ10坪、ベーカリー3坪 日商:ベーカリーとカフェを合わせて30〜40万円 | |||||||||||||



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