パンと酒のお洒落な関係 - ネモ・ベーカリー&カフェ - ブランスリー電子版

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レポート/2014年5月号

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パンと酒のお洒落な関係 - ネモ・ベーカリー&カフェ
シックな雰囲気の店舗外観。入り口からはベーカリーが見通せる
来店客に親しまれているバータイム担当の安田太一郎さん
夜はバーになるカフェコーナー。イタリアのチンバリーという高級エスプレッソマシンを導入しており、カフェとしても本格派
パン棚の最下段は子供の視線に合わせて低めにしてある。実は、子供にとっても楽しいベーカリーなのだ
酒との好相性が評判の「パヴェ・オリーヴ」(250円)
 東京・品川区の東急目黒線・武蔵小山駅に近い住宅街にある「ネモ・ベーカリー&カフェ」は、午後6時からのバータイムを備えた「大人のパン屋」だ。開業して6年、「お酒の飲めるベーカリー」として評判になっている同ベーカリーに、バーとベーカリーの相性について聞いた。



バータイムが、ベーカリーの可能性を大きく広げる
食事とワインを楽しむためのコースの料理は、ドゥ・リーヴルを使った「アボカドと半熟卵のパングラタン」(左)と、「ホタルイカと芽キャベツの粒マスタード」と「紫芋のスイートポテト フロマージュブラン添え」(右上)の前菜2種。おつまみのバゲット(右下)もつく
「カモミールティーのピクルス」(税込み350円)など人気メニューのテイクアウトもできる
ベーカリーのバータイム
 「ネモ・ベーカリー&カフェ」で、主に販売やサービスを担う店長、廣地一磨さんにベーカリーとバーの相性を尋ねると「ぴったりですよ」と明るい答えが返って来た。
 パン職人歴25年を超え都内の人気店、オーバカナルのシェフも経験した同店の根本孝幸シェフの掲げる「地域密着ベーカリー」の目標を達成するためにも、バータイムは重要コンテンツになっている。
 「バータイムを仕事などから帰宅する前のリセットの時間としてご利用いただいているようです」(バータイム担当の安田太一郎さん)
 店舗入り口に広がるベーカリーから見通せる店の奥に、ボックス席とカウンターで構成された約20席のカフェコーナーがあるが、ここがバーコーナーにもなるのだ。バータイムの利用客は、夫婦やカップル、男性の1人客だけでなく、20〜30代の女性客も目立つ。
 バータイムのメニュー構成は、食事と共に酒を楽しむ客と、食事がメインの客それぞれのために、2つのコースが用意されている。
 食事と酒を楽しむ客用のコースは、前菜2種、ラザニアなどボリュームのあるメイン料理(3種程度の中から選択)、ビールまたはグラスワインで構成されるセット(税込み1500円)だ。
 食事がメインの客用のコースは、スープ、食事と酒を楽しむ客用のコースと同様のメイン料理、ソフトドリンクの3点セット(税込み1000円)になっている。
 コース以外にも、好みに合わせてさまざまなアラカルトが選べるようになっている。
 「食事メインのコースのほうが少し注文が多いくらいで、両方ともよく出ます。食事とワインを出すコースは、前菜にローストポークやホタルイカなどおつまみになる料理が付くので、追加のお酒を注文される方が多いですね。価格は抑えてあります。メインはベーカリーですから、お店を楽しんで好きになってもらうことが重要なんです。バータイムも当店のパンの良さを知ってもらうきっかけのひとつだという考えです」(廣地さん)

バーとベーカリーの連携プレー
 取材した日のメインの料理は、定番のラザニアの他に「ローストポーク・ドゥリーヴル」や「アボカドと半熟卵のパングラタン」などの選択肢があった。「メインの料理は市場で良いものを見つけると、入れ替えます。リピーターの方々は月2回程度が平均的な来店頻度になりますので、2回目は違うメニューを召し上がって頂けるようなサイクルを心がけています」(安田さん)。夫婦客には40代〜70代まで幅広い年齢層がいるという。シニア層の来店を導く要素に、廣地さんはベーカリーとの連携を挙げた。
 「ベーカリーコーナーのポイントカードが好評なんです。昼間パンを買ってポイントを満了まで貯めると500円割引になるのですが、それをバータイムに使いに来てくれるんです。シニア層はお酒も2杯以上飲んでくれる方が多いですし、良い循環になっていますね」
 また、メイン料理の「アボカドと半熟卵のパングラタン」は、食事のメニュー開発や調理を担当する安田太一郎さんが「パンを楽しめる料理」として考案したもので、ドゥリーブルという同店で最も太いバゲットを輪切りにして使っている。キューブ状に細かく切らず、大きなままパンのざっくりした食感を味わえるようになっている。
 「前菜はハムとクレソンのポテトサラダや、カモミールティーのピクルスといった、お酒のおつまみになって、しかもパンによく合うメニューになっています。パンの好きな方には、バゲットにのせて食べてもらったり、好きなパンに挟んでもらったりしてもいいと思います」(安田さん)
 バータイムでは、酒やつまみに合うパンとして、オリーブオイル使用の「チャバタ」や、クルミの赤ワイン煮込みを使った「バンルージュ・ノア」なども提案している。
 バータイムの無料のお通しとして全員に出しているカットしたフォカッチャ(2切れ)も人気だ。厨房にある食材をあしらったフォカッチャにするなどして、工夫を凝らしている。おつまみメニューを考える若手のチャレンジの機会だ。
 工夫が実り「フォカッチャをホームパーティ用にテイクアウトはできないか」という客からのファンコールを得た。
 「1人で帰宅前に1杯のビールを飲んで下さる方も歓迎です。お店自体を好きになってもらえば、おつまみにイートインのパンを選んでもらったり、帰りに買って行ってくれるようになります」(安田さん)





ワインとパンをテーマに自由な提案
 バータイムのコンセプトを尋ねると「『ワインとパンをテーマにした自由な提案』です」と安田さんは答えた。安田さんの料理の基本がフレンチとイタリアンにあることから、フレンチやイタリアンのメニューが多いものの、それが同店のカラーということではない。メニューも、スープを変えて中華風にすることもある。ピザも焼き、夏はごぼうサラダのピタパンを出すなど、アレンジの幅は広い。
 店舗は高級感のあるデザインのため、デートなどにもよく利用されている。また、「おいしいパン屋さんに行かない? お酒も飲めるよ」という誘い文句は、「どうしてパン屋さんでお酒を?」という興味をひくポイントにもなる。また、バーだけの店ではないので、酒を飲まなくても楽しく過ごせることも同店に人が集まる理由だ。
 バータイムにはイタリアンバールで経験を積んだ安田さんの工夫が凝らされている。酒類のレパートリーも人気の定番ビールと飲みやすいワインが揃う。ワイングラスはベネチアングラスというシンプルなものを使用。少し酔って手元が滑っても、このグラスは背が低めで安定感があって倒れにくい。見た目もすっきりしていて親しみやすいグラスだ。
 「気楽に、気取らず、楽しく飲める空間を提供したいんです。パンは手で食べられる食べものです。そういう雰囲気を大事にして考えています。なんでもありだと、ターゲットを絞りづらいものですが、当店はカフェもバーもあって料理のレパートリーもなんでもありです。そこまで自由にしているのに、お店の印象がブレないのは『おいしいパンを味わってもらう』という軸があるからだと思います。ベーカリーは多様なスタイルを統一してくれる、いいテーマなんですね」(安田さん)

店舗概要
店名:ネモ・ベーカリー&カフェ
住所:東京都品川区小山4-3-
12 TK武蔵小山ビル1F
電話:03-3786-2617
営業時間:午前9時〜午後11時
定休日:水曜日



原価計算女王
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