2名のシェフによるトークセッション及び製パン講習会 - ドイツパン・菓子勉強会 - ブランスリー電子版

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講習会/2014年4月号

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2名のシェフによるトークセッション及び製パン講習会 - ドイツパン・菓子勉強会
講師を務めた小川佳興社長(右)と倉田博和社長
ホシノ天然酵母パン種塩パン
プレッツェルクロワッサン
カリカリメロン(左)と黄金メロン
ミッシュブロート
ミッシュブロートをスライスして、表面にディップを塗り、小口ねぎをトッピング
 ドイツパン・菓子勉強会(倉田博和会長)は、2月25日、東京・渋谷区の日本製粉東部技術センターで「2名のシェフによるトークセッション及び製パン講習会」と題した講習会を開催した。千葉県内で複数の店舗を展開する石窯パン工房サフランの小川佳興社長と、同会会長で、埼玉県内にベーカリーを複数展開するデイジイの倉田博和社長が講師を務めた。



有名ベーカリー2社の両社長が売れる商品を伝授
講師を務めた小川佳興氏
講師を務めた倉田博和氏
 パン工房サフランの小川佳興社長が「ホシノ天然酵母パン種塩パン」「カリカリメロン」「黄金メロン」を、デイジイの倉田博和社長が「プレッツェルクロワッサン」「ミッシュブロート」などを紹介した。石窯パン工房サフランは現在千葉県内にベーカリー7店舗、菓子店1店舗を展開。デイジイは埼玉県川口市内に5店舗、同蕨市に1店舗を展開中。技術講習の合間には両講師とも、技術、経営、人材教育などについて語った。

 小川佳興氏の話 1986年の独立開業から4半世紀が過ぎたが、まだまだやりたいことはたくさんあり、4月にはカフェを開業する。今までのベーカリーカフェはパンを食べる場所提供というイメージがあったが、今回はパンをおいしく食べる本格的なカフェを目指している。しかしフロアスタッフは置かないで、セルフサービスにして人件費を抑さえるよう考えている。日頃スタッフに教えているのは、チャンスロスをなくすこと。売れる時に売り、売れない時は無理しない。常に店全体を見ながらお客様の動向を掴み、要求に応えられるよう努力する。クレームにはすぐ対応し、当日のうちに解決したい。例えば「髪の毛が入っていた」といわれたら、頭を丸めて謝罪に出向くほどの覚悟が必要。機械で合理化できるところは機械を導入し、時間を有効に使うことが重要。手が空いたら店に出て接客営業して、自分が焼いたパンがどう評価されているか、確認することが大事。

 倉田博和氏の話 肉屋、魚屋、八百屋、豆腐屋といった小売店の中で、生き残れる可能性が大きいのはパン屋だと思う。商品を仕入れて販売するのではなく、自店ならではの力を活かせるからだ。粉から自由に独自のパンを作り、顧客の心を掴むことができる。今後は高齢化社会を迎え、シニア向けのパンの需要が伸びる。糖尿病や高血圧の人でも、パン好きな人はいる。個別に対応できる個人店は有利だ。焼き菓子は、今後もベーカリーが取り組むべきアイテムだ。クッキー、マドレーヌ、フィナンシェは、手が空いた時に仕込み焼きたてを提供したい。窯から出た状態で店に並べておくと、包装していなくてもすぐ売れる。しかしギフト向けの焼き菓子は、ある程度パッケージに費用をかけたほうが売れる。



ホシノ天然酵母パン種塩パン
ホシノ天然酵母パン種塩パン
写真1
 ホシノ天然酵母種を使った多加水の生地を、高温で焼くパン。イタリアのスキャッチャータをイメージした塩味が引き立つパン。

【ホシノ・ルヴァン配合%】
国産小麦(ジャパネスク)‥100
▼ホシノ天然酵母パン種生種‥‥15
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥90
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥L30秒
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥28度C
フロアタイム‥‥‥30度C6時間(フロアタイム後冷蔵庫で4度Cで保存)
▼ホシノ天然酵母パン種生種
【作り方】
ホシノ天然酵母パン種500グラム
に、30度Cの温水1000CCを混ぜ、28度Cで24時間発酵後4度Cの冷蔵庫で保管する
【本捏配合%】
国産小麦(ジャパネスク)‥‥‥55
フランスパン用粉(クラシック)‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40

ライ麦粉(特キリンコナ)‥‥‥5
ホシノ天然酵母パン種生種‥‥‥4
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60
バシナージュ(差し水)‥‥‥‥2
ホシノ・ルヴァン‥‥‥‥‥‥‥40
【本捏工程】
ミキシング‥‥‥‥‥L3分M4分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥28度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥30度C1時間後4度Cの冷蔵庫で15時間(分割前に生地温度17度Cまで戻す)
分割‥‥‥‥‥90〜150グラム
成形‥‥なまこ形や細長い楕円形などにしてベーキングシートにのせる
ホイロ‥‥30度C80%1時間(ホイロ後、エクストラバージンオイルを塗り生地を指で潰し岩塩を振りかける。または、「塩チキン、ホワイトソース、チーズ」「トマトソース、じゃがいも、タマネギ、マヨネーズ」「ベーコン、卵、マヨネーズ、ペッパー」「金山寺味噌、ねぎ、チーズ」「茄子、トマトソース、チーズ」「ジャガイモ、明太子、マヨネーズ」などの組み合わせでトッピングを施す=写真1)
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火250度C下火240度C13分
小川氏のコメント ホシノ天然酵母パン種の塩パンは、モッチリした食感が特徴。1つの生地でプレーンなパンから惣菜パンや甘いパンまで、幅広い商品ができる。高温の窯での短時間焼成は、作業効率が良い。また小麦、水、塩だけで作るので原価率も低い。焼成後やホイロ後も冷凍保存がきくので、品出しの追加が簡単にできる。トッピングは見た目の豪華さと、季節感を出す工夫をすると良い。プレーンな塩パンに餡とバターを挟んだものが、1日平均250個以上売れるヒット商品になった。



カリカリメロンと黄金メロン
カリカリメロン(左)と黄金メロン
写真2
 加糖中種で仕込む口どけの良い菓子パン生地を使用して作るメロンパン2種。

【加糖中種配合%】
強力粉(イーグル)‥‥‥‥100
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
イーストフード‥‥‥‥‥‥0・1
生イースト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥51

【加糖中種工程】
ミキシング‥‥‥‥‥L3分M3分
捏上温度‥‥‥‥‥‥‥‥25度C
フロアタイム(常温)‥‥‥1時間
【本捏配合%】
加糖中種‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1
粉末油脂(プロファット)‥‥‥10
ショートニング‥‥‥‥‥‥‥‥2
氷‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
【本捏工程】
ミキシング(オールイン)‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥L3分M3分(目安として生地が滑らかにつながるまで)
捏上温度‥‥‥‥‥‥‥‥25度C
リタード‥‥マイナス4度C1時間分割‥‥50グラム(天板に並べる)
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥15分
成形‥‥‥‥‥‥‥カリカリメロンは、生地を丸め直しその上に平に伸ばした▼カリカリメロン皮25グラムをかぶせ、グラニュー糖を表面に付けてクープを入れる。黄金メロンは、生地を丸め直しその上に平に伸ばした▼黄金メロン皮をかぶせ、グラニュー糖を表面に付ける(写真2)
ホイロ‥‥‥‥‥35度C85%50分
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火190度C下火190度C10分
▼カリカリメロン皮
【材料グラム】
マーガリン(トスタール)‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1600
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥1920
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥16
卵白‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1000
薄力粉(ハート)‥‥‥‥4000
脱脂粉乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥80
ベーキングパウダー‥‥‥‥‥‥40
【作り方】
①マーガリン、グラニュー糖、塩をボウルに入れ混ぜ合わせる
②(1)に卵白を加え混ぜ合わせる
③(2)に薄力粉、脱脂粉乳、ベーキングパウダーを加えまとめる
④25グラムにカットし、丸めて冷蔵庫に保管
▼黄金メロン皮
【材料グラム】
マーガリン(トスタール)‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1000
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥900
薄力粉(ハート)‥‥‥‥1000
卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥400
【作り方】
①マーガリンとグラニュー糖をボウルに入れ混ぜ合わせる
②(1)に卵黄を入れ混ぜ合わせる
③(2)に薄力粉を合わせる
④(3)を25グラムにカットし、丸めて冷蔵庫に保管
 小川氏のコメント 菓子パンといえばあんパン、クリームパン、メロンパンが売れ筋商品の代表。この生地があれば、他のパンにも応用ができる。メロンパンは、ホイロの見極めがポイントになる。早すぎても遅すぎても良くない。軽く押して発酵状態を見てベストのタイミングで窯入れする。カリカリメロンは、表面を焦がさないように気を付ける。この生地は砂糖が多いので、薄力粉を入れず強力粉だけで仕込む。メロンパンが残ったら、1センチ位にカットし表面に溶かしバターとグラニュー糖を塗り150度Cで10分くらい色がつかないように気を付けて焼成し、袋に詰めてラスクのコーナーに置くと、すぐに売れる。メロンパンは思い切って多めに作り、ラスクにするとよい。

プレッツェルクロワッサン
プレッツェルクロワッサン
写真3
 苛性ソーダを表面に塗って焼くクロワッサン。白ゴマと塩のトッピングがポイント。

【配合%】
フランスパン用粉(Fナポレオン)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60
強力粉(イーグル)‥‥‥‥‥‥40
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
脱脂粉乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
生イースト‥‥‥‥‥‥3・5〜4
BBJ(改良剤)‥‥‥‥‥0・1
ユーロ・モルト‥‥‥‥‥‥0・3
生クリーム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50

水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
【工程】
ミキシング‥‥‥‥L8分M30秒
捏ね上げ温度‥‥‥‥21〜23度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥1時間
リタード‥‥マイナス5度Cで1晩
折り込み‥‥‥‥‥‥3つ折り3回
折り込みバター‥‥‥‥‥対粉50
%
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3角形にカットして巻く(クロワッサン成形)
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥28度C75%1時間(ホイロ後苛性ソーダ水=水1000CCに苛性ソーダ30グラムを溶いたもの=を表面に塗り、白ごまと塩をトッピングする=写真3)
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火160度C下火180度C16〜18分
 倉田氏のコメント 「ザ・シティーベーカリー」のプレッツェルクロワッサンの人気をヒントに、苛性ソーダを表面に塗り独特の風味を出した。生地に生クリームを入れることで、サクみのある仕上がりになる。店ではブリオッシュ生地にピスタチオプードルを折り込んだピスタチオクロワッサンを、冷凍したまま販売している。冷凍保存がきくので、品薄の時にも対応できる。夏場の季節商品として販売しても売れる。

ミッシュブロート
ミッシュブロート
写真4
表面にディップを塗り、小口ねぎをトッピング
 小麦粉とライ麦粉を混ぜたドイツパン。軽い酸味としっとりした食感が特徴。

【配合%】
フランスパン用粉(Fナポレオン)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥70
ライ麦粉(特キリンコナ)‥‥‥30
生イースト‥‥‥‥1・5〜1・8
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・6
サワーリキッド‥‥‥‥‥‥‥‥10
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥70
【工程】
ミキシング‥‥‥‥L8分M30秒
捏ね上げ温度‥‥‥‥25〜26度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥1時間〜1時間10分
分割‥‥‥‥‥‥‥‥800グラム
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ワンローフでパヌトンに入れる(写真4)
ホイロ‥‥‥‥30度C80%1時間
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥上火265度C下火225度C5分後上火245度C下火225度C35分(スチーム注入、5分後にダンパーを開ける)
【食べ方の紹介】
 スライスしたミッシュブロートの表面に▼ディップを塗り、小口ねぎをトッピングしたオープンサンドイッチを紹介した。和洋折衷の味が日本人に親しみやすく、評判が良い
▼ディツプ
【配合グラム】
サワークリーム‥‥‥‥‥‥250
クリームチーズ‥‥‥‥‥‥250
バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥250
マヨネーズ‥‥‥‥100〜150
玉ねぎみじん切り‥‥‥‥‥1個分
ニンニクみじん切り‥‥‥‥2片分
パプリカ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥少々
塩・コショー‥‥‥‥‥‥‥‥少々
【作り方】
①ボウルにクリームチーズ、サワー
クリーム、バター、マヨネーズを入れ良く混ぜ合わせる
②(1)にしっかり絞った玉ねぎとニンニクのみじん切りを加え、パプリカ、塩、コショーで味を整える
 倉田氏のコメント ホイロをしっかり取ることが、ポイント。表面にクープを入れ焼成時蒸気をしっかり入れ、高温で焼き、表面をアルファー化させる。その後は温度を下げじっくり焼く。生地をカットする時カードを使うとべたつかず扱いやすい。ドイツパンは食べ方を消費者に紹介すると、売れる。市販のドイツパン用の種「サワーリキッド」を使うことで、安定した商品を作ることができる。

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