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| レポート/2014年3月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 円滑で適正な消費税転嫁を期す
4月から消費税率が5%から8%に引き上げられる。パン業界でも、消費者にとっての負担増が、売上減の要因にならないかと、気をもんでいる向きは多い。
こうした中、全日本パン協同組合連合会(西川隆雄会長)と一般社団法人日本パン工業会(飯島延浩会長理事)は、消費税の円滑で適正な転嫁の促進のためにパン業界が団結する目的で、独占禁止法の適応除外規定が設けられた消費税の転嫁カルテルと、表示カルテルの実施を決めた。 |

| 税抜価格のみの表示も税抜、税込の併記も可能に | |
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消費者は税込の総額表示を希望
商品の価格は、これまでは税込価格での表示が義務付けられていたが、消費税の適正な転嫁をスムーズに進行させる目的で、昨年10月から2017年3月までの間、税抜価格のみの表示や、税抜価格と税込価格の併記ができるように、法律が改正された。具体的には「200円(税別)」「200円(本体価格)」「200円+税」などいった表示や、「200円(税込216円)」のような表示が可能だ。 一方、消費税の転嫁方法について、事業者間で取り決めを行う「転嫁カ ルテル」と、消費税の表示方法について、事業者間で取り決めを行う「表示カルテル」について、事前に公正取引委員会に届ければ、独占禁止法の適応除外措置がとらえることになった。 「転嫁カルテル」は、例えば、「各事業者が自主的に定める本体価格に消費税分を上乗せする旨の決定」や「消費税を転嫁した結果生じる端数の処理に関する決定」などだ。 「表示カルテル」は、例えば、「税込価格と税抜価格を並べて表示する旨の決定」などだ。 消費者は、消費税引き上げ後の価格表示について、何を求めているのだろうか。本誌2014年1月号で行った消費税率引き上げ後の消費行動についてのアンケートでは、これまで通り、税込みの総額表示を求める人が9割以上を占めた。また、「消費税が8%になったら、パンの消費量はどうなるか」と聞いたところ、「変わらない」と答えた人が約8割だったが、「減る」と答えた人も2割弱いて、「消費税上昇分は、本体価格を値下げして、実際に支払う金額が上がらないようにしてほしい」という趣旨の本音の回答をした人もいた。 消費者のこうした要望と、消費税を適正に円滑に転嫁したいという事業者の要望の折り合い点を探して、様々な検討作業が行われている。 |

| 全パン連とパン工業会も転嫁、表示カルテルを実施 | |
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消費税の適正で円滑な転嫁を期す
全日本パン協同組合連合会(西川輶雄会長)は、1月27日に公正取引委員会に、消費税の転嫁カルテルと表示カルテルの届出を行った。 転嫁カルテルの内容は、「各事業者が自主的に定めている本体価格に消費税額分を上乗せすること」「消費税引き上げ後に発売する新商品について、各事業者が自主的に定める本体価格に消費税額分を上乗せすること」の2項目だ。 表示カルテルの内容は、「税込価格と税抜価格を並べて表示すること」「税込価格と消費税額を並べて表示すること」「100円(税抜き価格)」などと、税抜価格を表示した上で、消費税が別途上乗せされることを明示すること」「個々の値札には税抜価格のみを表示し、売り場のわかり安い場所に消費税が別途上乗せされることを表示すること」の4項目。組合員は4つの中から、価格表示の方法を選ぶことを求められる。 一方、一般社団法人日本パン工業会(飯島延浩会長理事)は、同工業会全会員と、全パン連の一部の組合員からなる日本パン公正取引協議会の名前で、1月17日、公正取引委員会に消費税の転嫁カルテルと表示カルテル実施の届出を行った。 転嫁カルテルの内容は、「各会員が自主的に定めている本体価格に消費税額分を上乗せすること」「消費税引き上げ後に発売する新商品について、各会員が自主的に定める本体価格に消費税額分を上乗せすること」の2項目。 表示カルテルの内容は、「小売業者などとの価格交渉を行う際に、税抜き価格を提示すること」となっている。 |

| リテールベーカリーも適正転嫁の方向が主流 原料高騰も絡み消費税転嫁は必須(ソラ)
北海道産や兵庫県産の小麦などを使用して17年間パンを焼き続けている「ソラ」(東京・目黒区)の金丸信乃店主は、4月からの消費税率8%の実施について、「転嫁します。お客様にはできるだけ安く商品を提供したいと考えていますが、税金は払わなければなりません。私どもとしては正直に対応していくしかないのです」と明確だ。 同店では、昨年10月にパンの価格を値上げした。 「国産小麦は毎年値上がりします。カナダ産オーガニック小麦は円高のおかげで多少価格が下がり、手が出なかった銘柄も購入できるようになりました。厳しいのはバターやチーズなど乳製品の値上がりです。そのため商品価格を上げたのです」(金丸さん) これまで原価率25%を基準に経営してきたが、前述のとおり、諸原料の値上げにより、今は30%を越える現状がある。 従って、8%の消費税は確実に上乗せしなければならないという。1月22日現在で、本体価格の表示を考えているが、税込価格を表示した方がいいかも知れないとの迷いもあるという。 卸事業も行なっており、それとの整合性の問題もあるという。 消費税の適正な転嫁を図る方向(パネッテリアアリエッタ) JR山手線五反田駅から徒歩約8分のビジネス街にある「パネッテリアアリエッタ」(東京・品川区)は、は1月22日現在で、4月以降の価格見直しの検討に入った。 基本的に消費税8%はきっちり転嫁する方向だ。 他の業界では一部の商品を4月以降も現在の税込み価格のまま据え置き、実質値下げとする動きもあるが、同店はそのようなことは一切しないと断言する。 現在考えているのは、本体価格が100円のパンの場合は、「108円(税抜100円)」と表示する方法だ。 また、税抜き価格で発生する端数については次のような考えだ。例えば、税込価格150円のパンならば、税抜き138・888円となるが、小数点以下第2位以降を切り捨てて138・8円と表示。つまり、150円(税抜価格138・8円)と表示することを考えている。 同店は、北海道産小麦に他の内麦をブレンドして、製パン適性を上げてパンを焼く。カナダ産のオーガニック小麦も使う。副原料も含め、素材の持ち味を生かしたパン作りを旨としている。 多くの従業員が将来の独立を目指しているため、消費税についてのこうした経営判断も、従業員の将来の参考になればと考えているという。 現在の税込価格のまま4月以降も販売(ルメルシエ) 神奈川県横須賀市にある今年で4年目を迎えるベーカリー「ルメルシエ」は、開店以来商品価格を上げていない。小麦粉などの値上がりもあり「原価率はギリギリですが、お客様に負担はかけられません」というのが畑中さんの姿勢だ。 加えて、1月に静岡県内で学校給食パンが原因とされる食中毒事件が起き、それ以降食パンの売れ行きが芳しくないという。こうした突発的な事情も踏まえて、畑中さんは1月24日現在で「10月まで様子を見ます」と話し、現在税込み100円のパンは、4月以降は「100円(税抜93円)」と表示する意向だ。 |
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