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| 小規模店の特性を守り地域に貢献 - リトル・ブレッズ・トゥ・ゴー |
| | 7坪の土地に建てられた2階建ての店舗は濃い緑色の看板に「Little Breads To Go」の文字が目立つ | | | 食パンで一番の売れ筋の 「ゴーブレット」(290円) | | | | 店長の古宮義和さん | | 生まれ育った場所で開いたベーカリー 千葉県船橋市の京成船橋駅にほど近い旧市街地である本町通りを、西船橋方面に歩いて数分すると、何やら香ばしい香りが漂ってくる。右手には、小さな神社がある公園があって、その公園の敷地内に入り組んだような形で位置する2階建ての小さな可愛らしい建物がベーカリー「リトル・ブレッズ・トゥ・ゴー」だ。濃い緑色の屋根と看板、薄茶色のシンプルな扉が印象を強くしている。 生粋の船橋っ子で子供の頃から「パン屋さん」に憧れていたという店長の古宮義和さんは、現在この店が建っているこの場所で生まれ育った。 実は、昔は、ここに古宮さんの実家があったからだ。しかし、市の区画整理によりもともとの土地の大部分が買い取られ、実家は他の場所に移転。残された約7坪のこの土地を古宮さんが譲り受ける形で店鋪用の小さな建物を建てた。 結果的には、その小さな土地が、この「テイクアウトのできる小さなお店」という意味のお店のコンセプトを生み出すこととなる。 小さいが2階部分まで使い工夫して設計したこの店は、客とのコミュニケーションを大切にしたいという理由で、あえてショーケースのみの対面販売形式を採用。ショーケースの中には、季節商品など種類豊富な菓子パンや総菜パン、サンドイッチなどが、ショーケースの上には、この店一番の売れ筋の食パン「ゴーブレット」(290円)やハード系のフランスパンなどが並ぶ。また、パンのほかにも、パティシエの経験もあるという古宮さん手作りの洋菓子類や、可愛らしい小物雑貨、常連客から頂いたというアンパンマンのキャラクターオブジェなども目に入る。全体的に可愛らしい感じで、いるだけでほっこりと落ち着く空間だ。 「ゴーブレット」は、生クリーム、四葉バターを贅沢に使いミミまでやわらかく焼き上げた食パン。「ミミが厚くならないよう高温短時間で焼いていますが、中の水分が残らないよう、材料を調整しこの味に仕上げています」と古宮さん。最近は船橋ブランドの小松菜を使用した「小松菜ベーコン」(180円)が「ゴーブレット」に次ぐ売れ行き。また、セミドライのりんごとカシューナッツを入れた「りんごのリュスティック」(230円)も人気という。材料は全て無添加の食材を使う。「100%自分で吟味して手作りです。材料からレシピまで全部自分で考えて決められる点が楽しくて仕方がないですね」と、古宮さんは小規模店ならではの醍醐味を語る。 自分でもパンを作っているという客から作り方や材料などについて色々な質問を受けることも多い。時には、アレルギーの問題など食品に関する様々なことも話題に上がったりする。古宮さんは「この店を、パンを売るだけでなく、皆の笑顔が集う場所にしたいですね」と思いを語る。
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| | 昨年の10周年時に客に配った、店のコンセプト「We have One」の文字が書かれたイラストを、店内に掲示している。傍らに見えるのは、客からもらったというアンパンマンのキャラクターオブジェ | | | | 「お客様とのコミュニケーションを大切にしたい」と、あえてショーケースのみの対面販売形式を採用 | | | | 「小松菜ベーコン」(180円)。西船橋の農家とタイアップしたコラボ商品 | | | | 客は近隣住民が圧倒的に多く、店は「リトブレ」の呼称で親しまれている | | | | 店内には、パティシエの経験もある古宮さん手作りの洋菓子も置かれている | | 「ぶれず」「ずれず」続けた小さな店 2003年4月に開業してから10年以上経つ。古宮さんは、洋菓子の専門学校を卒業後、ホテルで3年間パティシエとして勤務したあと、各地のベーカリーで7年間修行。29歳の時にこの地で独立した。以降、製造から販売まで古宮さんがほぼ1人でこなし続け、驚いたことに10年間病欠したことは1度もないという。しかし続けるのはけして平坦な道ではなかった。 「続けられたのは、この規模でこの味で売るという当初の目標から『ぶれず』『ずれず』努力したからですね」と話す古宮さん。現在は口コミなどで広まり常連客が定着した感があるが、正直、開店当初は、旧市街地の外れで駐車場もなかったためか、なかなか客は来なかったという。「それでも安易にパンを大きくしたり、安価な材料に変更したり、ということは考えませんでした。小規模店ならではの特性を活かし、うちでしかできないことを続けていきたかったんです」と古宮さん。古宮さんは、数字的な目標や、店を目立たせたりすることにはそれほど価値をおいていない。それよりも「なんとなく地域の一部になり『船橋にこんなパン屋があって良かった』と思ってもらえる、陰日向で支えるような、そんな存在でいたいんです」と話す。 昨年の4月に開業10周年を迎えた時には、友達にイラストを描いてもらい、店のコンセプトを書いたリーフレットを、客に配った。イラストの中に「We Have One」の文字が書かれているもので、「リトブレ(店の呼称)は素敵な笑顔に支えられている」「リトブレにはリトブレでしか食べられないパンがある」「お客様1人1人にリトブレが特別な存在でありたい」という3つの思いを込めたという。古宮さんの来店客に対する姿勢やパン作りへの思いが伝わってくる。 遊び心溢れる商品作り パンを作るのが楽しくて仕方がないという古宮さん。販売の一部はパートさんに手伝ってもらうようになったが、現在でも、製造はほぼ古宮さん1人で行なっている。焼くのは1日1回だけ。厨房のスペースもあり、どうしても1日の製造量は限られる。それでも、種類は豊富にしたいという考えから、全体で55種類ほどの商品を、それぞれ少しずつ出すという方法をとっている。 食パンなどの定番商品は多めに出しているが、菓子パンや総菜パンなどは、1種類につき大体1日5〜6個ずつ作っている。55種類のうち定番は20〜30品目で、あとは季節商品やその時に手に入った材料を流動的に利用して出す期間限定商品だ。特に季節商品には力を入れており、定番商品と併せ、選ぶ楽しさを提供している。 また新作のアイデアもつきず、新商品は毎月2アイテム以上は必ず出しているという。つい先日は中華料理店の知り合いからの提案でエビチリの総菜パンをイベント用に作った。店頭で商品化するか検討中だ。今後も「こうしたコラボ品はもっと増やしていきたいですね」と話す古宮さん。商品作りに対してはとても遊び心溢れた姿勢を持っているようで「世界一楽しくパンを焼いているパン職人になりたいんですよ」と話す。 朝市など市内のイベントにも積極的に参加しているが、今後も地元のネットワークを積極的に活用していきたいという。 「小松菜でコラボした西船橋の農家の方もそうですが、船橋市内の漁師さん、商店街のラーメン屋さん、お米屋さん、酒屋さんなど、みんな僕の友達です。そういうつながりを大切にして、色々とコラボしていきたいですね」と笑顔で語った。
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店名:リトル・ブレッズ・トゥ・ゴー(Little Breads To Go) 住所:〒273−0005千葉県船橋市本町1−21−16 電話:047−437−8733 営業時間:午前9時〜午後7時 定休日:火曜、第3月曜 品揃え:約55品目 スタッフ:製造1人、販売1〜2人 店舗面積:売場2坪、厨房(1階)4坪、厨房(2階)4坪 月商:100万円
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