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| 特集/2014年3月号 |
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| 特集 ハード系の販売戦略 ハード系の本当のおいしさを体験してもらうための様々な施策 | |
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熟成させるもので、「発酵させすぎると粉の酸化が起きやすくなるので、イーストも必要最小限。バゲットでは0・08%しか入れていません。その分ふわふわ感は少ないですが、全体的に小振りで固めにまとめる製法で、パンを噛み締める味わいを楽しんでもらえるようなものを作っています」と池口さんは話す。 パン生地は基本的には、ハード系、ソフト系問わず、小麦そのもののおいしさを知ってもらうため、余計なものは入れず、副素材も必要最小限のショートニング、ラード、イースト以外は使わない。また生地に関しては無添加に徹している。具材も一部外から入れているものを除けば、ほとんどが店内で作っている無添加のものだ。ただこれまではそうした原材料のこだわりについて、まだ伝えきっていない部分があった。今後は商品のポップやレジで配布するチラシなどにそうした原材料に関する説明も加え、自然な形で生地について興味を持ってもらいたいと考えている。 また「産地に関することももっと表に出していきたいですね」と池口さんは話す。まずは同店の「バゲット」(250円)、「リュスティック」(210円)などが国産小麦100%である点をもっと大々的にアピールしていき、さらにドイツ系のパンはライ麦粉を使用しているといった原材料に関する知識も全般的に伝えていきたいという。 同店のセルフコーナーの平台の下には、バゲットの材料として使用されている九州産小麦「みなみの穂」が置かれている。 「ディスプレイも兼ねたアピールです。当店は3種類のライ麦粉と7種類の小麦粉を使用していますが、小麦粉のうち5種類が国産です。残り2種類の外国産は強力粉であんぱんなどのソフト系のパンや食パンの一部に使用しています」(池口さん) 原料高もあり、国産はコスト面で厳しくなってきたが、その分、「安心・安全」なイメージを訴求することでプレミアム感を出していきたいと考えている。 「外国産も品質は悪くないですし、使い分けていますが、ただお客様はそういう事をご存じないですから、そういった原料事情に関することも伝えていくことが、生地に興味をもってもらうために必要だと思っています」(池口さん)。 移転したことに後悔はない。店鋪が広くなり、設備のキャパシティーも広がったことで、品目数も毎日焼く数も増やすことができた。あとはここの住民の需要をいかに取り込んでいくかということだ。 「ただ今は人手不足を解消したいですね」と話す池口さん。現在、同店の製造作業はピーク時でも店長と正規の従業員2人で行なっている状態。ピーク時に回していくのは本当に大変で、現在、製造で正社員を募集しているという。また春からは原料高騰によるやむをえない値上げもある。「単純な価格上昇ではなく、その分、より良いものをお客様に提供し、品質にプレミアム感を出す努力をしていきたいですね」(池口さん) 課題は山積だが、ハード系はまだこの地域では未開拓だからこそやりがいがあるのだろう。着実な努力はこの店の個性として伝わっていくに違いない。 | ||||||||||

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パラオア
住所:〒273-0107千葉県鎌ヶ谷市新鎌ケ谷4-6-28 電話:047−468−8046 営業時間:午前9時〜午後7時 定休日:月曜、火曜、水曜 品揃え:110〜120品目 スタッフ:製造2人、販売1〜3人(平日)、2〜3人(土日) 店舗面積:売場8坪、厨房(倉庫、バックヤード含む)17坪 日商:12万円(平日)、17万円(土日) |

| カフェで食べたパンをベーカリーでも購入する - ラ・ブランジュリ カロン | ||||||||||
「大きく焼いたパンがいいんです」と語る、「ラ・ブランジュリ カロン」の稲葉雄一シェフ。「大きく」とは、まさにパンのサイズのこと。フランスパン、ドイツパンがずらりと並ぶ店内は、両手に余る大きなパンがひしめいている。 東京・八王子市高倉町の人気パティスリー「バーゼル」の一角を占めるベーカリー「ラ・ブランジュリ カロン」。元は倉庫だった建物を改装してカフェとベーカリーを併設して運営されている同店は、欧米風の洒落たデザインで統一されている。開店以来、低温長時間熟成をテーマにしながらバゲットを製造してきた。同店を人気店に押し上げた神林慎吾シェフの後任として、昨年3月にシェフに就任して以降、稲葉シェフは得意のハード系をどのように展開するか、日々思案を重ねている。 「シェフに就任してまだ1年未満ですから、どうやっていこうか様子見の期間と考えているのが実際です」 稲葉氏がシェフに就任以降、スタッフ配置の関係もあり、それまで販売していたあんぱんやクリームパンをメニューから外し、ハード系主体の食事パンにラインナップを変えている。 ハード系を売るための強みとして、稲葉シェフは併設カフェの存在をあげた。 「母体は『バーゼル』というケーキ屋さんなんです。建物も元はケーキ屋さんの倉庫。そこを改装してカフェをプラスし、スペースがあったのでベーカリーも始まったという流れです。その中で、カフェの料理を召し上がって頂きながら当店のパンを味わって頂けるのは大きいと思います」 カフェのメニューはサラダ、レンズ豆の煮込み、ラタトゥイユなど、ハード系と好相性のデリスタイルが多数。同じ建物の同じ階にカフェがあるので、パンを食べて気に入った客が「あのメニューのパンはどれ?」とベーカリーを訪れて購入に至ることも多いという。カフェは地域住民に人気の場所で、毎日のように通う常連客も多い。そこから自然とパンの販売につながる要素も見られるという。 「カフェは強みですね」と、稲葉シェフ。 同店はチェーン展開する系列店にもパンを卸しているため、ランチでの消費も見込んでロスに強気でどんどん焼けるという。人気のハード系はカンパーニュやバゲットで、土日の売れ行きは平日をやや上回るといった傾向。同店のハード系は、ライ麦粉100%のものなど本格的なものも揃えている。それらは、「ここでしか買えないから」と客の心を掴んでいるという。「外国人の方だと、食習慣から毎日ライ麦粉の多いパンを食べる方もいらっしゃるようです。そういう需要に応えられるといいですね」と稲葉シェフ。 | ||||||||||
「いま注目しているのは、昨年4月に導入したピザ用の薪窯です」と稲葉シェフ。ベーカリーの「カロン」の目立つ場所に備え付けられた薪窯は、同じ建物内にある洋菓子店の「バーゼル」の入り口から入店した客の目にも付きやすいようになっている。現在はピザ用に400度Cまで温度の上がった窯の捨て火が200度C程度になるのを見計らって、午後からドイツパンの焼成について試行錯誤しているという。スチームが入らないのでバゲットには向かないが、この窯を活かしたパン作りと販売が目下の力の入れどころだ。 「薪窯での焼成法を完成させて、パンを大きく焼けるようになりたいんです」と稲葉シェフは語る。 「大きく」とは、重量が1キロ〜1・5キロといったパンのこと。17年間の製パン職人歴を持つ稲葉シェフは、今大きく焼くパンに大きな魅力を感じている。皮が厚く、カリッとした食感の大きなパンが稲葉シェフの好むハード系のパンだ。 しかし、ハード系に不慣れな日本人の感覚では、「大きなカンパーニュやドイツパンをどのように食べればいいのか?」と、つまずくケースも多いという。それに対し、同店が行っているのがハーフサイズや、4分の1サイズでの分割販売だ。慣れると大きなパンを丸ごと購入し、翌日から翌々日まで食べることができるようになるが、それまでの間、大きなパンに興味を持った客に、小分けしたものを販売するのだ。 「家族の人数に合わせて6枚切りの食パンを選ぶように、4分の1サイズのカンパーニュを買ってもらえたらと思っています 稲葉シェフがハード系を好むのは、定番のあんぱんなどの菓子パンとは違う良さを見出しているからだという。3日たってもパサつかないパンを目指して、ハード系を作り込んでいく。 都心ではなく都下の人気店の値付け感覚 ライ麦粉の配合量が多い本格的なドイツパンも複数扱っている同店のパンの価格は、小麦粉使用で白焼きの人気商品「ヴァイツェン」が1本300円、ハーフカット150円、ライ麦粉90%の「フォルコン・ブロート」が1本2000円、ハーフカット1000円、4分の1カット500円、ライ麦粉30%の「パン・オ・セイグル」が400円、「バゲット」が250円、といった相場感。欧風を徹底した店の雰囲気と合わせて、付加価値を乗せた価格付けも可能ではないかと尋ねたところ、稲葉シェフは「都心の人気店ならそういう値付けもできるかも知れませんが、八王子の街には合わないと判断しています。ただ、ケーキ屋の中のベーカリーなので、デニッシュなどがあまり安くても不自然になってしまうので、店全体のバランスを見て、安易に安さをアピールしたりはしません。基本的には、適正価格を設定する方向です」と語った。 ハード系普及のポイントとなっていると思われたのは、稲葉氏がシェフになって以降の新作、「バゲット・オルディネール」(150円)だ。こちらは、神林シェフ時代からの人気商品「低温熟成バゲット」のバリエーション。「低温熟成バゲット」より小ぶりで、価格も150円と、本格派のバゲットに手を伸ばすのにとても手頃になっている。目玉商品として赤字覚悟の値付けかと尋ねたところ「いいえ、適正価格です」と稲葉シェフ。 栗の粉のパンや秋のカボチャを使ったパンなど、新作の研究にも余念がない。稲葉シェフ流のカロンは、もうすぐ丸一年になる。今年の躍進が注目される。 | |||||||||||||
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ラ・ブランジュリ カロン
住所:〒192−0033東京都八王子市高倉町64−6 電話:042−682−3757 営業時間:午前10時〜午後8時 定休日:水曜 品揃え:ベーカリーは約60品目 スタッフ:製造3人、販売8人(ランチの配膳スタッフを兼ねる) 店舗面積:厨房15坪、売場(ベーカリーのみ)5坪 |
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