第24回特別講習会 - 東京製菓学校校友会本部 - ブランスリー電子版

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講習会/2013年10月号

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第24回特別講習会 - 東京製菓学校校友会本部
パンコースの講師を務めた佐々木卓也氏
 東京製菓学校校友会は東京・新宿区の同校で8月22日、「第24回特別講習会」を開催。パン、洋菓子、和菓子の3コースで行われた。
 講習会開催にあたって梶山浩司校長は、「猛暑が続き、パンや菓子は商売あがったりという声をよく耳にします。また、コンビニの参入の影響も無視できない状況となっています。こうした中、業界としてどういう風に乗り越えるかを考えなければなりません。コンビニは品揃えがよくて便利に買い物ができます。しかし、そこそこのものはありますが、特別なものはないと思います。その、特別なものを揃えるのが、皆さんの仕事だと思っています」などと挨拶した。
 パンコースの講師を務めたのは、パンの国際コンクール、クープ・デュ・モンドの2012年大会で1位に輝いた日本代表チームの佐々木卓也氏(ポンパドウル)。佐々木氏は、「クロワッサン・オ・ブール」や「ポム」など、同大会で製作したパン4品と、フランスの研修で学んだという「バゲット・トラディション」など3品の製作実演をした。
 講習会終了後は、パン、洋菓子、和菓子すべてのコースの受講者や講師らを交えて懇親会が行われた。 懇親会で梶山校長は、「本日学ばれたパンや菓子は、1品でも2品でも実際にやってみて、形にしてみて下さい。そのようにして、自分のものにしていくという努力が必要だと思います」と話した。



バゲット・トラディション
バゲット・トラディション
写真1
 フランスでよく使われているバゲット用の粉「T65」を使ったバゲット。

【配合%】
フランスパン用粉(T65)‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60
ゲランドの塩‥‥‥‥‥‥‥2・2
インスタントドライイースト‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・2
ルヴァンリキッド‥‥‥‥‥‥‥20
バシナージュ(差し水)‥‥‥‥5
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥フランスパン用粉と水を混ぜてまとめ、長方形に伸ばす。半面にインスタントドライイーストをふりかけ、インスタントドライイーストを挟むように2つ折りにし、オートリーズを30分とる。そのあとミキサーに入れ、ルヴァンリキッド、ゲランドの塩の順に投入し、L6分、バシナージュ(差し水)をしながらML2分、さらにM2分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥24度C
フロアタイム‥30分(パンチ)15分(パンチ)15分(フロアタイム後5度Cの冷蔵庫で15〜24時間保存、分割前に15度Cで生地をもどす)
分割‥‥‥‥‥‥‥‥350グラム
成形‥‥‥長さ50センチのバゲット形。クープを5本入れる(写真1)
ホイロ‥‥‥‥‥‥27度C1時間
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥230度C30分(スチーム注入)
 佐々木氏のコメント T65の粉はフランスでバゲットによく使う粉で、今回はT65の有機のものを使用した。この粉を使うとダイレクトに粉の風味が感じられる。ただ、非常に繋がりにくい性質の粉なので、ミキシングではオートリーズをとる。過多にミキシングすると粉の風味が飛んでしまうので、オートリーズをとって、できるだけミキシング時間を短くする。イーストの量は、オーバーナイトでなくストレートで作る場合は、0・35〜0・4%に増やすと良い。イーストを生地にふりかける理由は、イーストに生地の水分を吸収させるためだ。こうすることで、生地に溶けやすくし、イーストの立ち上がりを早めることができる。ミキシングでは、塩を入れるタイミングに注意する。ルヴァンリキッドと時差を付けて投入すべきだが、塩は粉の風味が飛んでしまうのを防ぐ役割を持っているので、ルヴァンリキッドが生地にしっかりと馴染んだら、できるだけすぐに投入すると良い。冷蔵発酵生地は、発酵で大きな気泡を作ってしまいがちなので、成形時に強めにたたきながらガスを抜くと良い。



バゲッド・カンパーニュ
バゲッド・カンパーニュ
写真2
バゲット・カンパーニュの生地にローストヘーゼルナッツ、アプリコット、オレンジ、クランベリー、レーズンを練り込んで焼いた「エネルジー」も紹介した
 灰分の高い粉を使った黒っぽい内層のバゲット。穀物の香りが濃い。

【配合%】
フランスパン用粉(T65)‥‥50
フランスパン用粉(T80)‥‥30
小麦全粒粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
ライ麦粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥65
ゲランドの塩‥‥‥‥‥‥‥2・3
インスタントドライイースト‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・2
ルヴァンリキッド‥‥‥‥‥‥‥30
バシナージュ(差し水)‥‥‥‥5
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥T65とT80のフランスパン用粉、小麦全粒粉、ライ麦粉、水をを混ぜてまとめ、長方形に伸ばす。半面にインスタントドライイーストをふりかけ、インスタントドライイーストを挟むように2つ折りにし(写真2)、オートリーズを30分とる。そのあとミキサーに入れ、ルヴァンリキッド、ゲランドの塩の順に投入し、L6分、バシナージュ(差し水)をしながらML2分、さらにM2分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥21度C
フロアタイム‥30分(パンチ)15分(パンチ)15分(フロアタイム後5度Cの冷蔵庫で15〜24時間保存、分割前に15度Cで生地をもどす)
分割‥‥‥‥‥‥‥‥350グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥30分
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥長さ50センチのバゲット形。クープを入れる
ホイロ‥‥‥‥‥‥27度C1時間
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥230度C30分(スチーム注入)
 佐々木氏のコメント 灰分の高い粉を使用した配合なので、内層は黒っぽく、濃い穀物の香りのするバゲットになる。このようにくせのある粉を配合した場合、ルヴァンリキッドは多めに加えると風味のバランスが良い。使用したルヴァンリキッドは、酢酸より乳酸を感じる、マイルドな酸味に仕上げている。生地をもどす際の15度Cというのは、生地のダメージを復活させるために必要最低限の温度だ。ホイロ時に生地をのせるキャンバス地には、粉を振っておくが、ふるいを使わずに手で振るようにする。バゲットの場合はその方が、ランダムに粉の模様が付いて面白いと思う。



クロワッサン・オ・ブール
クロワッサン・オ・ブール
写真3
クロワッサン・オ・ブールと同じ生地で作った「ショコラティーヌ」。チョコレートのスティック2本を巻き込んで焼成
 クープ・デュ・モンドで製作した、フランスパン用粉を使ったクロワッサン。

【配合%】
フランスパン用粉(T65)‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
脱脂粉乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
ユーロモルト‥‥‥‥‥‥‥0・3
セミドライイースト‥‥‥‥1・6
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥45
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥L2分(全卵、ユーロモルト、セミドライイースト、水投入)L4分ML8分
捏ね上げ温度‥‥‥‥23・3度C
大分割‥‥‥‥‥‥1700グラム
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥30分(フロアタイム後マイナス6度Cで冷凍)
折り込み‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥3つ折り2回、2つ折り1回
折り込み油脂‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥発酵バターシート対粉50%
成形‥‥‥‥‥‥厚さ3ミリ、幅40センチに伸ばし、11センチ×20センチの二等辺三角形にカットして、三角形の底辺から巻き、三角形の頂点を底で止める(写真3)。このとき、頂点の先から1センチくらい下側を指で押し付けて密着させる。
ホイロ‥‥‥‥‥室温で15分。その後30度C75%1時間30分(ホイロ後表面を少し乾かしてから塗り卵)
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火230度C下火190度C14分
 佐々木氏のコメント 配合をシンプルにした理由は、うまくいかなかったときに、その原因を究明しやすくするため。クープ・デュ・モンドに出場して実感したことは、生地の仕込み、特にミキシングが最も大事だということだ。T65の粉を使う場合はしっかりミキシングする必要がある。しかし、ミキシング時間が長いほどバターの香りが失われることに注意しなければならない。ホイロに入れる前に室温に15分置くのは、芯部分の温度も上げて生地全体の温度を一緒にするため。塗り卵をするときは、層の見える断面には付けないように気を付ける。クロワッサンの一番高く盛り上がっている中央部分から外側へと、刷毛を動かし、左右分けて塗っていくと良い。



ブリオッシュ
ブリオッシュ・ア・テット
ブリオッシュ・シュクレ
写真4
写真5
講習会開催にあたって挨拶した梶山浩司校長
 クープ・デュ・モンドで製作したブリオッシュ。フランスパン用粉「T55」を使用。

【材料グラム】
フランスパン用粉(T55)‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥100
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥12
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
全卵‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50
セミドライイースト‥‥‥‥1・4
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
無塩バター‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50
【工程】
ミキシング‥L2分(全卵、セミドライイースト、水投入)L4分M8分(無塩バター投入)M2分H2分
捏ね上げ温度‥‥‥‥22・5度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥1時間(フロアタイム後ガス抜きをしてマイナス6度Cで冷凍)
分割‥‥‥ガス抜き後、45グラムに丸める(分割後1時間室温に置く)
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ブリオッシュ・ア・テットは、アテット形。短い棒状にしたら端から3分の1〜4分の1のところでくびれを作り(写真4)、頭を上にして型に3本の指を使って押し込む(写真5/b>)。このとき、軽く曲げた状態の指を、頭部分と周りの境目に押し込み、頭を安
定させる。ブリオッシュ・シュクレは麺棒で8センチの円形にのばす。
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥30度C75%1時間30分(ホイロ後、ブリオッシュ・ア・テットは塗り卵をし、ブリオッシュ・シュクレは1センチ角の有塩バターを5カ所に埋め込み、霧吹きをしてカソナードをまぶす)
焼成‥熱く熱した天板にのせ替え、上火230度C下火220度C9分
 佐々木氏のコメント T55の粉を使うと、火通りが良く、バターや卵の香りがより引き立ったブリオッシュを作ることができる。ブリオッシュは、焼成の仕方を注意しなくてはならない。高温短時間でさっと焼き上げができると、パサつくことなく風味豊かに仕上げることができる。ミキシング時、バターは冷たい状態で投入する。その理由は主に3つある。バターの風味を保持することと、捏ね上げ温度の上昇を防ぐことと、成形時に生地の緩みを抑えることだ。冷たいバターを叩いて可塑性を出してから練り込むことがポイントだ。今回、生地はマイナス6度Cで一晩置いたが、コンテストなどの場合は作業時間が限られているため、バゲット・トラディションの発酵生地を20%添加して熟成をすすめ、グラニュー糖は12%から13%に増やして味のバランスをとる。

原価計算女王
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