トライアル型のニューブランド - アンジェターブル - ブランスリー電子版

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お店拝見/2003年1月号

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トライアル型のニューブランド - アンジェターブル

バタールの内相。独特の粗い気泡が見える。


定番食パンの「パン・ド・ミ」
ポンパドウルの新ブランド、アンジェターブルが2002年11月15日、西武池袋線・大泉学園駅近くの商業施設、ゆめりあフェンテ2階にオープンした。同ベーカリー担当者いわく。「トライアル型のニューブラド」。
老舗ブランドのポンパドウルとは違った角度から、ベーカリー経営にチャレンジし、新たな可能性を探っていくのが大きな狙いのひとつだ。

住所 東京都練馬区東大泉5-43-1ゆめりあフェンテ2F
電話 03-5935-0351
営業時間 午前10時〜午後9時
定休日 年中無休



様々な新しい製法を導入。デニッシュを中心に据える

人気のデニッシュ「ポワール」


人気商品のひとつ「ネジュレコリン」


直焼きのあんぱん「直焼きフランスあんぱん」
 アンジェターブル大泉学園店の品揃えはおよそ120品目。デニッシュ類が30〜40品目と多いのが特徴のひとつだ。
 製造チーフの村野潤一さんが人気のデニッシュとして教えてくれたのは、カスタードクリーム、洋梨などをトッピングした「ポワール」(180円)、カスタードクリームを注入した「ネジュレコリン」(150円)、ダークチェリーをトッピングした「ダークチェリー」(180円)など。製法に新たな工夫を加えて、サクサク感を強調したという。
 アンジェターブルは、ブランド力の強いポンパドウルでは導入できなかった様々なパンの製法を、顧客の反応を確認しながら、試験的に導入。
 同店のフランスパンについて村野さんは「クラムやクラストは正統派のフランスパンそのものです。内相もフランパン独特の粗い気泡が特徴です。しかし、口どけがよく、食べやすい食感に仕上がっています」と話す。
 「パン・ド・ミ」(1斤200円)や「ボンディエール」(1斤250円)などの食パンについても、新たな製法をとり入れたという。
 「直焼きフランスあんぱん」(120円)もユニークだ。
 直焼きすることで、上方に大きく伸び、背の高い製品に仕上がるのだそうだ。クラムが薄くなり、ぱりっとした食感に仕上がるともいう。
 品揃えのすべてについて、ポンパドウルの製品のよさをとり入れつつも、それに縛られることなく配合や製法を再検討したという。



窯の前はまるで舞台のよう。シックで、しかも親しみやすい

アンジェターブル大泉学園店の正面。


窯出ししたパンを並べるコーナー。名づけて「BREAD FACTORY」


天井は高く、濃い茶色に処理が施された柱が何本も渡されている。


オープンキッチンでは、サンドイッチの加工やデニッシュ類の仕上げなどを行う。


パンの陳列台を照らす照明は、高い天井から吊るされ、趣がある。


製造チーフの村野潤一さん(右)と販売マネージャーの田村政一さん(左)
 西武池袋線・大泉学園駅の改札を出て左へ向かうと、駅の出口から目新しい連絡橋が2002年11月15日にオープンした商業施設、ゆめりあフェンテに続く。その間徒歩約1分。ゆめりあフェンテの入り口を通過すると、そこは同施設の2階だ。
 通路を進んで左手にアンジェターブルがある。入り口右手には、シックな金属製のスタンドにトレーとトング。正面には石窯風に化粧を施された大きなオーブンが設置されている。オーブンの前には、窯出しのスペースを挟んで、パンの陳列台。窯から出されたハード系のパンなどの一部は、ぱちぱちと音を立てながらその陳列台に並べられる。名づけて「BREAD FACTORY(ブレッドファクトリー)」。パン職人が演じる舞台のようだ。
 入店して左手は、サンドイッチの加工やデニッシュの仕上げなどを行う、全面ガラス窓のオープンキッチン。
天井は高く、濃い茶色に処理が施された柱が何本も渡されている。パンの陳列台を照らす照明は、高い天井から吊るされ、趣がある。「シック」「ヨーロピアン」「天使の食卓」といったキーワードが浮かび上がってくる感じだ。一方で、幅広い年齢層の人たちから親しまれる雰囲気も漂っている。
 同店マネージャーの田村政一さんは「多くの人たちから親しめるシックな高級感を演出しました」と話す。また、製造チーフの村野さんは「材料を厳選しています。例えば、レーズンはオーガニックのもの使用し、くるみはホールを仕入れて、必要に応じて加工して使っています」と話す。



生活者ニーズの変化に対応。デベロッパーの要求も変化

 「トライアル型のニューブランドです」
 取材に応じたポンパドウル広報担当者はこう話す。
 「時代の多様なニーズに広く応えていくために、柔軟な発想をもって、ベーカリー運営にチャレンジしていきたいと考えています」
 パンの製法、製造スペースのレイアウト、販売スペースのレイアウト、販売方法、コスト管理…。こうしたことすべてについて、新たな発想でのトライアルを実践していこうというのだ。試行錯誤の連続。
 例えば、アンジェターブル大泉学園店が品揃えの中心に打ち出したデニッシュ類についても、連日検討が重ねられている。顧客が求めるのはどのくらいの価格のどんなデニッシュなのかについての模索が続いているのだ。
そのほかの商品についても製法や販売方法について、模索が続いている。
 同広報担当者は「今後アンジェターブルの出店を重ねた場合、出店場所の地域特性を考慮して、品揃えや価格、店舗デザインなどについては店ごとに柔軟に対応していく考えです。ただ、『天使の食卓』(店名のアンジェターブルは『天使の食卓』の意味)というキーワードは全店で統一します」と説明する。
 アンジェターブル出店の背景には、「急速に変化する市場ニーズに的確に対応していくには、すでに確立された不動のブランド、ポンパドウルだけにあぐらをかいてはいられない」という思いがある。
 実際、これまではほとんどがデパートへの出店だったポンパドウルが、2002年は新規出店7店のうち、デパートへの出店は2店のみで、残りはすべて複合ショッピングセンターなどデパート以外の業態への出店だったという。
 「出店条件も変化してきています。イートイン付を条件にしてくる場合や、カフェベーカリーであることが条件の場合もあります」と同広報担当者はいう。
デベロッパー側の要望に十分に応えていけるだけのノウハウを蓄積していかなければ生き残っていけない、と判断しているのだ。
 一方で、優良出店場所が同一商圏内にある場合に、コンセプトの違う複数のブランドがあれば、バッティングすることなく両方に出店できるという思惑もある。
既成概念にとらわれない柔軟な発想で、生活者ニーズに応え得るあらゆる可能性を探る試み――それがアンジェターブルなのだ。

しっとり感のあるフランスパン

左からパリジャン(300円)、ドゥ・リーブル(350円)


バゲット(210円)
パリジャン、ドゥ・リーブル、バゲット
 「ポンパドウルといえば、フランスパン」というイメージがあるが、アンジェターブルでもフランスパンは健在だ。
 「外観や内相は、本格派フランスパンだが、食べ口がややソフトなのが特徴」(製造チーフの村野さん)だそうだ。

ブリオッシュ生地を使った商品が人気

カスタードクリームをたっぷりと充填した「クリームブリオッシュ」


バター風味とアーモンドスライスのマッチングを大切にした「ブッタークーヘン」
クリームブリオッシュ、ブッタークーヘン
 製造チーフの村野さんは「ブリオッシュ生地を使った商品が人気です」と教えてくれた。
 「クリームブリオッシュ」(150円)は、ブリオッシュにミルク風味のカスタードクリームをたっぷり充填し、アップルプレザーブをトッピング。
 「ブッタークーヘン」(150円)は、ブリオッシュ生地をのばして、その中にカスタードクリームをサンド。バター風味とアーモンドスライスのマッチングを大切にした製品だという。

原価計算女王
原価計算女王
もちもちした食感とほのかな甘味が特徴の食パン

「ただ今焼きたて」のポップが掲げられたボンディエール


スライスして1斤単位で袋に入れた状態のボンディエール
ボンディエール
 湯種を使用。もちもち感とほのかな甘味が特徴の食パン。ボンディエールは「弾む」の意味。1斤250円。3斤で750円。


デニッシュ生地でメンチカツを挟む
メンチ
 デニッシュ生地にボリュームたっぷりの黒牛のメンチを、とんかつソースで味付けしてサンド。1つ180円。


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