日本人が利用しやすいパンの形を追求 - ロラソ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2013年8月号

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日本人が利用しやすいパンの形を追求 - ロラソ
「クロワッサン」の断面。層の数が多く軽い食感に仕上がっている
人気の「クロワッサン」(210円)は、「ブーランジェリーよりもパティスリーで作っているような技法で作っている」(ローランさん)という
ホワイトと淡いグリーンを基調にした店内。パンの並ぶ側はガラス張りで、整列されたパンが外からも良く見える
 東京・目黒区の東急目黒線・武蔵小山駅から4分ほど歩くと、フランス国旗がはためくブーランジェリー「ロラソ」がある。
 店舗はガラス張りで、商品が外からもよく見える。自然光がたっぷり入る店内は、白と淡いグリーンが基調で明るい空間となっている。また、パリの街角の写真や、エッフェル塔のオブジェがさりげなく飾られていて、フランスの雰囲気が漂う。
 同店のシェフブーランジェを務めるのは、フランスのパリ郊外出身のムノ・ローランさん。パン作りは、約10年前に来日してから始めたという。その後、自分の店を持つにあたってパリに戻り2年間、現地で作り方を学んだ。そして2010年11月、同店をオープンした。
 人気の「クロワッサン」(210円)や、「バゲットローラン」(315円)、「ブリオッシュアテット」(199円)など、フランスの店に並ぶようなパンがあるなか、「一人暮らしの方にも楽しめるように」と半分のサイズで作った「ドゥミローラン」(168円)や「ドゥミペイザン」(157円)も揃う。さらに「バゲットビエノワ」(304円)というサンドイッチに向く、ソフトな食感のバゲットもある。
 これらはローランさんが、フランスのパンを日本人が利用しやすいようにしたらどうなるかと、日本で生活し、パンと関わっている中で考え、開発したパンの形なのだろう。
 一方、「パンペイザン」(ハーフカット630円)は、半分や4分の1にカットされた状態で陳列しているが、元々の大きさは日本人向けに小さくせず、かなり大きめに焼いている。そして、POPで、大きく焼いてあるから中身がやわらかいことを説明し、かたいパンが苦手な人にも食べやすいパンだということを伝えている。
 「『パンペイザン』は、見た目がかたそうだと言って敬遠する方も多いのですが、実際に食べてみるとおいしいと言ってもらえる商品です。リピーターの方が増えてきています」(ローランさん)



イベントではマニアックな楽しみ方が伝えられる
レジ側には冷蔵ショーケースがあり、明子さんが作る4種類のマカロンや、サンドイッチが、ドリンク類が並ぶ
シェフブーランジェのムノ・ローランさんと、パティシエのムノ 明子さん
写真右は「パンペイザン」(ハーフ630円)。「大きく焼いてあるから中身はやわらかいです」と書いたPOPで、かたいパンが苦手な人にもおいしく食べられることを紹介している
 同店では年に数回、ローランさんがフランスの家庭料理を参加者に振る舞うイベントを行っている。「パンの食べ方を含め、フランスの食文化をもっと知ってもらいたい」という、ローランさんの考えのもとだ。
 「パンペイザン」は、イベントで提供したところ参加者の反応が良かったことをきかっけに、新しく商品に加わえることになったという。
 前回のイベントでは、牛肉のステーキにブルーチーズのソースを添えた料理を提供した。それに合わせたパンは、「バゲットローラン」と「パンペイザン」だ。
 「それぞれ好みによりますから、パンと料理の組合せは決まったものはないと思います。『バゲットローラン』も、どんな料理とも合うように作っています。でも、料理とパンの相性をさらに追求したマニアックな楽しみ方もできます。イベントでお伝えしているのは、そのマニアックな楽しみ方です。例えば前回のイベントでは、赤身肉には『パンペイザン』、ソースには『バゲットローラン』を添えて食べると、香りや味が融合してよりおいしく味わえることをお伝えしました」(ローランさん)
 イベント開催日は、閉店時刻を少し早めるだけで、休業はしない。閉店後の店内を会場にして行う。そのため、ショーケースやレジ台、棚などの下にはキャスターを取り付け、移動できるようにした。同店を開業する前から、料理会などのイベントを行っていくことを計画していたという。



食べる直前にスライスするパン
4種類の粉をブレンドして作った「パンアムール」(504円)。香ばしく、コクがある
「パンペイザン」は、しっとりしてソフトな食感。赤身肉との相性がよいという
同店のスペシャリテの「バゲットローラン」(315円、写真左)
写真左の「ショコラ」(199円)は、特に子どもに人気。チョコチップの量を多めにしているそうで、見た目からもそのことがよくわかる
 ローランさんは開業して1年経過した頃、パリに行ってパンを食べ、味の確認をしたという。
 「『自分が作っているパンが、やっぱりおいしい』と確認できました」(ローランさん)
 ローランさんの作るパンは、これまでに習得してきた技術をもとに、「自分が食べたいと思う味」や「子どもの頃希望していた味」にするためのアレンジが加えられている。
 子どもに人気の「ショコラ」(199円)は、ローランさんの子ども時代の思いが反映された製品だ。「もっとチョコチップが入っていたらいいのに」と思いながら食べていた記憶をもとに、チョコチップの量を多くした。見た目にもその多さが伝わってくる。
 ハード系などのパンの材料は、自家製酵母を2種類と、カナダやオーストラリア産などの4種類の粉をブレンドするなどして使っている。これは、フランスでフランス産の粉を使って作るパンのような深い味と良い香りのパンに仕上げるためだ。
 「パンアムール」(504円)は、4種類の粉をブレンドしたハード系のパンだ。香ばしく、コクがある味わいに仕上げている。
 同製品は、一人暮らしだと1日では食べ切れない大きさで、ハーフサイズでの販売も行っている。同じく大きく焼き上げるライ麦パンの「パンアール」(651円)も、ハーフサイズでの販売もしている。しかし、同製品はスライスしての販売は行っていない。
 「スライスした瞬間からパンの香ばしい香りが抜けていってしまうし、水分が蒸発していってしまいます。食パンや他のライ麦パンなどは頼まれればスライスしますが、『パンアール』に関しては、『3〜4日おいしく味わえますので、毎日少しずつ召し上がっても大丈夫です。スライスは食べる直前にしてください。香りやしっとり感が長持ちします』と伝えています。日が経つごとの味の変化を楽しんでいただきたいですね。私は4日目の風味が一番気に入っています」(ローランさん)
 おいしく味わうための方法を伝えることで、客は納得して購入していく。自宅でパンをうまくスライスして楽しんでもらうため、ショーケースの上には、求めやすい価格の「パン切り包丁」(380円)が陳列されていた。 





SHOP DATA
店名:ロラソ
住所:東京都目黒区目黒本町3‐3‐2
電話:03‐3717‐6620
営業時間:午前10時〜午後7時(土曜、日曜、祝日は午後6時まで)
定休日:月曜、火曜
品揃え:パン30品目、菓子8品目
スタッフ:製造販売2人
店舗面積:厨房約6坪、売り場約6坪




原価計算女王
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