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| 連載/2013年7月号 |
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| 上海で実現した障がい者たちの日中民間交流 - 一粒の麦から14(文・本行恵子) | |
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パン作りでコミュニケーション
中国の上海新国際博覧センターで5月20日から22日までの3日間開催された中国製パン・製菓国際見本市「第16回ベーカリーチャイナ2013」は、日本のモバックショウの約3倍の展示面積を誇る大型展示会です。 今回の、私のベーカリーチャイナ行きの主な目的は、横浜上海友好都市40周年記念事業の一つである横浜と上海の知的障がいのある人たちがパン作りを通じて行う民間交流イベントの応援でした。日本からは横浜市泉区にある社会福祉法人「開く会」(鈴木正明理事長)が運営する知的障がい者授産施設「共働舎」のパン工房で働く、及川俊文さん、小林麻衣さん、水谷真也さん、石原秀隆さんの4人が参加。そして彼らをサポートする特定非営利活動法人NGBC(ニュー・ジェネレーション・ベーカリー・クラブ)のメンバーである、パン職人と仲間たち総勢21名が集まりました。 オーブンメーカー、クシザワ電機製作所の中国の関連企業「上海溶岩食品機械有限公社」がブースを提供し、パン職人たちはボランティアで障がい者たちのパン作りをサポートしました。また北京パラリンピック水泳金メダリストの成田真由美さんもこの記念事業のために応援に駆け付けるなど、多くの協力と支援のお蔭でイベントは開催することができたのです。 4人のメンバーたちは家族から離れて初めての海外旅行という環境の中、パンを作り焼き上がったパンの試食を来場者に配るなど大活躍でした。ピッツァ、クリームパン、メロンパン、食パン、バゲットの試食には大勢の人が集まり、トレーはあっという間に空っぽ。障がい者のパン作りだけでなく日本の有名なパン職人たちの技術も、来場者の注目を集めました。 3日目には上海市浦東新区の養護学校の生徒たち4人が先生と一緒に来場し、日本のメンバーに交じりパン作りをしました。彼らは戸惑うこともなくすぐに作業を始め、パン作りを通じてお互いにコミュニケーションをとっていたのが印象的。生地の分割丸め、カスタードクリームの計量、成形などの作業工程では日本のメンバーたちが手ほどきするシーンもあり、まるで普段から一緒にパン作りをしている仲間同士のように打解けていました。生徒たちは生まれて初めてのピッツァ作りの体験に大喜びし、同行した先生たちも熱心に見守っていました。 コンテストに上海の障がい者を招待 日本で開かれている、障がいのある人たちのための「チャレンジド・カップ〜夢のパン・菓子コンテスト」は、2003年に横浜のベーカリーと福祉の関係者たちを中心に始められ、今年の11月で6回目を迎えます。NGBCを母体に実行委員会が組織され、今回は成田真由美さんが実行委員長を務めます。北は北海道、南は沖縄から障がいのある方々が応募し、プロの製パン製菓の職人さんや関係者たちがボランティアで運営・審査に関わりコンテストを継続させています。障がい者のためのパン・菓子コンテストは、挑戦者だけでなく家族や施設関係者たち、そして支援する人たちにも夢と希望を与えてくれます。自閉症やダウン症の障がいを持つメンバーたちは、試合中手が止まったり感情をコントロールできなくて作業を続けられなくなる人もいます。しかしスタッフたちのサポートを受けながら、最後まで頑張りぬき、作品を作り上げる姿は感動的です。そして彼らの表情は輝くような笑顔に溢れ、自分の力で掴み取った結果に大満足です。パン・菓子作りを通じて、障害があってもなくても共に喜びを分かち合える瞬間でもあります。 日本の関係者はこのコンテストの感動を、上海の障がいを持つ人たちにも味わってもらいたいと考えました。そして11月30日に横浜にある国際フード製菓専門学校で行われる決勝大会に上海の障がいを持つ人たちを招待することを決め、上海市人民対外友好協会常務理事の龍共毅氏と関係者に正式に伝えました。 このコンテストをきっかけにして、チャレンジド・カップ世界大会の第一歩であるアジア大会を実現させることが実行委員たちの次なる夢です。 本行 恵子(ほんぎょう けいこ) パンと食のライター。家庭製パン教室を10年間主宰した後、パン業界専門誌『B&C』の編集記者、編集長として勤務。16年間の在職中、日本各地のリテールベーカリーや欧米、アジア諸国を訪問し、パンと食文化を取材。現在はフリーの立場で、業界専門誌や企業ホームページでの執筆活動、業界関連団体への企画提案などを行っている。ライフワークは、パンのある食卓の提案。 |




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