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| レポート/2013年7月号 |
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| 第1回ベーカリー・ジャパン・カップ開催 - 全日本パン協同組合連合会などが主催
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ベーカリー・ジャパン・カップ(BAKERY JAPAN CUP)は、日本のパン業界の発展や、製パン技術向上を目的に開催された製パン技術選手権大会。全国各地のリテールベーカリーや製パン技術者が参加し、パンづくりの技術やアイデアなどを競い合った。主催は全日本パン協同組合連合会とパン食普及協議会。第1回の今回は、調理パン(コッペパンやドッグパンを使った調理パン3種)、菓子パン(メロンパン、あんぱん、クリームパン)、国産小麦パン(国内産小麦粉を50%以上使った食パン、ぶどうパン)の3部門で製パン技術者らが腕を競った。 調理パン部門では、「近江ノカオリ」「近江牛カレーのフーガス」「カプレーゼ」の3製品で臨んだクラブハリエ ジュブリルタン(滋賀県彦根市)の今井悠輔さんが、菓子パン部門では、「畑のあんぱん〜沖縄の風〜」「畑のクリームパン〜濃厚チョコクリーム〜」「畑のメロンパン〜おとうふメロンパン〜」の3製品を出品したル・スティルVIRON渋谷店(東京・渋谷区)の土田岬さんが、国内産小麦パン部門では、「レーズンと熱海橙の田舎パン」「麦こがしと黒糖の食パン」の2製品を出した久遠(静岡県熱海市)の武山陽司さんが、それぞれ優勝した。 | ||||||||||

| 日本の製パン業界に合った技術向上と活性化を重要視 | |
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──「ベーカリー・ジャパン・カップ」の開催の目的について聞かせてください。
小此木 開催目的はもちろん製パン技術を向上させ、技術者同士の切磋琢磨を図ることです。思えば意外なことですが、これまで全国規模の本格的な製パン競技会は国内に存在しませんでした。ようやく実現できたところです。 ──今大会の特徴は。また、クープ・デュ・モンドやibaカップとの大きな違いは。 小此木 クープ・デュ・モンドやibaカップにはそれぞれ大事な開催意義があります。前者はフランスのパン、後者はドイツパンの技術研鑽になります。そして評価基準に芸術性が加味されているのも特徴です。 一方、ベーカリー・ジャパン・カップは、日本の製パン技術及び製パン業界の技術向上と活性化を重要視しています。その点が大きな違いで、最も重視したことです。例えば、我々は競技の課題に「調理パン」「菓子パン」「食パン」を採用しています。理由は、この3つが日本のベーカリーの売上の主力であるからです。具体的に、一般的な売上比率は、それぞれ調理パン15%、デニッシュ、ドーナツを含む菓子パン30%、惣菜パン20%程度で、この3種の合計が売上の多くを占めるベーカリーが多いわけです。その点で、店の主力商品に取り組む競技会になっています。 競技スケジュールもそれに合わせて組んでいます。海外大会は、パン職人が長期間店を開けることになり、対応できるベーカリーが限られてしまいます。我々の大会では、遠方から参加しても準決勝は日帰り可能、決勝で1泊程度の滞在を想定しました。参加のしやすさでも、国内事情に合わせています。 そして最も大きな参加利点は、大手を含むマスコミやメディアの取材があることです。大会当日だけでなく、後日優勝作品について取材が続いていると聞いています。当日の主な取材はテレビ朝日の密着取材と、NHKでも取り上げられました。優勝者の出身地の地方局も来ていたようです。参加者の出身地にもスポットを当てているので、地方のベーカリーにとっては地元名物誕生を狙うことができます。実際に、今大会の優勝者の作品には、今も1日に1200個程度売れるといったヒットが続いているものもあると聞きます。 ──各課題についての趣旨をお聞かせください。 小此木 日本のベーカリーで売上比率の高い人気パンを題材に選んでいます。調理パンは範囲が広い中でコッペとドッグ、菓子パンはあんぱん、クリームパン、メロンパンです。国内産小麦パンはシンプルな角食だけでなく、ぶどうパンを導入することで、見た目で消費者を惹きつける工夫の余地をつくりました。 国内産小麦パン優勝者の武山陽司さんの作品「レーズンと熱海橙の田舎パン」は外観も良かったですね。同じく武山さんの作品で「麦こがしと黒糖の食パン」も面白かったと思います。オリジナル製法として麦こがしの種を使った効果だと思いますが、この食パンはトーストしないうちから香ばしいんですね。今までにない味わいで非常に面白い製品でした。農林水産大臣賞もこの作品が受賞しています。国内産小麦は「ゆめちから」の登場などによって、レベルが上がってきています。おいしいパンが作れるようになってきた現在、力を入れたい分野です。 ──審査内容については。 小此木 審査員が最も重要視したのは生地のおいしさです。優勝作品に近江牛のような目を惹く食材を使用しているものがありますが、高級材料を工夫して使用したことだけを評価することはありません。配合などを含めて生地の完成度が高く、全体的にパンとしての生地の魅力がよく出ていることが大事です。 また、作品の外観や美味しさに加えて、作品の特徴や作品への思いを語るためのプレゼン能力を見る項目や、服装、動作、清潔感といったチェック項目も設けています。インタビューを加えた理由は、自分のつくった作品の良さを消費者に伝えることが、店舗運営において大事なことだからです。製造手順が理にかなっているか、食品衛生法に準じているか、お客さまへどうアピールするかを考えているか、といった総合的な製パン技術の要点を見ています。 これは当大会の特徴ですが、書類審査の次の準決勝に進むと、審査員からの講評があります。審査員も多くは技術者です。この講評機会は、多くのパン職人にとって貴重な経験になるでしょう。特に独立後、プロの客観的な指摘を受けることの少ないパン職人は、是非これを糧にしてほしいと思います。 また、1次の書類審査は応募者名を隠した状態で行います。作品だけを見るので、仮に有名なパン職人が参加しても、先入観のない審査がなされます。自分の全国的なレベルも実感できます。大手リテールや有名店の従業員に限った大会にするつもりはないので、個人経営のパン職人にも、今後も奮って参加してほしいと考えています。 今後は審査員や審査方法も第1回の様子を見て変わっていく可能性もあります。技術者の応援が目的なので、いわゆるテレビのB級グルメの審査会のように、消費者への強いアピールを兼ねて、決勝で一般審査員の投票といったイベント性を取り入れることも検討しています。第1回では、参加者の製造量にも限りがあるので、一般投票のようなことはできなかったので。 ──第1回目の参加者の様子はどうでしたか。 小此木 今回は受付期間が1カ月と短く、応募総数は約60名でした。理想は受付期間3ヵ月で応募者も300人程度。第2回ではそこをクリアしたいですね。 ただ、第1回の応募者は福岡県や高知県からもあり、全国的な規模になりました。参加者の所属するベーカリーの規模も大小様々。また、参加者の出身地も打ち出していくので、地方からの参加も歓迎しています。今回の調理パン部門優勝者の今井悠輔さんはクラブハリエというバウムクーヘンの有名な製菓店の従業員です。参加目的は自社のパン部門の強化で、見事優勝を勝ち取るパンを完成させました。 面白かったのは、応募から決勝までの4カ月の間に、参加者の作品の進化が見られた点です。今回は、コンセプトを変えない範囲での改良やアレンジを許可していました。多くの参加者は11月中にレシピを文書化したと思いますが、次の審査に進む頃にはだいぶ作品のクオリティーがあがっていました。準決勝から決勝までの味や外観が整っていく変化も興味深かったですね。講評の影響も大きいでしょう。プレゼン能力も向上が見られました。喋るのが苦手な職人もいると思いますが、経験をすればどんどん良くなります。なんらかの反省点を発見すると、すぐに克服していく職人がやはり強いですね。 第1回はいわゆる有名なパン職人の参加はありませんでした。大会の様子見という選択があったのでしょう。第2回にどんな参加者が現れるか楽しみです。我こそはと思うパン職人にぜひ集まってほしいですね。 ──今後の展開は。 小此木 次回は2年後の2015年の2〜3月頃を予定しています。会場は毎回大阪と東京の交互になる見込みです。東京開催となると、また参加者の顔ぶれも違ってくるでしょう。しかし、基本的な路線は今後も変わりません。東京ではハード系も売れますが、それは東京の特色であって、地方の事情は違います。この大会は、あくまで国内のパン職人が、国内の消費者のためのおいしいパンをつくるための技術の向上と、市場の活性化を目指していきます。 |

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