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| お店拝見/2013年5月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| パン好きがベーカーの道を開く - ドゥエトゥレ | |
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中央線の西八王子駅北口を出て、国道20号線を渡り、保育園の園児たちの楽しげな声を左手に聞きながら歩くこと5分。最初の十字路の右手斜め向かいの建物の1階にベーカリー「ドゥエトゥレ」がある。イタリア語で「2と3」の意味を持つ店のオーナーは川崎泰之さん(38歳)。今年でベーカーとして13年目を迎えた。
川崎さんは大学を卒業後、一般企業の営業マンとして社会人のスタートを切った。しかし、営業の仕事に馴染めず、25歳のときにレストラン部門を持つ大手ベーカリーに転職した。元々パン好きだったことがベーカーへの扉を開けたようだ。この会社では4年間食事パン系のパン作りを学んだ。パンの基礎は学べたとの思いから、ペンション経営も悪くないと、独立も視野に入れて考えたとき、川崎さんは気がついた。「自分の好きな菓子パンを作ったことがない」 修業時代に、仕事帰りによく通ったリテールベーカリーがあった。あるとき、その店が社員を募集していた。「チャンスだ」と思った川崎さんは転職を果たす。このベーカリーで大好きな菓子パンを含め、2年間パンを総合的に修めることが出来た。修業中、店主がよく言ったことは「食パンの大切さ」であった。 |

| 人気の「でか食」は1日に70斤も | |
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2006年10月にオープンした「ドゥエトゥレ」の大きな特徴は、8種類の食パンにある。中でも、一番の人気商品は「でか食」(1斤220円)。もちもちした食感が客を引き付けるようで、毎日70斤を販売する。サンドイッチ用に開発されたもので、通常のサイズより一回り大きい。この食パンで作られたサンドイッチ類(380円〜)の売れ行きもよいそうだ。「焼きそばパン」(137円)や「コロッケパン」「エビカツ」(210円)などの総菜パンと同様に、昼前には売り切れてしまうそうだ。
他の気になる食パンは、八王子産の小麦(農林61号)を90%使用し、小麦酵母を用いた「八王子食パン」(350円)。トーストすると、きめ細かな食感に甘みと香りが際立つ。全粒粉が50%入った「グラハムブレッド」(1斤270円)には食物繊維がたっぷり。変わったところでは、「ずんだ食パン」(290円)も。枝豆を生地に練りこんだ商品で、ファンもついている。 店を活性化させる商品は他にもある。かつて、全国展開するベーカリーがフランスパンを発売したところ、八王子が最も販売実績がよかったという。その反映だろうか、「ドゥエトゥレ」の石臼挽き小麦粉を使った「バタール」(240円)や長時間発酵の「バゲット」(250円)もよく売れる。ライ麦粉を35%混ぜた「ライ麦くるみパン」(1・3キロ1100円、ハーフなどでも販売)にはライ麦酵母を使用。クラストとクラムのバランスが程よい。 「西八カレーパン」(180円)に使われるじゃがいも、ネギ、にんじんは地元八王子産のものだ。同様にさつまいもを使った人気商品に「Mt・TAKAO」(210円)がある。八王子市の行楽地で有名な高尾山をイメージしたもの。さつまいもを山に見立てたスイートポテトデニッシュ。ポテトの甘さがいきている。 |

| 味を支える3種の酵母と地元農産物 | |
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「ドゥエトゥレ」のもう一つの特徴は、3種類の自家培養酵母を商品によって使い分けていること。オープン当初はライ麦酵母といちじく酵母を使用。最初は食パンが思うような商品に仕上がらなかった。このため、後に小麦酵母も採用した。今では、ライ麦パンにはライ麦酵母を、ドライフルーツが入った「フリュイ」(500円)などには香りのよいいちじく酵母を、そして食パン系には小麦酵母を使う。川崎さんがベーカリーを開業したのは、自分のアイデアを商品化したいとの思いがあったからだ。店独自の味を出すためにも、自家培養酵母は必要不可欠な道具そのものなのだ。
独自の味に手を貸すのは、自家培養酵母ばかりではない。先に記した「八王子食パン」「西八カレーパン」「Mt・TAKAO」に使用されている八王子産の小麦や野菜も重要な要素。1年ほど前から、川崎さんは出来る限り地元の農産物を使うように心がけている。地域の元気を少しでも手助けできればと考えてのことだ。 |


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