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| 春休み中ということもあり、店内は家族連れで賑わっていた |
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| オーナーシェフの津金一城さん(右奥)とスタッフら |
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| 「プチ・アンジュ」はJR谷保駅とJR矢川駅のちょうど中間の位置にあり、どちらからも徒歩10分ほど離れている。入り口横には買ったパンを食べられるテラス席がある |
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| 通路幅はゆったりととってあり、歩きやすい |
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3月下旬、東京・国立市にあるベーカリー「プチ・アンジュ」の店内は、満開に咲き誇る桜に負けないほどに、春を感じさせる装飾が施されていた。ランドセルや幼稚園児用のバック、たまごや花のイラストなど、卒業や卒園、イースターやお花見といった春のイベントをイメージした様々な飾りが店内を彩っていた。
午後2時過ぎの店内は、春休み中の子供たちとその親、そして祖父母ら4〜5人が連れ立って、これらの飾りを見て会話をしながらパンを選ぶ姿が目立った。1人で来た客も、店内の飾りに目をやったり、足を止めてPOPを読むなどして、買い物を楽しんでいた。
このように、同店の客には、比較的時間をかけて楽しみながら買い物をする人が多く、急ぎ足で買い物を済ませていく人は少ないようだ。その背景には、津金一城オーナーシェフの、「買い物がしやすい店内にしたい」という思いがある。
津金さんの実家は同店から5キロほど離れたベーカリー「ポワラーヌ昭盛堂」で、津金さんはそこで「プチ・アンジュ」の開業前に20年ほど働いていた。
「ポワラーヌ昭盛堂は売り場が狭いので店内でゆっくり見て選んでいただくことが難しく、そのため、事前にどのパンを買うか決めてから入店されている方が多い傾向がありました。近くに病院があるので、車椅子に乗った患者さんと付添の方がよく一緒に来てくださるのですが、車椅子が入るスペースがないので、患者さんは中に入らず外で待っているというケースもよくありました。また、ベビーカーも入れませんから、親子で来店されても、子どもは外で待たせなければならないという光景もよく見ていました。ですので、『プチ・アンジュ』を開業する際は、『買いに来られた方がみんなで、楽しみながら買い物ができる店にしたい』と、強く思っていました」(津金さん)
こうした思いを胸に、津金さんは3年前、「プチ・アンジュ」を開業した。売り場を16坪と広くとっただけでなく、通路の幅も広くした。これによって車椅子やベビーカーが入れるようになり、また、家族や友人と4〜5人で来店しても、全員が連れ立ってパンを見て回れるようになった。
店内に施された季節感を演出する様々な飾りにも、楽しんで買い物をしてもらいたいという思いが込められている。
「いつ来ても何かやっていると期待していただきたいですし、来店すること自体を楽しんでもらいたいと思っています。当店のお客様は女性の方が8割近いのですが、女性は記念日に興味のある方が多いので、様々な記念日に合わせたフェアを開催するようにしています。3月8日のみつばちの日には、ハチミツを使ったパンをその日限りで販売したり、3月20日のたまごの日には、『クリームパン』の値段を下げて販促をかけたりしました」(津金さん)
1カ月の間に行うフェアは、毎月1度行っているチーフ会議で、おおよそを決定する。スーパーなどの小売店の販促にも用いられているという、記念日が詳細に掲載されているカレンダーをチェックして、商品と関連付けて盛り上げられそうな記念日をピックアップする。そしてその記念日をもとに、スタッフ全員でアイデアを出し合い、内容を固めていく。日頃のスタッフ同士の会話から、フェアの内容が決まっていくこともある。また、実際の売れ筋を見て、さらに販促をかけていきたいと思う商品を決めてから、フェアを関連付けていくこともあるという。このようにしてフェアが開催されるのは、平均して月に3回ほどだ。
取材時は、「イースターフェア」が開催されていた。イースターのシンボルとされているたまごを、メインの具に使ったアイテム3品を、平台の一角に集め、売り出していた。3つのアイテムは、「こだわりのクリームパン」(136円)、「トリプル玉子サンド」(280円)、「とまたまカレー」(252円)で、その周りには、色鉛筆でカラフルに色づけされたプライスカードや、イラストが描かれたPOP、たまごの小物類などが配置され、楽しげな雰囲気が演出されていた。