パンをサンドイッチ用に焼く店 - レフェクトワール - ブランスリー電子版


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お店拝見/2013年4月号

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パンをサンドイッチ用に焼く店 - レフェクトワール
手前は「鶏もも肉のエピスソース」(730円)、奥は「オマールエビのビスク」(680円)。鶏もも肉は、「パン・ブリオッシェ」でサンドされている
製造スタッフと社長の西山逸成さん(写真右)
パンは量り売りで、欲しい分だけ切り分けてくれる
 東京・渋谷に昨年12月にオープンした「レフェクトワール」は、京都と東京・新宿にベーカリー3店を展開する西川逸成さんが、「パン屋じゃない店をやろう」と考案した新しい業態で、おいしいパンがあるレストランだ。
 「サンドイッチとフレンチをベースにした料理が主体の店です。これまでの3店舗はベーカリーとして、パンを食事パンから菓子パンまで幅広くそろえてきましたが、この店では、料理を引き立てるシンプルな味のものを焼いています」(西山さん)
 オープンして3カ月経った現在はパンも販売するようになったが、オープン当初は販売用のパンはなかったので、店頭にあった飾り用のパンについて「このパン買えないんですか」と訊かれたり、販売用のパンをリクエストされるなどしたという。
 現在販売しているパンは、「クロワッサン・オ・ブール」(160円)や「パン・ブリオッシェ」(1斤367円)、「パン・オ・セレアル」(1グラム1・5円)など約13品目で、これらはレストランのメニューに使用しているアイテムでもある。
 レストランのメニュー表は、スープ、サラダ、サンドイッチ、デザートと、シンプルに4つのカテゴリー別に表記されている。しかし、サンドイッチの欄を見ると、「タルティーヌ ローストビーフ・フルムダンベールのソース」(840円)、「鶏もも肉のエピスソース」(730円)、「エスカルゴのブリオッシュ詰め」(630円)などと書かれており、さらに魚料理、肉料理とカテゴリー分けが必要かと思うほど充実している。通常のサンドイッチのイメージとは違い、フランス料理の一品かと思うようなメニューが並ぶ。
 「サンドイッチを作るのが好きで、でも凝ったものを作ろうとすると、既存のベーカリーの業態では、どうしても無理が生じてきます。『皿盛りで提供するサンドイッチの専門店』とすれば、メニューの幅を広げることができますし、パンはサンドイッチ用のものだけを焼いていけばいいので、種類も少なくてすみます」(西山さん)
 西山さんが経営する京都と新宿の店舗でも、「パテ・ド・カンパーニュ」など自家製の具材を使ったこだわりのサンドイッチが並ぶ。西山さんはパン職人になる前、フランス料理店に勤務していた経験もあり、そのフランス料理の技法を活かして、もっといろいろなサンドイッチを作っていきたいと、ずっと構想を膨らませていた。



ハード系のパンを大きく焼きたい
11時に開店するとすぐに客席は埋まり始め、12時になると満席に。インテリアは、ヨーロッパの学校にある食堂のような雰囲気
食後は返却口に食器類を客が運ぶ
 西山さんがサンドイッチに注目した最大の理由は、サンドイッチ用のパンなら、大きなポーションで焼けるからだ。
 「パン職人としてパンを作ってきたなかで、『パンは大きく焼いた方がおいしいのに、お客様はなかなか大きなパンを買ってくれない。だから一つひとつのパンを小さく焼いて、種類をたくさん用意しなければいけない』というジレンマのような思いがずっとありました。ハード系も、大きく焼いたらしっとりしておいしいのに、小さく焼くから、クラストが必要以上にかたくなって、おいしくないと思われてしまう、というようなことです。お客様の中には意外に、大きく焼いたパンを召し上がったことがない方が多いと思いますので、『大きく焼いたパンは、見た目はシンプルだけど、味はとてもおいしいんですよ』と伝えます」(西山さん)



セルフサービスが似合う雰囲気の店内
サンドイッチ用のパンは、朝開店前に一度コンベアオーブンで軽くトーストして焼き色を付けておく。注文を受けた後再度トーストするが、その時間を短縮するためだ
店舗はアパレルショップが同居するビルの3階にある。看板はなく、店舗名が1階入り口扉に小さく表記されているだけ
レストランメニューの注文は、ショーケース横のレジカウンターで行う
注文後、番号札が渡され、料理ができ次第店員が席まで運んでくれる。写真の料理は「キャロットラぺオレンジ風味」(420円)
 西山さんが理想とし、目指している店の業態とは、アメリカで流行っているという「ファストカジュアル」に近いという。
 「ファストフードほど軽々しいものでなく、レストランほど重々しいものでない『ファストカジュアル』という業態なら、自分の作っていきたい料理やサンドイッチを、価格帯も含めて違和感なく出していけると思ったんです。提供する料理はフランスのビストロ風だけど、店内はヨーロッパにある学校の食堂のように、気軽に入れるような雰囲気があるというようなイメージです」(西山さん)
 店内のサービスは、セルフサービス方式とした。カウンターでメニューを注文すると、番号札を渡される。料理はスタッフが席まで届けてくれるが、食べ終えた後は客自らが使用した食器類を返却口に運ぶ。店内の席数は54席あるが、セルフサービスの導入によって、ホールスタッフは1〜2人、昼のピーク時でも3人で切り盛り可能とした。ホールを担当するスタッフは、テイクアウト用のパンの販売とレジもこなす。
 「少ない人手で無理なく営業していくためには、レストランのサービスはセルフが一番だと思いました。テイクアウトだけの店でも、セルフより対面の方が人件費がかかります。コスト削減のためにはどこかで合理性を追求しなければならないけれど、それを商品に対して露骨にやろうとしてしまうと、商品自体の魅力がなくなってきてしまいます」(西山さん)
 合理性の追求という点では、セルフサービスをとり入れたことのほかに、厨房設備を充実させたこともポイントとなっている。オーブンなど基本的な機械類のほかに、真空調理機、スチームコンベクションオーブン、分割機、コンベアオーブンを導入した。コンベアオーブンは、サンドイッチ用のパンをトーストするためのもので、特に昼のピーク時に活躍する。
 また、高級店でなく食堂のようなインテリアにしたことで、セルフサービスを違和感なく導入できただけでなく、テイクアウトのパンの包装も、違和感なく簡易なもので済ませることができた。
 「大きく焼いたパンのおいしさを、レストランで体験してもらって、将来的には、1切れとか2切れだけでも気軽にパンを買いに来てもらえるようにしたいです。パンだけでなく、パンに挟むチーズなども量り売りできるようにして、サンドイッチ1食分の材料がここで手に入る体制にできたらと思っています」(西山さん)



SHOP DATA

店名:レフェクトワール
住所:東京都渋谷区神宮前6‐25‐10神宮前タケオキクチビル3F
電話:03‐3797‐3722
営業時間:午前11時〜午後9時
定休日:なし
品揃え:パン13品目
スタッフ:製造4人、販売とカフェ2〜3人
店舗面積:売り場とカフェ約27坪、厨房約15坪
月商:400万円



原価計算女王
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