アメリカ産クリームチーズを使用したベーカリーセミナー - 関東商事 - ブランスリー電子版

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講習会/2013年2月号

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アメリカ産クリームチーズを使用したベーカリーセミナー - 関東商事
講師を務めた石窯パン工房サフランの小川佳興社長(左)とデイジイの倉田博和社長(右)
挨拶する関東商事の金子嘉和社長
石窯パン工房サフランでクリスマスに展開した商品の数々も紹介した
 関東商事(栃木県河内郡、金子嘉和社長)は2012年11月29日、同社本社で、「アメリカ産クリームチーズを使用したベーカリーセミナー」を開催した。講師には石窯パン工房サフランの小川佳興社長とデイジイの倉田博和社長を迎えた。
 関東商事の金子社長は2人の講師について「2大シェフ夢の競演。初の共同講習会の実現だ。2人のシェフの個性の違いを感じ取ってほしい」と挨拶した。
 焼き菓子の講習では、ル・クレール統括シェフの八木慎氏も講師を務めた。



塩パン(オーバーナイト法)
塩パン
講師の小川氏
 トスカーナのフォカッチャの一種であるフラットブレッド(平らなパン)。近年、繁盛店で導入されよく売れている

【配合%】
内麦粉(ジャパネスク)‥‥‥
55
フランスパン用粉(クラシック)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥40
ライ麦粉(特キリンコナ)‥‥‥5
▼ホシノ天然酵母パン種生種‥‥4
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
水(40度C)‥‥‥‥‥‥‥‥60
バシナージュ(差し水)‥‥‥‥2
▼ホシノ・ルバン‥‥‥‥‥‥‥40
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥L3分ML6分(スパイラルまたは縦型を使用。ミキシング時間は目安で、捏上温度を優先して柔軟に対応する)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥28度C(30度Cを越えないこと)
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥1時間
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥120グラム(ベンチタイムなし)
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥薄い円形状に生地をのばし、クリームチーズをのせ四方を織り込む。
ホイロ‥‥‥‥30〜35度C80%30〜40分(時間オーバーしないこと)
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥300度C6〜7分(または250度C12分)
 ▼ホシノ天然酵母パン種生種
【材料グラム】
ホシノ天然酵母パン種‥‥‥500
30度Cの温水‥‥‥1000cc
【作り方】
全材料を混ぜて28度Cで24時間発酵後、4度Cで冷蔵保管。
 ▼ホシノ・ルバン
【配合】
内麦粉(ジャパネスク)‥‥100
ホシノ天然酵母パン種生種‥‥
15
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥90
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥L30秒(ビーター使用)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥28度C
フロアタイム‥‥‥‥‥30度C6時間(その後4度Cで冷蔵保存する)
 小川氏のコメント 生地は冷蔵(4度C)で一晩もつ。ただし、翌日作業を始めるときは、生地温度を30〜35度Cまで復温させること。朝、出勤してすぐに分割に入ることができ、分割後に温度が戻るのを待てる。作業効率も良い。具材は、クリームチーズのほかにも、セミドライトマト、スライスオリーブなど、様々なバラエティーが楽しめる



ソフトブレッツェル(オーバーナイト法)
ソフトプレッツェル
講師の倉田氏
 生地があれば最短30分で完成できる。前日に仕込んで翌朝すぐに成形に入れる。品切れ防止にも有効

【配合%】
強力粉(カメリヤ)‥‥‥‥‥
80
フランスパン用粉(リスドォル)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20

▼ホシノ 小麦粉種(赤)生種‥8
天日湖塩
‥‥‥‥‥‥‥‥1・8
三温糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
ショートニング‥‥‥‥‥‥‥‥3
モルト(3倍希釈液)‥‥‥2・5
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥42
▼ホシノポーリッシュ‥‥‥‥‥25
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥L4分(ショートニング投入)M4分
捏上温度‥‥‥‥‥‥‥‥20度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥‥なし
大分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1900グラム(シート状にする)
冷蔵‥‥‥‥‥‥‥4度C15時間
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥120グラム(9ミリ厚まで伸ばし16等分)
成形‥‥ひも状にのばしプレッツェル形(成形後10%の重曹水溶液を一度沸騰させて冷ましたものに浸す)
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥上火280度C下火260度C9分(300度Cのオーブンの場合は6分、焼成後溶かしバターを塗る) ※焼成後に溶かしバターに浸し、シナモンシュガーをまぶしたり、重曹水溶液に浸けた後、クラッシュアーモンドをまぶして溶かしバターに浸けた後、フォンダンをトッピングしたりして、バラエティー化が簡単に図れる
 ▼ホシノ小麦粉種(赤)生種
【材料グラム】
ホシノ小麦粉種(赤)‥‥‥500
30度Cの温水‥‥‥1000cc
【作り方】
全材料を混ぜ、28度Cで20時間発酵後4Cで冷蔵保管する
 ▼ホシノポーリッシュ
【配合%】
強力粉(カメリヤ)‥‥‥‥100
ホシノ小麦粉種(赤)生種‥‥
15
天日湖塩
‥‥‥‥‥‥‥‥1・8
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
コンデンスミルク‥‥‥‥‥‥‥5
蜂蜜‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥90
【作り方】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥L30秒(ビーター使用)
捏上温度‥‥‥‥‥‥‥‥28度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
30度C6時間の後、4度Cで冷蔵
 倉田氏のコメント プレッツェルを浸す水溶液は重曹を使うと素手で作業ができ、焼成でも良い色が出る利点がある。高温で焼くと火の通りがよいため、中がしっとりとして味が良くなる。



クリームチーズケーキ
クリームチーズケーキ
 デイジイ定番の焼き菓子。600円で販売しても原価10%程度に抑えることも可能なレシピ。クリームチーズが味のポイントになったベーカリー独特のチーズケーキ

【配合グラム】
ホイップチーズ(サンモレNEWホイップフロマージュ)‥‥‥150
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥150
生クリーム(明治フレッシュ45)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥125
牛乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
500
薄力粉(エクリチュール)‥‥‥80
乾燥卵白(SOSAアルブミナ)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・5
卵白‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥450
砂糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥175
アプリコットブランデー‥25cc
卵黄‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥84
スポンジ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥適宜
アプリコットコンフィー‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥適宜(1カットに1個目安)
【工程】
①ボウルでホイップチーズ、水、生クリーム、牛乳、薄力粉をよく混ぜ、温めながらさらに混ぜて炊いていく
②乾燥卵白、卵白、砂糖でメレンゲを作っておく
③型に入れたスポンジの上にアプリコットコンフィーをおく。
④(1)にといた卵黄を入れ、素早く混ぜて卵黄が固まらないように注意する
⑤(4)にメレンゲを入れ、伸ばすように混ぜていく。混ざったら、手で空気を入れるようにしてよく混ぜる。
⑥(3)の型に(5)を流し込む。入れ終わった後は、型を縦に揺らして空気を抜く。
⑦湯をはったトレーに(6)をのせて、上火200度C下火200度Cで30分焼成する
 倉田氏のコメント 乾燥卵白を使うことで卵白がよく混ざる。卵白は冷えている方がよく立つ。半分凍っていてもよい。



フロマージュブールドネージュ
講師を務めたル・クレール統括シェフの八木慎氏
 ベーカリーで作れる焼き菓子。八木氏の店では、15個入りを350円、1個17グラムのものが2個入ったものを170円で販売

【配合グラム】
コンパウンドマーガリン(サニー メサージュ1000)‥‥‥400
クリームチーズ‥‥‥‥‥‥100
グラニュー糖‥‥‥‥‥‥‥130
塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
粉チーズ‥‥‥‥‥‥‥‥‥165
アーモンドパウダー‥‥‥‥215
薄力粉‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥675
【工程】
①アーモンドパウダーと薄力粉をふるいにかけて混ぜておく。
②常温に戻したコンパウンドマーガリンをミキサーにかけ、続けてクリームチーズを投入。
③(2)をボウルに入れ、塩を加え、膨張させないように空気が入らないように注意しながら混ぜる。
④粉チーズとグラニュー糖を(3)に加えて混ぜる。この時、立ててしまうと形が崩れるので注意。
⑤(1)を(4)に混ぜる。水が入っていないためグルテンは出ないので、しっかり混ぜてよい。
⑥細長い棒状に成形して、1個12グラムを目安に分割し、正確な重量を計量しながら球状に丸める。グラニュー糖と粉チーズ(いずれも配合外)を混ぜたものを外側にまぶす。
⑦165度Cで20分焼成。白い状態の焼き色が目安。
 八木慎氏のコメント 外側にチーズをまぶすことで、よりチーズの味を意識してもらえる。中身のチーズだけだと印象が薄い。焼き色は白い状態が良い。

ベーカリーは自己主張

 小川氏の話 製造するパンも自分が運営する店もいわば自己主張。個々のオーナーが個性を主張して自由にやるのがいい。自由にできるのが面白味でもある。多店舗展開には相応の大変さもある。1店舗の時は、その店に注力して自己表現していく楽しさを感じてほしい。
 ベーカリーでは思い切って自分の強いところを武器に頑張るのが良い。「自分の店の一番人気商品は最高のパンだ!」と言えるほど作りこんで、その魅力を精一杯お客さんに伝える。人気商品はロスを出してでも、閉店時間まで店に並んでいるようにすること。夕方に来るお客さんを、人気のない品ばかりの残り物の店で迎えてはいけない。
 オープニングセールは、広告を打たなくてもお客が来る。おそらくその店の最大来客数を出すのが開店セール。自分のつくった製品や店を目一杯アピールする最大のチャンスだ。そのために、やはり開業して数日おいて慣れてから大きなセールを行うべきだ。セールには新作紹介の効果もある。
 また、多店舗展開中の新店開店は、既存店のスタッフ全員がレベルアップする機会。既存店のスタッフで新店のメニュー開発や店内をどう作るかを考えることになるので、大変だが、それは成長のチャンスなのだ。苦しさを前向きにとらえて、進歩していこう。
 クリスマス商戦では、定番のシュトーレンに加えて、お菓子の家(ヘキセンハウス、1200円)や、パンを組み合わせてくつるクリスマスツリー(ビッグツリー、1000円)、パネトーネ(500円)などを販売した。きれいにラッピングし、飾りも惜しまない。箱に入れればギフトになる。イベントでは工夫次第で高い値段を付けても商品が売れる。

原価計算女王
原価計算女王
ベーカリーの強み

 倉田氏の話 「何々屋さん」と呼ばれる個人商店で生き残れるのはパン屋さんだけだろう。何故なら、オリジナル商品が自由に作れる上に、味も売り方も思いのままだからだ。地域や都市ごとの個性も出せる。それはベーカリーだけの特徴だ。だから個人店もホールセールと戦える。
 パン以外の商品はほとんどが、個人商店と同等の品質の商品を大手メーカーが作れる。例えば、ケーキはコンビニスイーツに押されていると聞く。コンビニでの買物は、「ついで買い」が多い。弁当を買って、店を回遊中に目に付いてデザートを買うような流れだ。コンビ二スイーツはクオリティーが高くなっているため、ケーキや和菓子の需要はそこで満たされてしまう。
 一方、コンビニのパンは、まだベーカリーに追いつかない。コンビニの中でパンだけが遅れているといってもいい。そのくらい、パン作りは難しい
 また、ベーカリーはパンだけでなく、ケーキや焼き菓子にも手を広げた方がいい。ベーカリーの窯使いの技量は洋菓子店に勝る。技術に自身を持つことが大事だ。ベーカリーの焼き菓子は武器なのだ。
 金券半額セールは、閑散期のテコ入れと思われがちだが、繁忙期にこそやるべき。そして同時に新作も売り出す。大変だが、売上の高い時期にセールをのせることで、60万の日商が3倍の180万になったこともある。


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