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| レポート/2012年5月号 |
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| 子供たちの将来を見つめるパン作り‐フーケ | |
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「今日はみんなで作ったものをみんなで売ります。うまくできなくてもいいから、気持を入れて、がんばって」。店長、松下晴一さんの言葉で、3月25日、日曜日の朝8時に子供たちのパン作りが始まった。天然酵母のベーカリー「フーケ」は神奈川県横浜市、根岸線「山手」駅から徒歩1分の駅の高架下沿いにある。日曜は定休日だが、今日は近くの児童養護施設の子供たちによる「一日パン屋さん」の日なのだ。
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| 子供たちによる一日パン屋さん | |
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「1日パン屋さん」のメンバーは小学校3年から5年の女子9人。松下さんは開店当初から時折パンを同養護施設に寄付しているので、子供たちは「フーケ」のパンの味を知っている。
まずは「メロンパン」。パン生地に四角いクッキー生地をかぶせたら、スケッパーでメロンの網目模様を。次は、「あんパン」。餡をパン生地で包み込むのに一苦労。こしあんを入れたものは、人差し指を真上から突き刺して凹みを作り、仕上げに桜の塩漬けをトッピングする。 続いて、「ねじりドーナツ」。松下さんが、パン生地をひも状に伸ばしてから、2つ折りにして、手の平で手前に転がすと、きれいな「ねじり」の出来上がり。やってみると、なかなか難しい。「教えてください!」「おもしろ〜い!」などの声が飛び交う。途中、アンチョビの隠し味がきいた野菜のピザでブランチ・タイム。この時だけは静か。 その後は、クロワッサン。これは生地をくるくると巻いていくだけ。あっという間に出来上がる。最後は、クリームパンの仕上げにチョコレート生地を絞り出して、花や動物の顔などを描いていく。焼き上がったパンを次々トレイに並べて、準備完了。 11時頃開店。でも、いつもは日曜日が定休日のせいもあってか、客が来ない。子供たちは外に出て、客寄せを始めた。「いらっしゃいませ。1個100円です!」「私たちが作りました!」「アゲパンがおすすめで〜す!」。ついに、駅までお客さんを呼びに行く子供も。恥ずかしそうにする男子高校生や、家族連れなどを次々と連れてくる。いったん客が入り始めると、たちまちパンは残りわずかになり、予定より早めに閉店。 この「子供たちによる一日パン屋さん」はもう10年以上実施している。夏休みに松下さんから、「やりませんか」と声をかけたことから始まった。気楽に始めたことだったが、貢献を認められ、2009年、子供たちへの奉仕活動を使命とする世界規模の奉仕団体、キワニスクラブより「キワニス社会公益賞」受賞する。 子供たちが児童養護施設にいられるのは高校生までで、その後は寮などの宿泊施設のついた会社に入るなどして、自立しなければならない。しかし、子供たちが一つの仕事に落ち着くのはなかなか難しいらしい。「子供たちに、『物を作る面白さ』を知ってほしい」。そんな思いが松下さんにはあった。実際にパン作りの道に入った子供もいる。「子供たちは共同生活をしているから人見知りをしない。毎回、子供たちからすごい元気をもらっていますね」と松下さんは顏をほころばせた。 |

| 生きることは食べること | |
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「フーケ」は松下さんが1991年からアドバイザーとして立ち上げを手伝っていた店を1993年に買い取り、オーナーとなった店だ。「フーケ」の人気商品は自家製サワー種を使った定番のドイツパン「ロッゲンシュロートブロート」や「ベルリーナラントブロート」など。全粒粉の「パン・コンプレ」も評判がいい。ドイツ人向けのフェアで、酸っぱくて歯ごたえのあるドイツパンを作ったら、予想外に日本人にも好評で、「こういうのを食べたかった」という意見が多く、定番に。そして、店を買い取ってから疲労とストレスでアトピーに悩まされた松下さんが、アレルギー反応の出ない食べ物を追求したら、天然酵母のパンにたどりついた。これをきっかけに、材料も全て、アレルギー反応が出ないものに切り替えた。
「今の子供はなにかしらのアレルギーを持っている。でも、本来は卵や牛乳でアレルギーが出るわけはない。それがなぜアレルギーになるかと言えば、動物たちが化学肥料で育てられているからです」 松下さんは「早い、安い、うまい」はあり得ないと言う。 「『化学食品』は食べ物じゃありません。『衣食同源』と言いますが、『化学食品』は病気を作る『衣食同病』なんです。食べることは楽しくなくちゃいけません。そのためには、安心して食べることができないと。だから、素材にはこだわっています」と松下さんは話した。(CO) |


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