セブン‐イレブンが開いた「コンビニパン」の新時代 - ブランスリー電子版

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ここにもパンの現場/2012年4月号

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セブン‐イレブンが開いた「コンビニパン」の新時代
セブン‐イレブンのパンコーナー。「コンビニのパンはおいしい」という新常識の裏で、常に新しい商品開発が行われている。
セブン‐イレブン店舗外観
「コンビニのパン」は、いまやその味において、パンの専門店と並ぶ評価を得るとともに、種類の多さは専門店をしのぐともいわれる。中でも「セブン‐イレブンのパンはおいしい」という声は、若者を中心に根強い。「コンビニのパン」をリードし続けるセブン‐イレブンのパン戦略を探った。



7年かけて全国展開した「焼きたてパン」サービス
一年間で全商品の70%が入れ替わるというセブン‐イレブンの店内は、まさに消費の最前線であり、生きた情報の宝庫でもある。
 コンビニエンスストア日本最大手で、チェーンストアとしても世界最大の店舗数を誇るセブン‐イレブン。いま、そのパンの販売に注目が集まっている。
 セブン‐イレブンのパンが人気を得るきっかけとなったのは、1994年12月に開始した焼きたてパンサービスだ。最初は首都圏のみのスタートで、以来、焼成工場など必要なシステム整備に7年以上の歳月をかけ、2002年3月に全国展開が完了した。
 このサービスは、コンビニエンスストアの惣菜パンや菓子パンに対する消費者の認識を変え、「コンビニのパンは結構おいしい」ことが常識となった。当然、他のコンビニ、スーパーも焼きたてパンサービスに追随した。結果として、惣菜パンと菓子パンのアイテムは多岐にわたるようになり、各チェーンがシーズンごとに新製品を続々と投入するのが当たり前の時代を迎えることになった。



イーストフードを使用しない製法を実現

 セブン‐イレブンのパンのおいしさの秘密は、オリジナルパン「焼きたて直送便」と「セブンプレミアム」の2つのブランドで、いずれもパン生地にイーストフードと乳化剤を使用していないことだ。
 1998年6月から、オリジナルパンのメーカーと研究を重ね、ちょうど1年後の1999年6月から、パン生地にイーストフードと乳化剤を使用しない製造方法に変更した。
 また、専用の冷凍生地工場で、解凍・発酵・焼成に至るまでの製造環境のトータルコントロールを行っており、製造されたオリジナルパンは、20度Cに温度管理された環境のもとで店舗まで配送されている。



続々投入されるニューアイテム
民放テレビ局が行った調査で、人気ランキング第1位となった「たっぷりコーンマヨネーズ」
 では、セブン‐イレブンのパンにはどのようなものがあるのだろうか。
 昨年8月に民放テレビ局が行った人気ランキング調査では、▽第1位=「たっぷりコーンマヨネーズ」▽第2位=「ちぎりパン(バニラ&スイートチョコ)」▽第3位=「ふんわりメロンパン」となっている。
 系統別のランキングでは、「ノーマル系(チョコ)」では▽ごぼうのチョコファッション▽チョコブレッド▽ふんわりチョコデニッシュなど、「クリーム系(チョコ)」では▽スーパーコッペ(ミルク&チョコ)▽ちぎりパン(バニラチョコ)▽黒いちぎりパン(チョコホイップ)など、「蒸しパン系」では▽もちモチキャラメル▽もちモチミルクキャラメルケーキ▽もちモチアーモンドチョコバーなど、「おかず系」では▽ツナポテト▽ハム&タマゴサンド▽ジューシードッグ、などとなっている。
 セブン‐イレブンでは、1年間に全商品の70%のアイテムが入れ替わっており、パンも例外ではないため、このデータも一例でしかないが、消費者がパン食を楽しめるアイテム数を常に維持していることは十分にうかがえる。つまり、それだけの開発力があるということだ。
 開発部では、惣菜パンと菓子パンだけで毎月新商品を約10種類出し続けているという。マーケットリサーチや分析を何度も繰り返し、提案する商品を具体化。全国の店舗で展開できるよう、商品の形がばらつかないように規格を統一することも重要なポイントになっているとされる。



地域限定の菓子パンも次々に開発

 また、地域によって違った商品を販売しているのも強みだ。
 例えば奈良県。同県特産のいちご「あすかルビー」を使用した「奈良県産いちごのホイップメロンパン」を県内限定販売した実績がある。
 県が育種し、2000年に品種登録されたこのいちごは、鮮やかな赤紅色で糖度と酸味のバランスの良さが特徴。地域の活性化と地産地消の促進を目的に、「JAならけん」の協力を得て開発した。
 産学協同もある。山形県立米沢女子短大健康栄養学科と地元メーカーが協力し、全国第4位の生産量を誇る山形県のりんごで作ったフルーツソースを使った「山形県産りんご&ホイップのちぎりパン」を販売した例もある。
 和歌山県紀の川市では、JA紀の里産のイチゴを使った「和歌山県産さちのか苺(いちご)のココアサンド」を開発し、県内38店舗など関西地区650店舗で販売された。

「おいしい食パン」も根強い人気
震災直後から被災地で活躍したセブン‐イレブンの移動店舗。高齢者に喜ばれ、あんパンやクリームパンといった「定番商品」に人気が集中したという。震災から一年を経て、積み上げた経験をもとに今年は北海道などでも積極的に展開される。
 こういったセブン‐イレブンのパンの多様な商品力を支えているのは、何と言っても、工場の実力だ。その有力工場の一つである「武蔵野フーズ カムス第2工場」は、セブン‐イレブンに卸す食パンを24時間体制で焼く。もともとは調理パンや弁当の製造を請け負い、コンビニ店の普及に歩調を合わせて業績を伸ばしてきたが、いまは首都圏をはじめ宮城県から愛知県まで、全店の半数にあたる約7800店舗に、共同開発した「おいしい食パン」を届けている。
 同社の食パンは通常の4倍近い「12時間醗酵」と完全無添加で、自然なうまみとしっとり感を引き出した自信作だ。工場も、エックス線による異物探知や製造工程の自動監視システムなど、最新鋭の設備を誇っている。生産量も3斤食パンを1日4万本。約12万人が口にする計算だ。
 おにぎりや弁当に続いて、パンでもその品質と味で高い評価を得ているコンビニ。常にその先頭を走ってきたセブン‐イレブンのパン売り場は、やはり要チェックだ。(O)

原価計算女王
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