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| お店拝見/2012年4月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

| 「ついで買い」で、焼きたてのおいしさを伝える | |||||||||||||
「種類が多い店は、いろいろなお客さんが来ていて楽しそうに見えます。そんな店にしたかったので、何でも揃っている店にしようと思ったんです」 田所さんは店を開業するにあたって、専門性の高い店と、品揃えのバラエティーが豊富な店を見比べたという。その結果、専門店に対する意欲は薄れ、日常的な買い物の場として気軽に来店してくれるよう、バラエティー豊富な店にしようと決めた。 各時間帯で中心となるアイテムを決めながら、100種類を1日の間で提供できるよう、1アイテムにつき、10〜20個と少数ずつ、次々と焼き上げていく。各時間帯の中心アイテムを決めている。朝はサンドイッチ、菓子パン、軽めの調理パン、昼は、ピザや具だくさんの調理パンなど焼きたてが特においしい商品、夕方は、食事系のパンだ。1時間でも時間をずらして入店すれば、がらっと顔ぶれが変わっている。例えば午後3時にチャバタが並んでいたスペースは、4時になると塩パンのバラエティー5種がずらり、というように一変する。そのため、時間を変えて1日に2度来店する客もいるという。 田所さんが販売担当のスタッフに指示していることは主に2つ。「焼き上がりました」と声を出すことと、種類がたくさんあるように見えるようにパンを陳列することだ。 陳列台には、デニッシュ、あんぱん、調理パンなどカテゴリーごとに、1品目につき1列ずつ並んでいる。商品によっては、陳列台の影に見え隠れするものもあるほどで、宝物を探し出すかのような気持ちも沸き起こる。見れば見るほど目移りし、その間にトレイにパンが増えていく。 「翌日用のパンを買う」と決め、来店した客も、ずらりと並んだ焼きたてのパンを目の前にすると、その日に食べるパンも買ってしまう。さらに、1アイテム当たりの製造数が少ないので、「次来たときはこのパンはないかもしれない」という希少性も手伝って、購入品目が増える。結果的に同店は、翌日でもおいしいパンを作りながら、焼きたてのおいしさも提供しているのだ。 種類の多さにこだわるのには、もう一つの理由がある。 「売れ筋の食パン『パンカレ』(231円)と『メロンパン』(147円)は、実は原価が高いんです。でも、お客さんにとっては、材料にどれだけこだわって作ったところで、食パンは食パン、メロンパンはメロンパンでしかありません。ですので、高い原価をそのまま価格に反映することはできません。リピートしてもらうために、売れ筋のものほど原価の割に価格を安く設定しています。利益率の高いほかの商品も、売れ筋商品と一緒についで買いをしてくれれば、全体としては採算が合います」 店の商品全体で、原価と価格のバランスが取れる仕組みになっているのだ。比較的原価の安いアイテムの一つに、塩パンがあり、こちらも人気商品だという。 | |||||||||||||

| 子どもの頃から食べていた定番の味を販売 | |
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現在、商品全体の6割が菓子パンだが、オープン当初は8割もあった。客から要望を受け、食事系のパンを増やし、調整した。
「菓子パンが、作るのも食べるのも好きだから、気付いたら菓子パンばかりが揃っていたんです」 田所さんは、ベーカリーを営む両親の下で生まれ育った。菓子パンが好きなのは、小さい頃からだという。特に、コッペパンに自家製のピーナッツクリームを塗ったものが好きで、日常的に食べていたという。 そのピーナッツクリームを、「ピーナッツクリーム」(150グラム、262円)として、自身の店でも最近売り出した。販売予定数をすぐに超え、材料不足になるほどの人気商品となった。 作り方は、ピーナッツのペーストをマーガリンで伸ばし、シロップ、塩で味を調整する。塩気を少しきかせたところが味のポイントだ。また、バターではなくマーガリンを使うところも大事だという。 「マーガリンで作れば、常温保存ができるので固まらず、塗るときも楽です。店で販売するときも、冷蔵ショーケースではなく、ジャムと一緒に並べることができるので、お客様にとっても分かりやすいと思います」 田所さんは同店を開く前、東京・葛飾区のブーランジェリーオーヴェルニュに6年半勤務した。妻の綾さんは、埼玉県さいたま市のブーランジェリークルミなどに勤務。田所さんは、「ほとんどの商品が、2店のどちらかのレシピから作っていると思います。どちらのパンもおいしくて、ファンでしたから。美味しいとこどりをしています」と笑う。 子どもの頃からずっと、パンが好きで食べてきた田所さんは、客目線からもパンの楽しみ方を提供していく。 SHOP DATA 店名パン ド コロ 住所神奈川県横浜市港南区丸山台2‐1‐1 電話午前9時〜午後7時 営業時間045‐370‐8592 定休日火曜日 品揃えパン100品目、菓子6品目 店舗面積売り場5坪、厨房14坪 スタッフ製造常時2〜3人、販売常時2人 日商平日約13万円、土日約16万円 |


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