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| レポート/2012年3月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| パン散歩‐注目ベーカリーがひしめくパンの街、つくばを巡る
茨城県つくば市と聞き、パンをイメージする人は少なくないのではないだろうか。今回訪問したベーカリーのひとつである「ピーターパン吾妻店」には、「パンの街つくば」と書かれたのぼりがはためいていた。市内には30軒ほどのベーカリーがあるという。そのうちの6軒を巡った。
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| 「昼休みの楽しみ」を提供‐パン・ド・ヴレ | |
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最初に、つくばエキスプレス・研究学園駅から徒歩4分の場所にある商業施設「イーアスつくば」立ち寄った。そこに買い物に来ていた50代の主婦に「おすすめのベーカリー」を尋ねると、「パン・ド・ヴレ」を紹介してくれた。
同施設から2キロほど離れた「パン・ド・ヴレ」に向かう。近くには筑波大学がある。教えてもらった通りの「水色の建物」で、通りからも目立つ店構えだ。 店内も、外観と同調の水色と黄色でまとめられており、菓子パンや惣菜パンが豊富に揃う。昨年末からアルバイトで販売を担当している佐野さんは筑波大学の1年生。「大学内でも、市内の3つのベーカリーのパンが購入できるのですが、ここまで足を伸ばし、「『キャトルフロマージュ』(189円)と『ヴレミルク』(178円)を買いに来るのが昼休みの楽しみです」と笑顔で話した。 佐野さんおすすめの「キャトルフロマージュ」を購入すると、1杯のホットコーヒーが付いてきた。パンを購入した人には、希望があれば無料でサービスしているという。「キャトルフロマージュ」は、カマンベール、モッツァレラ、チェダー、プロセスチーズの4種類のチーズがバランスよく包まれていた。 住所茨城県つくば市春日2‐36‐5 電話029‐858‐3227 営業時間午前7時半〜午後6時半 定休日月曜日。火曜日は祝日以外の日は不定休 品目数60品目 |

| 自家製酵母と国産小麦使用のパン‐エクメク | |
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次に目指したのは、11時の開店から1時間で、ほとんど売り切れてしまうという評判の「ekmek(エクメク)」。「パン・ド・ヴレ」から徒歩8分。急いで向かった。
到着したのは開店間もない11時を少し過ぎた頃。一見すると一般の住宅のような佇まいの店前にある2台分の駐車場は、入れ代わり立ち代り車が出入りしていた。 「エクメク」は、都内のベーカリーで酵母作りからパンを学んだ亀井奈津美さんが1人で製造販売するベーカリー。2003年1月にオープンした。 「つくばエクスプレスの開通を機に県外から移り住む方が増えて、客層が変わりました。開店当初よりも自家製酵母と国産小麦を使ったパンに関心を持ってくれる方が増えてきました」(亀井さん) 周辺のベーカリーの数も徐々に増えてきているという。しかし、亀井さんはこうした同業者と敵対することなく、店が休みのときには買いに行って話をするなど、周辺のベーカリーとの交流を深めている。来店客から、他店の話を聞くこともある。「お客様も、いろいろなお店に行かれているようです」(亀井さん) 住所茨城県つくば市春日3‐21‐1 電話029‐860‐8213(開店前は対応できないときがある) 営業時間午前11時〜売り切れまで 定休日日・月・第3火曜日 品目数10〜14品目 |

| 外国人にも喜ばれるパン作り‐ピーターパン吾妻店 | |
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「ベッカライ・ブロートツァイト」からつくば駅方面へ15分ほど歩いていくと、「パンの街つくば」ののぼりがはためく「ピーターパン吾妻店」があった。1番始めに訪れた「イーアスつくば」で販売されていた焼き菓子の製造元だ。
約70種類揃うパンの中には、ユメシホウを使用した商品もある。プレッツェル、クロワッサン、ベーグル、ブリオッシュなどだ。「人気の『イカスミベーグル』(178円)は、ユメシホウの特徴であるもちもちとした食感を生かしました」と店長の吉田さん。 同店は1971年創業の市内で古くから親しまれているベーカリーだ。 食べ慣れている菓子パンや調理パンでなく、フランスパン、ドイツパンまで揃えているのには理由がある。 「創業時、ヨーロッパのパンと言ってもイメージがわかないので、『日本人の家庭に遊びに来た外国人に喜ばれるパン』と言って、営業してきました」(吉田店長)。実際、海外出身の客から依頼されて作るパンもあるという。 住所茨城県つくば市吾妻3‐9‐20 電話029‐851‐1122 営業時間午前7時〜午後7時 定休日1月1日、2日 品目数パン65〜70品目、そのほか焼き菓子など |
| 他県からの常連客もいる食パン‐モルゲン | |
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「ピーターパン吾妻店」と同じく長く愛されている店が、つくば駅を挟んで反対側の2・5キロほど離れた場所にある「モルゲン」だ。1983年に創業して以来、食パンが人気で、他県から買いに来る人も多い。
午後2時過ぎに訪れると、焼き上がったばかりのバゲットの「ぱちぱちぱち」という音に出迎えられた。そして目に入ってきたのは、厨房からレジ奥の棚へ次々と運ばれてくる「食パン」(300円)。 食パンは焼き上がると同時に売れていく。「冷ます時間がないので、カットしなくても済むように、3斤のほか、2斤と1斤半の型も使っています」(菊地満店長)。 焼き上がる時刻は、午前は10時と11時、午後は2時と4時の1日4回。しかし震災以降、電力を節約するため、午後4時の回は、平日は控えるようにしている。「製造時間を短縮して電力消費を極力減らすようにしています。効率化を考えるいいきっかけにもなりました」(菊地店長)。昨年夏にはサマータイムも実施した。 「パンの街つくば」の活動について菊地店長は「毎月1度の会合は、同業者が集まれる貴重な機会です。開発を待ち望んでいたユメシホウや、旬の食材を使うことは、つくばだからこそできることなので嬉しく思っています」と話した。 住所茨城県つくば市千現2‐13‐2 電話029‐852‐5775 営業時間午前8時半〜午後6時 定休日木曜、第2日曜、最終水曜 品目数60品目 |
| 手捏ねで作るベーグル‐つくばベーグル | |
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「モルゲン」から1キロほど行くと、「つくばベーグル」がある。店長の村上博之さんが、自家製酵母と国内産小麦を使って手捏ねで作るベーグルが、日替わりで15〜20種類ほど店頭に並ぶ。客層は、子ども連れの若い母親が目立つが、つくばならではと言える客も多く訪れる。同店周辺には農業系や生物系などを専門とする様々な研究機関があり、それらに勤務する研究者や外国人らだ。
「『この小麦粉を使ってみてください』と研究者の方が持ってきてくれます。国内産だけでも数十種類の粉を試しました」(村上店長) 英語圏の外国人客が「こういうお菓子を作ってください」と、手作りのカントリー風の焼き菓子を持ってくることもあるという。 焼き菓子は、これまではフランス菓子を作っていたという村上店長だが、最近はカントリー風に移行してきたという。 同店にも、カフェスペースがあったので、サンドしたてのベーグルサンドとドリンクが楽しめた。 住所茨城県つくば市松野木99‐38ノブヒルつくば1階 電話029‐836‐4880 営業時間午前11時〜午後6時 定休日月曜日 品目数ベーグル15〜20品目、焼き菓子5品目 |
| 取材メモ
「パンの街つくば」は、つくば市商工会がまちおこしの一環で進めるプロジェクト。「研究機関や大学などで働く外国人が多く住んでいることから、パンの食文化で街を盛り上げようと、2005年の『つくばエクスプレス』の開通に合わせて立ち上げました」(同商工会)
同プロジェクトの主な内容は、一般市民を対象にしたパン作りのコンテストや、市内で採れた小麦や旬の食材を使ったパンの製造販売など。小麦は、2007年に全国に先駆けて作付けを開始したパン用小麦の新品種「ユメシホウ」で、作付面積は年々増加し、昨年は10ヘクタール、収量は18トンほどあった。 「つくばエクスプレスの開通で若い人が増えた」(モルゲンの菊地店長)というつくばの街。古くから続く店の人気はそのままに、新しく誕生した店も、しっかりと根付いてきているようだった。パンの街として、全体で盛り上がっているその背景には、商工会の会合が頻繁に開かれ、ベーカリーの店主どうしが、時間を見つけて交流を深める姿があった。 |
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