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| お店拝見/2012年3月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

| 客本位の価格設定とアレルギーにも配慮 | |
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ブーランジェリー夢屋は10年前の2002年5月にオープンした。同店を切り盛りするのは、製パン経験30年の田井清幸さん(54歳)。田井さんは、ドンクで10年間勤めた後、数店のベーカリーで腕を磨いた。オープンに当たっては家族皆に反対されたという。現在地は夫人の実家が経営していた割烹料理屋の跡地。オープン当時すでに商店街の集客力は落ちていたという。今、商店街で店を開けているのは5〜6店舗だ。
そうした場所だから、反対されるのも無理はない。しかし、今では毎日80種類の商品を焼き上げて、客を呼び込んでいる。 なぜ、集客の期待できない場所で人気店となったのだろう。まず、立地場所はいわゆる下町と呼ばれるところ。その地域性を生かした価格の設定がある。それに、アレルギー症状を持った人に配慮したパン作りがあげられよう。同店の商品には「玉子・バター・牛乳不使用」「玉子・バター不使用」「玉子不使用」をかかげた商品が数多くある。こうした姿勢が客をひきつけるのではないか。そして、何よりもパンのおいしさ。安定したパンの味が客の足を夢屋に向かわせるのだ。 |

| 料理店も納得のバゲットレトロ | ||||||||||||||||
「大納言リュスティック」(115円)は、バゲット生地に大納言小豆とうぐいす豆を練り込んで焼き上げたもの。食べると豆の甘さが口一杯に広がる。生地とのバランスも良く、洋の東西がうまく合わさった商品だ。蜂蜜入りで無添加のグリーンレーズンを混ぜて、コクのある生地に仕上げた「レーズン食パン」(1斤320円)は、レーズンの甘みと若干の塩味が旨さを引き出しているようだ。 ラジオでも紹介されたことのある「クロワッサン」(120円)には発酵バターを使用。パリパリ感とともにほのかな甘さが伝わってくる。口溶けも良い。クリームパン(115円)には、自家製カスタードクリームがタップリ。生地とクリームが口の中で同時に溶けていくような、つりあいの良さを感じさせる。大人も子供も満足できる味わいだ。 | ||||||||||||||||

| 自然体が人を呼び、育てる
田井さんは、9年間で3人の技術者を独立させてきた。今、修業中の高山隆史さんは1年半前に建築業界からパンの世界に入ってきた人。半年後の独立を目指して技術に磨きをかけている。夢屋では独立希望者を受け入れてきた。田井さん自身が独立を目標としてきたからだ。「これがベーカーの役割さ」とでも言うように淡々と人を育てている。
夢屋を支えるのは家族。田井さん夫婦と夫人の母親の谷本真喜子さんが基本。それに、修業中の職人とパートが加わる。店の雰囲気はどこか家族的で、客の九割が常連という地域密着もうなづける。それに、挨拶がいい。特に客を送り出すときの「気をつけてお帰りください」という言葉に、マニュアルにはない自然さを感じる。さっきの小学生もこの言葉に送られた。きっとまた、夢屋の扉を開けるに違いない。(W) SHOP DATA 店名 ブーランジェリー夢屋 住所 大阪府大阪市西淀川区野里1-7-13 電話 06−6475−6605 営業時間 午前7時〜午後7時 定休日 日曜日、第1・第3月曜日 品揃え 80品目 店舗面積 厨房10坪、売り場4坪 スタッフ 製造2人、販売2人 日商 平日10万円、土曜日15万円 |
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