パン生地で作るアルザスの郷土料理、タルトフランベ ‐ ブラッスリー ラ シゴーニュ / - ブランスリー電子版

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レポート/2012年2月号

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パン生地で作るアルザスの郷土料理、タルトフランベ ‐ ブラッスリー ラ シゴーニュ
イタリア料理店でピッツァを作っていた上野佑樹さん
定番メニューの「トラディショネル」(1000円)
自家製ソーセージ、シュークルート、紅玉ジャムなどをトッピングした「シュークルート」(レギュラー1800円、ハーフ1100円)。写真はハーフサイズ
ムンステールチーズ、クミン、サラダ、人参ピュレをトッピングした「ムンステール」(レギュラー1800円、ハーフ1100円)。写真はハーフサイズ
気軽に食べられるフランス料理
 余ったパン生地を薄くのばし、フロマージュブラン、タマネギ、ベーコンをのせて石窯で焼いたのが始まりだという「タルトフランベ」。仏アルザス地方の郷土料理だ。
 「フランス料理にも、気軽な感覚でおいしく食べられるものがあります。中でもタルトフランベは日本人の嗜好に合っていると思います」
 タルトフランベ専門店を展開する「ラ シゴーニュ」の古屋三郎社長はこう話す。タルトフランベのおいしさを日本に広めようと、東京・港区に「ブラッスリー ラ シゴーニュ」をオープンしたのは、2010年12月だった。
 「兄が、学生の頃アルザスで生活していた間、日常で食べていたらしいんです。ですが、わたしがそれを知ったのは3年前です。『こんなにおいしい料理なのに』と、日本に浸透していないことが意外だと思った兄が、教えてくれました。それから現地に食べに行ったんです」と古屋社長。
 アルザス地方では、家庭で日常的に食されている郷土料理なだけに、様々なタイプのタルトフランベがあったという。
 生地の上にのせる具は、ベーコンとタマネギが定番。一方、生地のタイプは、リッチなパイ生地タイプや、厚めのピッツァタイプなど様々だったという。また、ブラッスリーのメニューの一つに大抵あるそうで、現在は専門のファストフード店もあればレストランの形態もあり、地元の人に愛され続けている。
 古屋社長はアルザスに滞在中、3食ともタルトフランベを食べた。
 「あっさりと食べられるからか、1日中食べ続けていても、翌朝また食べたくなるんです」
 「ブラッスリー ラ シゴーニュ」では、客席から見える位置に設置した石窯でタルトフランべを焼き上げる。食べやすい大きさにカットし、専用の木製皿にのせてテーブルに運ぶ。焼きたての香ばしい香りが食欲を誘う。「女性のお客様も皆様が、さらっと召し上がっています」
 ランチは、タルトフランベ1枚とサラダ、ディナーは、魚、肉、シュークルートなどのアルザス地方の料理などのメインと合わせて食べるスタイルが同店の定番だ。

味の決め手は、フロマージュブラン
 さらっと食べられて、飽きのこないタルトフランベの味の決め手は、フロマージュブラン。具をトッピングする前に、ピザソースのように生地表面にのばす。トッピングの具がどんなものでも、フロマージュブランは欠かせない。
 牛乳から作るフレッシュチーズの一種、フロマージュブランは、酸味があってすっきりとした味が特徴。
 定番メニューの「トラディショネル」(1000円)は、
タマネギの甘味とベーコンのうま味が、フロマージュブランの酸味によって引き立つ。そのほかの約10種類揃うメニューの具は、軍鶏、ソーセージ、シャラン産鴨肉、サーモン、野菜のピュレ、フレッシュサラダ、ナッツ、果物のジャムなどの組合せ。その味のバランスの良さは、コース料理のメインの一皿のようだ。
 「酸味、甘味、塩味のバランス、そして食感が大事なんです」(古屋社長)
 以前イタリア料理店でピッツァを担当し、現在同店でタルトフランベを作る上野佑樹さんは「ピッツァよりも使える具が限られていますが、ジャムが使えるという点は、タルトフランベならではだと思います」と言う。
 ベーコン、ソーセージなどは自家製。素材自体の味を重視し、質の良さにこだわったこれらの具材の良さを引き出すのが、フロマージュブランだ。引き立て役だが、フロマージュブランそのものの質が良くないと、後味にクセが残り、すっきりとしたおいしさが味わえないのだという。古屋社長は数々のフロマージュブランを食べ比べた。自身でも作ってみた。「おいしいと思ったのはフランス産でしたが、コストの問題がありました」
 古屋社長の思う「おいしいフロマージュブラン」とは、舌触りがなめらかで、後味がすっきりとしているもの。そうでなければ、後味にわずかだが苦味が残るのだという。古屋社長は「おいしい」と思ったフランス産と、ほぼ同質のものを製造する日本国内のメーカーを探すことに成功した。
 タルトフランベの専門店は国内では珍しく、飲食店関係者が多く視察に訪れる。しかし古屋社長は、「どこにもまねできないと思います」と胸を張る。上質なフロマージュブランの入手が困難だからだ。

ピッツァ職人の視点に変更
 さらに、他店にまねできないのが、生地作り。最も重要なのが発酵の具合だという。
 「発酵が進むと、焼き上がりが、がちがちになってしまいます。しっとりとして、まわりがさくっと仕上がるように発酵を調節します」
 イーストを入れた生地は、一晩冷蔵発酵させる。発酵というより、熟成させる感覚だという。焼きたてはもちろん、少し冷めてもかたくならず、食べやすい生地が実現した。
 フランスパン用粉を主体にした生地は、開発当初、都内の有名レストランのパン職人が研究を重ねたが完成には至らなかった。
 「パンとしてのうま味が増してしまうと、タルトフランベとしては成り立たなかったんです。そこで、一旦パンという概念を外して、ピッツァ職人の視点に切り替えたら、しっくりくるようになりました」
 粉はフランスパン用粉に1種類の粉をブレンドすることで、風味を加えた。風味は、「パンとしてのうま味」をほどほどに抑えたからこそ、必要となった要素だという。

SHOP DATA
店名 ブラッスリー ラ シゴーニュ
住所 東京都港区南麻布4ー12ー4プラチナコート広尾1F
電話 03ー6277ー2447
営業時間 午前11時〜午後3時、午後5時半〜11時
定休日 月曜日
店舗面積 25坪



作り方
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①一晩熟成させた生地を、麺棒でのばす
②時折ピッツァ生地を扱うように、両手でのばす
③フロマージュブランをのせる
④生地全体にのばす
⑤ベーコン、タマネギなどの具をトッピングする
⑥420度Cの石窯で2分焼成







原価計算女王
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