バラエティー豊富な品揃えで専門店の強みを生かす ‐ 米粉パン専門店「和良」自由が丘工房 - ブランスリー電子版

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お店拝見/2012年2月号

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バラエティー豊富な品揃えで専門店の強みを生かす ‐ 米粉パン専門店「和良」自由が丘工房
約40アイテムのパンと菓子が並ぶ店内
「シナモンクロッカン」(200円)。カラメルの香ばしさに、米粉特有のもっちりとした食感が加わり、食べ応えがある
「シナモンクロッカン」(200円)。カラメルの香ばしさに、米粉特有のもっちりとした食感が加わり、食べ応えがある
 米粉パン専門店「和良」は、2009年に岡山県で産声を上げた。東京には現在直営店を3店舗を構え、さらに今春、東京スカイツリーに併設される商業施設内へのオープンも予定している。未だ認知度が低いとされている米粉パンの普及に、着実に歩みを進めている。
 同ベーカリーのパンに使用する米粉は、岡山県産の米を製粉した米粉が80%、小麦グルテンが20%という配合だ。シフォンケーキなどの菓子には、小麦グルテンなしの米粉100%の粉を使用。
 東京・目黒区の「自由が丘工房」は2010年3月にオープンした。店内に並ぶ米粉パンは、約40種類。主力は「WARA食パン」(480円)や、食パン生地を白焼きにした「こめパン」(110円)といったシンプルな配合の製品だが、その他にも「米粉クロワッサン」(220円)や「クロッカン」(180円)、クリスマス時期限定の「シュトーレン」(600円)などが揃っていて、小麦粉のパンのベーカリーとほぼ変わらない品揃えだ。
 「町の一般のパン屋さんにあるものが、当店にも当然のように求められます」と話すのは、米粉パン専門店「和良」の大西貴史社長。
 「米粉で作っても、パンであることには変わりないですから、見た目も小麦のパンと変わらない形にしています。食べてみて初めて、独特の食感や味に気が付きます。まずは食べてもらって、米粉パンのおいしさを知ってもらわないといけません」
 同店の米粉パンはどれも、米粉特有のもちもちとした食感とほのかな甘さが生かされている。その持ち味を共通項としながら、ベースとなる10種類の生地から、食パン、パンドミ、クロワッサン、ベーグルなど約40アイテムを展開。それぞれのアイテムにしっかりとした違いがわかる特徴を持たせ、一口に「米粉パン」と言わせない。
 「夕方、店の中をちらっと見て出て行ってしまわれる方もいます」(大西さん)。常連客の中には、自分の好きなパンがはっきりと決まっている人も増えてきた。
 大西さんは、「米粉パンが好き嫌いというのではなく、『米粉パンの中でもこのパンが好き』と言われることが大事です。それができるのが専門店の強みだと思います」と話す。さらに「過去に米粉パンを食べていい印象を持たなかったという消費者に、当店のパンを食べてもらって、米粉パンのイメージを一新してもらうことも当面の課題だと思っています」と言う。



片手間には作れない米粉のパン
米粉パン専門店「和良」の大西貴史社長(右)と、製造マネージャーを務める増田秀紀さん(左)
「バナナデニッシュ」(280円)。新製品の開発に余念がない
 同店で製造マネージャーを務める増田秀紀さんは、11年以上の小麦粉のパンの製造経験がある。しかし、その経験は、そのままでは米粉パン作りには通用しなかったという。
 「米粉は小麦粉よりもデリケートで、同じブランドの米粉でも、入荷時期で水分量などが変わってきます。パン作りの過程での温度変化にも、小麦粉よりも敏感に反応し、仕上がりに影響します」
 重要なポイントは、ミキシングだという。増田さんはさらにこう続ける。
 「出来の良し悪しはミキシングの段階で、すでに8割方決まってしまいます。小麦粉のパンのように、その後ホイロで調節するなどということがほとんどできないんです。そのため、ミキシング時の生地の見極めが重要なんです」
 増田さんは、米粉パン生地の見極めが満足にできるようになるまで、半年近くかかったという。さらに、歴史の浅い米粉パンは、先駆者もいないし、本などの教材となるものが少ない。「お手本がないので自分たちで工夫してやっていくしかありません。新しいスタッフにも、回数をこなして体得してもらえるようにしています」
 成形は、基本的には小麦粉のパンと同じようにできるが、焼き上がる最後の瞬間まで気が抜けないという。また、食パンに関しては、角食の型で焼くのが難しいという。「いつか米粉の角食でサンドイッチを作りたいです」と増田さんは意気込む。
 「米粉のパンは、小麦粉のパンを作る片手間に作るなんてできません。米粉パン作りがどれほど難しいことか、今になって実感しています」と増田さんは言う。
 増田さんはパン職人時代の先輩の勧めで同社に入社後、初めて米粉パンを作った。入社する以前は、業者がサンプルとして持ってきても、おいしく作る方法がわからず、そのうちに関心が薄れていったという。
 生地の配合と製法は、企業秘密だ。それはガイドラインとしてまとめられているが、日々改良が繰り返されている。その都度、米粉の扱いにくさを痛感しているという。



例えるなら「すっぴんで性格のよい女性」
「WARA食パン」(480円)が売れ筋
「100%シフォンケーキ(プレーン)」(270円)は試食でも好評
 試食提供も積極的に行っていて、「WARA食パン」「こめパン」「100%シフォンケーキ(プレーン)」(270円)といったシンプルな味のアイテムを中心に出している。
 「冷凍保存もできるので、食パンを週に2〜3斤、まとめ買いしていかれる常連の方も増えてきました。特別なものではなく、毎朝食べるベーシックなものとして米粉パンを楽しんでもらいたいです」(大西社長)
 価格設定も、パンは100〜200円にこだわった。シフォンなどのケーキ類も、客から「安い」と好評だという。
 「例えるなら、米粉パンは『すっぴんで性格の良い女性』です。保存料などの添加物を最小限に抑えているので、素材そのもののおいしさを味わってもらえます。ごまかしが要りません。ケーキのようにデコレーションして見た目でのアピールはできないので、実際に食べて付き合ってもらわないと、このおいしさを伝えることはできないんです」

SHOP DATA
店名 米粉パン専門店「和良」自由が丘工房
住所 東京都目黒区自由が丘1丁目26‐9
電話 03‐5731‐1147
定休日 年末年始のみ
品目数 パン・菓子40品目
店舗面積 売り場5坪 厨房9坪
スタッフ 製造4人、販売常時2〜3人
日商 平日20万円、土日25万円





原価計算女王
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