東京のコリアンタウン‐新大久保 - ブランスリー電子版

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レポート/2012年1月号

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東京のコリアンタウン‐新大久保
常に待つ人の列が絶えない、ホットクの店「POPOやたい」
注文後、生地に具を詰めて鉄板にのせ、サラダ油をかける
専用の押し器で鉄板に押し付ける。押し器は、新大久保界隈で600円前後で販売されている
ひっくり返して両面を焼き、膨れてきたらできあがり
ハチミツ味の「ホットク」(200円)。食べるときは中のハチミツが生地からこぼれないように注意
ホットクの店「POPOやたい」のキム・ボング社長とスタッフ
新大久保で誕生する韓国グルメ
Kポップや韓流ドラマの人気で、東京のコリアンタウンとして名高い新大久保界隈が、劇的な変化を遂げている。主婦層をはじめ、10〜20代の若者までの幅広い年代の女性らで賑わい、通りの飲食店も様変わり。韓国グルメの新顔も次々と登場している。

<1>「ホットク」を鉄板で焼いて提供-POPOやたい



「ケランパン」(150円=写真右)、「かぼちゃパン」(200円=写真左)
ケランパンとホットクのコラボ商品「ホットクパン」(250円)
ピーナッツ、砂糖、ココナッツの粉末、シナモンなどが入っている
カステラ風の生地に、卵を1つ落とす。小判型が特徴のケランパンの焼き型は、韓国から取り寄せた
わくわく広場のソン・ミニョンマネージャー。店内は、韓国のスターが出演する映像が巨大なプロジェクターに映し出されている
<2>カステラ風生地に卵を落とす「ケランパン」-わくわく広場



「ヨーフルト」のソ・ミンヒョンさん。写真のメニューは、韓国でブームのヨーグルトアイスと韓国式カキ氷のパッピンスの両方が一度に楽しめる「プチパッピンスセット」(980円)
「ヨーフルト」のレジ横に陳列されたパン
パッピンスはカキ氷の上に、フルーツ、シリアル、五穀の粉末などがトッピングされている。韓国ではかき混ぜて食べる
<3>ヨーグルトアイスとコーヒーの専門店-ヨーフルト
   



「韓国式ホットサンド」はホットプレートで作る。卵焼きを焼いている間、パンはその横で温めて砂糖を塗る
「ストーリービーン」の「韓国式ホットサンド」(250円)
<4>韓国式ホットサンドの店-ストーリービーン   

女性客で賑わう新大久保の食材店。自家製キムチや韓国海苔、コチュジャンなどの調味料などが揃っている
 JR山手線新大久保駅改札を出ると、平日の昼間と思えない熱気に包まれた。辺りを埋め尽くしていたのは、地図を広げて道を確認したり、待ち合わせしたりする、女性たち。年齢層は10代後半から中高年まで幅広い。
 「地図をどうぞ」と大判の「コリアンタウンマップ」が駅前で配られている。表紙には「グルメ・美容エステ・韓流情報・各種イベント」と書かれている。
 新大久保に降り立った女性らは、友人同士2〜4人で街を闊歩し、韓流スターのグッズやコスメ、食材などのショッピングを楽しむ。大型の観光バスから降り立つ人々の姿も。新大久保は、東京の新たな観光地へと化しているようだ。

<1>「ホットク」は韓国では懐かしい味-POPOやたい
食材店で、ホットクのミックス粉が販売されていた
 駅北口から大久保通りに出るとさっそく列を成している店があった。ハチミツ入りのおやきのような「ホットク」を、鉄板で焼き、熱々を提供する「POPOやたい」だ。1・5坪ほどの小さな店。
 「この前韓国に行ったけど、売っていなくて」と話す20代の女性は、ここで食べられると聞き、リベンジのつもりで来たという。
 同店のキム・ボング社長は「韓国ではホットクの店は小学校の横にあり、子どもが授業後にお小遣いで食べるおやつで、大人にとっては懐かしい味です」と話す。1年半前にオープンし、半年後あたりから日本人女性客による行列が絶えなくなり、列を整備する担当のスタッフを置いた。韓国人は並ぶのを嫌がる傾向があるようで、キム社長は「彼らはうちのホットクのことを『幻のホットク』と言うんです」と苦笑する。
 同店のホットクは、ハチミツ、粒あん、チーズの3種類の味がある。キム社長によると、韓国で「ホットクください」と言えば、ハチミツ味だという。
 企業秘密だという「POPOやたい」のホットクの生地の配合は、キム社長が小麦粉ともち米を主体としたものを、独自に開発。同店で仕込む300〜400個分の生地は毎日使いきる。注文後、生地を鉄板にのせて焼く。「焼いて積んでおく店もあります。でも、うちは、お待たせしてしまいますが、焼きたてにこだわっています」(キム社長)

原価計算女王
原価計算女王
<2>韓国料理がバイキング方式で-わくわく広場
わくわく広場の斜向かいにある店「カナダラ」の「くるみまんじゅう」も人気だ。わくわく広場のケランパンの生地は、「カナダラ」に製造を委託している
 大久保通りから1本小道に入っても人通りの多さは変わらない。間口の小さな飲食店や物販店が立ち並ぶ中に、「わくわく広場」と書かれた比較的大きな建物がある。2011年11月にオープンしたばかりのレストランで、ランチはチャプチェやチヂミなどの韓国料理がバイキング方式で食べられるほか、コーヒーなどのドリンクもあり、カフェとしての利用もできる。
 同店のカフェメニューの一押しは、大判焼のような見た目の「ケランパン」(150円)。小麦粉、砂糖、バターなどで作る控えめな甘さのカステラ風の生地に、卵を1つ落として焼き上げる、韓国では定番のおやつだ。
 同店のソン・ミニョンマネージャーは「日本でも、ブームで終らせることなく、定着させていきたいです」と話し、「韓国では見かけない」という、同店オリジナルメニューの開発にも積極的に取り組む。
 「かぼちゃパン」(250円)は、卵の代わりにかぼちゃクリームとひまわりの種を入れて焼き上げたケランパン。このほか、コラボ商品も開発している。ケランパンにホットクを組み合わせた「ホットクパン」(250円)。通常のケランパンに、ホットクをイメージして、ピーナッツ、砂糖、ココナッツの粉末、シナモンなどで甘く仕上げた。

<3>人気は「フルーツヨーグルトパッピンス」-ヨーフルト

 大久保通りに戻り、2011年4月にオープンした韓国の人気カフェ「ヨーフルト」へ。ヨーグルトアイスとコーヒーの専門店だ。人気メニューは、韓国のカキ氷「パッピンス」と、話題のヨーグルトアイスが一緒になった「フルーツヨーグルトパッピンス」(980円)。パッピンスは日本のカキ氷と異なり、練乳がかかったカキ氷の上に甘く煮た小豆、求肥のような食感の餅、缶詰のフルーツ、シリアル、ゼリー、五穀の粉末がかかっている。その上に、低脂肪でヘルシーだというヨーグルトアイスをトッピング。取材日は関東で初雪を観測するほど冷え込んだが、コーヒーと一緒に楽しむ人もいた。
 レジ横には菓子パン(各種200円)が並ぶ。同店のソ・ミンヒョンさんは「韓国のベーカリーは、夏にパッピンスを販売するところが多いので、パッピンスとパンを一緒に扱うのは自然なことです」と話す。ソさん自身も、夏にパッピンスだけを買いにベーカリーに行くという。

<4>卵焼きをサンドしたホットサンド-ストーリービーン

 大久保通りから1本入った通りには、2011年6月にオープンした韓国式ホットサンドの店「ストーリービーン」がある。ソさんなど、新大久保で働く韓国人もよく利用するという。卵焼きをサンドしたホットサンドは、韓国では朝食に屋台で食べる人が多いという。作り方は、マーガリンをひいたホットプレートの上に、約8ミリ幅にカットしたキャベツ、タマネギ、ニンジン、塩胡椒を入れて攪拌した卵液を流す。卵が固まってきたら、その横の空いたスペースで8枚切りの食パン2枚温める。食パンに焼き色が付いたら裏返し、上白糖をスプーン2杯くらい塗る。「砂糖の量は好みですが、もっと塗る人もいます。当店は控えめにしている方です」(アン・ウンソン店長)
 砂糖を塗った上に卵焼きをのせ、ケチャップをかけ、もう1枚の食パンをのせて卵焼きをサンドしたら出来上がり。半分にカットせず、そのままの状態でアルミホイルで包んで提供。同店では、朝食として買っていく人や、仕事帰りに立ち寄る人などが多いという。
   ◇
 日が落ちて一層寒さが増してきた頃、ホットクの店「POPOやたい」をふと見ると、さらに活気付いていた。ハチミツ味のホットクを注文後、焼き上がるのを待っていた50代女性は、「ランチを食べておなかいっぱいの状態では入らないので、ちょっと小腹がすいてきた帰り際に寄るのが、ちょうどいいんです」と笑った。


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