夫婦で夢の第一歩を踏み出す-ブランジェリーボヌール - ブランスリー電子版

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お店拝見/2012年1月号

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夫婦で夢の第一歩を踏み出す-ブランジェリーボヌール
店主の豊永博さんを中心に、右が真規夫人、左がアルバイトの南雲さん
海のような青さが目立つ店舗の外観。「BONHEUR(ボヌール)」のロゴも個性的だ
小さな子供連れの主婦など様々な人たちが訪れる。手前はイートインのコーナー
 小田急江ノ島線の鵠沼海岸駅を出て、駅前の商店街を左に行くとコンビニがある。そこを超えて2本目の角を左に曲がると、目指すブランジェリーボヌールがある。小田急線の踏み切り近く、歩いて5分ほどの距離だ。
 明るい青の扉を開けると6坪の売り場。広々とした売り場で、ゆっくりと商品の品定めが出来そうだ。入り口の右手にはL字形に組まれた棚があり、そこに常時70種類の商品たちが客を迎えるべく待機している。左には4席のイートイン用のカウンターがある。ここで、買ったばかりの商品を、サービスされるコーヒーとともに楽しむことができる。最近、ジョギングの終わりに寄って休んでいく客もいるという。
 ブランジェリーボヌールは、2011年11月9日に開店したばかり。店主はパン製造経験12年を持つ、豊永博さん(30歳)。神奈川県平塚市出身の豊永さんは、高校卒業後、小田原にあるドンクに約9年間勤務した。ドンクを退社した時点で独立を考えたそうだが、独立資金に不安があったのと、埼玉県春日部市にあるポンデザールが声をかけてくれたのを受けて、同店で3年弱研鑽を重ね、ようやく独立を果たした。
 独立を考えるようになったのは、ドンクに勤めて5年を経過したころだという。22歳で社内で知り合った真規さんと結婚したことも影響したのかも知れない。開店して1カ月あまりだが、開店初日の売り上げは25万円。11月は日商平均10万円。12月に入っても平日は約8万円、土曜・日曜が11万前後と、前月と同じような売り上げのペース。この順調な出だしを支えているのが、販売担当の真規夫人だ。豊永さんは将来の夢として自宅兼店舗を建てようと考えている。夫人と2人の子供の存在が大きいようだ。



多品種で、選ぶ楽しみを提供
厨房は約10坪。手際よく製造作業を行なう
2番人気の「バゲット」は白神酵母を使用したものと通常のものがある。写真は白神酵母を使用したもの
1番人気の「フランスあんパン」は、フランス生地の上にクルミをのせて焼き上げた
人気第3位の「クロワッサン」にはライ麦粉が混合されている
 豊永さんが、この地にベーカリーを構えたのは、鵠沼の商店街の垢抜けた雰囲気が好ましかったことと、商圏内の他のベーカリーの商品動向を見たときに、自身が最も作りたいフランスパン系の商品もよく出ていると判断したからだ。豊永さんは「この地域はパン食がしっかりと定着していると思います」と語る。その読みは、現在の売り上げに十分反映されているように思える。
 ボヌールを支える要因の一つは客。客層は地元の主婦が中心になる。年齢の幅は広い。子供連れの主婦や妊婦、高齢の女性たちも自分好みのパンを求めて来店する。朝、よく売れるのは人気商品の一つであるクロワッサン(150円)など。昼は、カレーフランス(180円)やフォカッチャ(240円)などの調理パンが売れ筋だ。夕方になると翌朝の食事用にと食パン(280円)の売れ行きがよいようだ。
 最近の売り上げベスト3は、1位がフランスあんパン(160円)、2位がバゲット(260円)、3位がクロワッサン。これらの商品を誕生させるのが、10坪の厨房だ。ミキサーとシーター以外は中古の機械を導入したが、それらは店舗の立ち上げ資金約1300万円からまかなった。これらの機械と職人の腕から100種類のパンが生み出される。毎日朝3時半から仕込みを始める。常時店舗に並ぶのは70種類。食事パン類を中心に調理パン、菓子パンを揃える。
 多種類のパンを作ることについて、豊永さんは「お客様にたくさんのパンを食べてほしいので、色々な種類の中から選ぶ楽しみを提供できればと考えました」と話す。



幸福な時間を贈る努力を重ねたい
ミネラルが豊富な「胚芽入り食パン」(左)と翌日の朝食用によく売れる「食パン」
オリーブオイルを生地に入れた「チャバタ」
1キロの生地を使った「パンクール」。皮よりも中身を味わってほしくて作ったパン
売り場は6坪だが、広く感じさせるレイアウト。焼き上がったパンを手早く棚に並べる
 豊永さんは、大手ベーカリーとの差別化を意識して、パンは長時間発酵法で焼き上げる。もちろん差別化だけではなく、よく熟成させた生地をおいしい商品に仕上げるのが本筋ではある。また、調理パンなどに使用するフィリングにもこだわりがある。全て自家製なのだ。あんパンのあん以外は全部手作り。本当においしいパンを提供したいという思いが職人の気質としてある。
 では、どのような商品なのだろう。今、1番人気の「フランスあんパン」は、フランス生地の上にクルミをのせて焼き上げた。生地には引きがあって、塩味もほどよい。あんとのバランスも嬉しい。口の中でクルミと混ざったときの食感も悪くない。2番人気の「バゲット」は白神酵母を使用したものと通常のものがある。いずれも、安心して食べられる。人気第3位の「クロワッサン」にはライ麦粉が混合されている。こうすることで、よりパリパリ感を出している。1回で25個を製造するが、午前中で売れ切れてしまう。取材当日も、高齢の婦人が買えなくて残念がっていたのが印象的だった。
 「ミルクパン」(120円)は、牛乳と卵だけで仕込んだ商品。菓子パンではないが、子供向けの食事パンにもなる。甘さもあり、喉ごしが良いのも魅力。「胚芽入り食パン」(300円)は、口溶けのよい生地。トーストすると軟らかなサックリ感が生まれる。今よりも人気が出てほしい「チャバタ」(220円)は、生地にオリーブオイルを入れた。豊永さんが自信を持ってすすめるだけあって、噛み締めていると、パンの旨さが伝わってくる。トーストしたときのパリッとした食感が味わえるのもいい。
 店名の「ボヌール」は、フランス語で幸福という意味。豊永さんは「自分の作ったパンでお客様を幸せにしたい」と考えて名付けたという。開店間もないボヌールは、これからも地域の人々に、今以上に幸福な時間を贈りたいと、日々努力を重ねている。

SHOP DATA
店名 ブランジェリーボヌール
住所 神奈川県藤沢市鵠沼海岸2−1−8
電話 0466-31-0330
営業時間 午前8時〜午後7時
定休日 火曜日
品揃え 100品目(常時70品目)
店舗面積 厨房10坪、売り場6坪 
スタッフ 製造1人、販売2人
日商 平日約8万円、土・日約11万円





原価計算女王
原価計算女王

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