2店を比較分析してリニューアルを計画‐サガミパン工房 ブンブン - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
お店拝見/2011年11月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


2店を比較分析してリニューアルを計画‐サガミパン工房 ブンブン
ベーカリーを2店舗経営する地主将人社長
1台の平台を2つにして通路を増やしたことで、客が回遊できるようにした
イートインスペースを縮小し、焼き菓子のスペースを広げた
駐車場は店の前に9台、店の横に3台あり、利用しやすい
取材した平日の昼、2、3度繰り返し回遊する客の姿が目立った
 今年5年目を迎える神奈川県厚木市のサガミパン工房ブンブンが9月7日、リニューアルオープンした。
 同店の地主将人社長は、「もともと、リニューアルに関しては5年を一区切りに考えていて、具体的にどこをどうするかということについては、1年以上前から計画を立てていました」と話す。
 地主社長は、2009年に、同県小田原市に2号店のブンブン小麦市場(小田原店)を出店している。リニューアルをするに当たって、1店舗だけでなく、2店舗を展開しているということが、大いに役立ったという。
 「1店舗しかなかったら、見えてこなかったと思うんです。2店舗とも、商品構成はほとんど変わらないですから、それらがどうして売上げに違いが出るのかを分析していくと、それぞれの店舗の改善点が明確になってきます。本店の厚木店は、小田原店よりも客単価が400円ほど低かったんです。売上げアップのために、まずは客単価を上げることから取り組んでいこうと決めました」
 こうして2店舗を比較し分析した結果、今回のリニューアルの目的が、客単価をアップさせることと、駐車場の回転率をアップさせることに絞られた。
 そのために、平台の配置を変え、イートインスペースを縮小した。
 平台は、1台の大きな台を、小さめの2台に分離させた。分離させることで、通路を増やしたのだ。
 「客単価を上げるためには、できるだけ多くの商品を見てもらえるように、滞在時間を長くする必要があります。平台が1台しかないと、その周りを1回見て終わりになってしまいますが、2台に分けて通路を増やすことで、八の字状にもう一回りしてくれるようになるんです」(地主社長)
 イートインスペースは、20坪の広さから14坪に縮小し、その分売り場を広くした。広くなった売り場には、これまで5品目しかなかった焼き菓子を、約20品目に充実させた。したがってパンの品目数に変化はない。
 リニューアル前と変わっていないのは、パンの品揃えだけでなく、木目が基調となった店内の雰囲気などもそうだ。しかし、リニューアルから3週間過ぎた現在、すでに客単価は100円ほど上がり、効果が出ている。
 商品を見て回る時間が増えただけでなく、新しいカテゴリーとして、豊富に揃う焼き菓子を投入したことも功を奏したのだ。「特にラスクは、ベーカリーとして、菓子店には負けられないです」
 さらに地主社長は、「売り場が広くなったことよりも、イートインスペースが縮小したということが、ポイントだったのだと思います」と話す。
 「車で来店される方は約8割です。したがって、駐車場の回転をよくしておく必要があるのですが、昼時は常に満車状態になってしまうんです。これと比例するように、イートインスペースの回転率も悪く、長くて1時間くらい滞在される方もいらっしゃいます。イートインスペースの回転をよくすることが、駐車場の回転率を上げることに直結するという仕組みなんです」
 厚木店にとって、駐車場の回転率アップが重要だということは、来店者を対象に実施したアンケート結果からもわかることだったという。
 「厚木店は小田原店よりも商圏範囲が狭いんです。言い換えれば、厚木店より郊外立地である小田原店の方が、周囲にあるベーカリーなどの飲食店が少ないのだと思います。実際、満車時を比較すると、小田原店では空くのを待たれる方が多いのですが、厚木店は満車だと分かるとすぐに他へ行ってしまわれます。厚木店にとっては、駐車場の回転率を改善することが効果的だと判断しました」



商品ごとのニーズを絞り、ポップで伝える
入り口近くの平台に、売れ筋の「カレーパン」(158円)、「ちょっとリッチなクリームパン」(158円)、ここ1年ほど人気が定着している「カフェブーン」(137円)が並ぶ。「カフェブーン」はコーヒー風味の軽い食感の菓子パン
惣菜を使ったパンが豊富。今後もさらに品揃えと内容をともに充実させていく方向性だ
4つの要素で構成されたポップ。一番上に記載されているキャッチコピーが、客の心に訴えかける
 取材した平日の昼、2、3度繰り返し回遊する客の姿が目立った。彼らの中には「どれにしようか、選びきれない」と話す人もいた。こうした、多くのパンに手が伸びてしまうという状況は、手頃な価格設定と客の心を掴むポップの存在が作り出しているようだ。
 「自分で買うならこの値段かな、という庶民感覚を大事にしています。最近は都内のベーカリーに行っても、手が出ません。原材料費が高騰していても、250円の牛丼だってあるのですから、うちも負けてはいられません。毎日来てもらっても損をさせない商品作りと価格設定をしています」と地主社長はいう。
 さらに「ポップは4つの要素で構成しています。商品名、説明、価格、そして一番上に記載しているのがキャッチコピーです。新商品作りのときにも考えるような、どんなお客様に買ってもらいたいかということをキャッチコピーにするんです」
 「塩チキンサンド」(263円)のキャッチコピーは「さっぱりサンド」、「塩パン」(158円)は「そのままでもおいしい。サンドイッチにしてもおいしい」などとなっている。手に取る客が目に浮かぶような、心に語りかけるコピーだ。例えば、塩パンのコピーからは、サンドイッチ用のパンを探していた主婦や、おかずの用意だけはあるという人などが想像される。
 ある有名ベーカリーで修行した地主社長は7年前、神奈川県JR戸塚駅近くに対面式の店構えで、ハード系のパンを中心としたベーカリーをオープンし、3年ほどで閉じたという経験をしている。
 「地域に密着したベーカリーを目指しています。自分のパンを好きな人が、10人中3人いて買ってくれればいいというのではなく、最低でも10人中8人がおいしいと言ってくれないといけません。それが2店舗の従業員を抱える自分の役目だと思っています」
 サンドイッチや焼きこみ調理パン、菓子パンなどが商品全体の4割以上を占める。
 「サンドしてあったり、練りこんであったり、手を加えずにそのままおいしく食べられる商品に力を入れていきたいです。自家製のフィリングやコロッケなどの惣菜に力を入れていきたいと思っています」
 オーソドックスなパンを一つひとつ正確に作っていくという職人としてのプライドを持ちながら、具材にも力を入れていくという方向性だ。

SHOP DATA
店名 サガミパン工房 ブンブン
住所 神奈川県厚木市旭町1‐36‐1
電話 046‐205‐0518
営業時間 午前8時〜午後8時
定休日 火曜日
品揃え 約80品目
店舗面積 売り場22坪、厨房24坪、イートインスペース14坪
スタッフ 製造常時7人、販売2〜4人
日商 平日40万円、金・土曜日45万円、
日曜日50万円








原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら