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| 特集/2011年10月号 |
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| 店員の笑顔が親しみやすい空気感を作り出す‐ベッカライ徳多朗【対面販売】 | |||||||||||||
神奈川県横浜市の東急田園都市線たまプラーザ駅の南口から徒歩6分ほど歩いた場所にあるベッカライ徳多朗。北口方面には、同店の味が楽しめるカフェ「アーリーバードカフェ」があり、ベーグルを使ったランチやピザなどが人気だ。同カフェの厨房にも、ミキサーやオーブンなどがあり、ここで扱うパンの全てを仕込みから作り、焼きたてを提供している。 「これからカフェに行ってランチを食べるのが楽しみなんです」 ベッカライ徳多朗に入店して早々、こう話したのは、同店の評判を聞きつけて大阪からやってきたという60代の女性2人。しかしこの日、カフェは臨時休業だ。スタッフがその事を告げると、店内にある小さなベンチを指差し、「ここで食べてもいいですか」と聞き、今購入したばかりのパンをほうばり始めた。店内は4〜5人ほど入ったら一杯になるほどのこぢんまりとしたスペースだが、食べ終えた後もリラックスした様子でベンチに佇んでいた。 ベッカライ徳多朗は創業して21年。同店の徳永淳社長は「開店当初赤ちゃんだったお客様が、成人した今もいらっしゃいます。そういった方には自然と笑みがこぼれますよね。つい長々と話してしまうこともあります」と話す。客の9割がリピーター。開店当初から20年以上通い続ける客が多い。 しかし、そのことによる問題点もある。「常連のお客様と店員のやり取りが、初めてのお客様に疎外感を与えてしまわないかということです。そのため、入店後は挨拶だけでなく、『順番にお取りしますね』などと、お客様の雰囲気や表情を把握しながら声をかけます」 入り口の扉を開けると、正面にショーケースがあり、その奥でスタッフが出迎える。 「やはり欠かせないのは、店員のにっこりとした笑顔です。お客様から逆に話しかけてもらえるように、店に一歩入ったときの、空気感のようなものを大切にしています」 大阪から来た女性2人も、その空気感の良さを感じとり、リラックスして滞在していたのだろう。 店員の動きが店の好感度を高める ベッカライ徳多朗は創業から対面方式で販売している。徳永さんは、創業前から大きな店はセルフ、小さな店は対面とのイメージを持っていたという。また、創業準備中に何度も訪ねたベッカライ・ブロートハイム(東京・世田谷区)で、対面販売の良さを実感した。 「販売の方が親切だったので、感じの良い店だと思いました。また、売り場の適度な狭さで、店と客の距離感を縮められると思いました。対面販売だと、パンを買うというだけで、会話をしたりコミュニケーションが生まれます」 「店員の感じの良さは、応対がテキパキしていることからも伝わります。それはお客様に対するものだけではなくて、店員同士のやり取りもそうです。ですから、店員同士、仲が良いこと、助け合うことが大事だと思います」 販売担当の岩瀬葉子さんは「自分の行動はすべて声に出すようにしています」と言う。テキパキとした行動が取れるからだ。 「『イギリスパンをお取りしますね』など、お客様に対してだけでなく、『後ろ通ります』『袋出します』など、店員同士でも声を掛け合って互いの動きが読めるようにします。狭い店内なので、こうして動線を確保するんです」 声掛けでもう一つ意識していることは、焼きたてのパンをアナウンスすること。 「ショーケースに入っていると、熱が伝わりませんから、どれが焼きたてなのか、お客様からは分かりにくいですよね」 販売を担当するスタッフは、常時2人、混雑時は3〜4人。1人の客に対して1人のスタッフが、注文受けから袋詰めまでの一連の作業を行う。 こうすることで、特に混雑時のトラブルを回避できる。よくあるトラブルとは、残数がわずかな商品について、注文分を用意できなくなってしまうことだ。さらに大事なのは注文を受ける順番。同店では、原則として、入店した順番に受けるようにしている。順番に関しては、客自身が自分の順番を意識していることも大事だという。 「店内は列を作るほどのスペースはないですが、混雑時はお客様の待ち位置をご案内します。レジから一番遠い側に並んでいただくように、手を上げて場所を示します」(岩瀬さん) 客同士が順番を争うことのないよう、店側がリードして整理する。 新店ではセルフと対面を使い分ける 手狭になったことを主な理由として、ベッカライ徳多朗は、9月14日、取材時に訪れた旧店舗から2キロ離れた場所に移転オープンした。移転後は対面販売を基本とし、アイテムによってはセルフ販売も取り入れるという。 「ショーケースの中に整然とパンが入っていると、清潔感がありますし、店側が常に管理できるので、きれいな陳列状態を保てます。でも一方で、夕方になると乾燥を防ぐために袋に入れて、お客様が自分で取れるように陳列するのですが、その方が、よく売れるようになるんです」(徳永さん) こうした経験からも、対面販売とセルフ販売のそれぞれの良さを生かし、使い分けていく。 「対面販売のデメリットは待ち時間であるのに対して、セルフ販売は急いでいる人とそうでない人のそれぞれが、自分のペースで買い物ができるという点で合理的だと思います」(徳永さん) さらにセルフ販売のメリットについて「特に初来店のお客様は、『このパンはどのくらい重いのか』『どのくらいやわらかいのか』などと、手に取ってみたいと思うのではないでしょうか。意外にずっしりしていたり、手にして初めてわかりますよね。自分がよくそう思うんです」 徳永さんは、時間があると県内や都内などのベーカリーを訪ねるのが好きだという。 客側の立場で、セルフと対面の良さを体感し、アイテムごとの最適な販売の仕方を研究している。 ShopData 店名 ベッカライ徳多朗 住所 神奈川県横浜市青葉区元石川町6300‐7 電話番号 045‐902‐8511 営業時間 午前7時から午後6時 定休日 水曜 品目数 40品目以上 スタッフ 製造4人、販売2〜3人 店舗面積 厨房18坪、売り場6坪 日商 平日30万円、土曜日50万円 ベッカライ徳多朗は、9月14日に移転リニューアルオープンしました。ShopDataの店名から定休日までは、新店舗のデータで、品目数から日商までは、旧店舗のデータです。 | |||||||||||||


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