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| お店拝見/2011年9月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

| 小さいからこそ必要な職人の自覚 | |
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初期投資を小さくして、後に大きく育てるというのは、理想的に思えるが、藤原さんはこんなふうに話してくれた。
「4・5坪の小店舗なので、少ない資金で簡単に仕事が始められると思う人もいるかも知れませんが、ベーカリーの場合は単純な脱サラ気分では難しいのではないでしょうか。何故なら、職人としてきちんと修業を積んでいるからこそ、パン作りといったある意味単調な繰り返しの作業に耐えられると思うからです。修業をした上で、ベーカーとして生きていくのだといった明確な自覚が無ければ、肉体的、精神的な厳しさに見舞われたとき自分を保てないですから」 ベーカーとして18年間精進を重ねてきた藤原さんだからこそ言える言葉であろう。 では、同氏が日々作るパンとはどのような製品だろう。 |

| 販売中の製品こそが商圏内の売れ筋 | ||||||||||||||||
「クロワッサン」(150円)は、皆の口に合うように若干の甘味を加えた。また、この製品の旨さの秘密は生地の折り方にもありそうだ。「豆クロワッサンブレッド」(400円)は、デニッシュ食パンの中に、うぐいす豆、大納言、金時豆を入れたもの。サックリした食感の中に、3種類の豆の甘さが、口の中で混じり合う。食事にもおやつにもなりそうだ。 食事パンとも調理パンともいえそうな「パン・オ・レギュウム」(150円)は、人参、コーン、グリンピースが生地に練り込まれたパン。具材がパンの食感を邪魔しないので、パン自体も味わえる。肉や野菜を挟んでサンドイッチにしてもOK。自家製の具を使った「焼きカレーパン」(160円)は、不動のレギュラー商品だ。 イーストの替わりに天然酵母を使うベーカリーも随分と増えた。ベッカーフジワラでも自家製の天然酵母が健在だ。同店の天然酵母はライ麦から起こしたもの。オープン当初から使用している。藤原さんは天然酵母をハード系のパンにしか使わない。ハード系にこそふさわしいと考えるからだ。「田舎パン」(130円)では、ライ麦から取った酵母の特徴がしっかりと味わえる。他のハード系のパンとして、フランスパンをベースにした製品が2種類。「チーズコッペ」(230円)と「エビグラタン」(同) 菓子パンの中で人気なのは「メロンパン」(110円)と「究極メロンパン」(210円)。究極メロンパンにはカスタードクリームが入っていて、冷やしても美味しい。今、店頭に並ぶ約30種類の製品は「客様が求めた結果」だ。 ライ麦パンとバゲットは、予約販売で対応している。これらの製品は、ベーカーとしては、日常的に販売したいが、時間をかける割には実績が伴わない。十分に腕を振るいたいがままならない現実がある。 しかし、冷静に商人として割り切れば、今売れている製品こそが、地域の嗜好といえなくもない。そう考えると、現在ある製品により手をかけることこそ、商売繁盛の基礎となるのは、自明の理であろう。 | ||||||||||||||||

| 地域との結びつきが店の発展に | |
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藤原さんは「まだリーマンショック以前の状態に戻りきれていません」と語るが、取材当日も、大人が一人入ればもう満員のお店に、何人もの客がパンを求めて来店した。開店以来、ベーカーとしてまたベーカリーとして、客とのコミュニケーションを大切にしてきた。店の片隅に「お店は小さいけど話しやすい」「とてもおいしいパン屋さん」と書かれたちらしが張ってある。パン好きの小学生が書いてくれたのだという。人と人との関係を大事に築いていこうと実践してきた一つの結果といえる。小さな店の小さい常連客。将来の店の発展を支えてくれるかもしれない。(W)
SHOP DATA 店名 ベッカーフジワラ 住所 東京都豊島区池袋本町3−1−1 電話 03−3981−6540 営業時間 午前8時30分〜午後8時(但し、売り切れ次第閉店) 定休日 火曜日 品揃え 約30品目 店舗面積 販売・厨房合わせて4.5坪 スタッフ 1人 年商 約1000万円 |

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