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| お店拝見/2011年9月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 和の空間に並ぶのは国境のないパン‐濱田家 三軒茶屋本店 | |
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「ネットで当店の書き込みを見ると、冒頭に『格子戸を開けると』というくだりが、よくあるんです。格子戸はメンテナンスが結構大変なんですが、もう、他の扉には変えられないですね」と濱田家社長の濱田豊氏は笑う。
格子戸の横には、筆文字で「営業中」と書かれた木の札が下がっている。店の外からはパンの姿は全く見えず、和食店のような佇まいだ。 濱田家三軒茶屋本店は、東京・世田谷区の東急田園都市線・三軒茶屋駅からすぐの場所にある。 「この町は、老若男女が入り混じって下町情緒に溢れています。『町の小さなパン屋』をイメージしていたので、庶民的なこの町に決めました。近くに評判のいいパン屋さんがすでに何軒かあります。でもその中で、異端児としてならやっていけるかなと思ったんです。たまたま空いた物件が元寿司店でしたが、そのまま使えそうだと思いました。パンの陳列台も、カウンターと寿司ネタの冷蔵ケースを利用したんです」(濱田社長) 店の中に入ると、外観と変わらず和のインテリアで統一されている。スタッフは、てぬぐいを頭に巻き、藍色の前掛けを身に着けている。日本人なら安心感を覚える和の空間だ。 同店のコンセプトは「日本のパン」。その通り、「きんぴら」や「ひじき」(ともに170円)など、和風の惣菜をフィリングにしたパンがあり、人気の品となっている。その一方で、バゲットやクロワッサン、フルーツののったデニッシュなど、洋風のパンも、和の空間に違和感なく並ぶ。同店の氏原宏一店長は「製品よりも、雰囲気で、和の演出をしているんです」と話す。 「当店をオープンした11年前、フランスパンとか、ドイツパンとか、それぞれのパンだけを専門店として扱うベーカリーが多かったのですが、それぞれ専門店として分けて考えるのが嫌だったんです。カテゴリーを気にせず、どのパンもおいしいと思うものを、揃えたいと思いました」(濱田社長) |


| 安心感のある和の空間で交わす会話 | |||||||||||||
同店で8年前から製造と販売を担当している氏家店長は、以前は百貨店に併設の洗車場で接客をしていた。パン業界に入ってからも、販売の経験を積んだ。「お客様と話すのが好きですね」と笑顔で話す。 「カレーパンはありませんか」という客の問いかけに「あと2分お待ちいただければ焼きあがります」と笑顔を絶やさず即座に答える。 合わせて11坪の厨房と売り場は、戸で仕切られている。しかし、その狭さや、厨房と売り場を頻繁に行き来する氏原店長によって、店全体に一体感が生まれている。客とスタッフが互いに話しやすくなるような、落ち着いた空間だ。 「モノとお金だけが行き交うだけでは面白くない」と話す濱田社長の思いが込められている。 まとめ買いをする人も多く、4個入りや2個入りの袋入りがずらりと並ぶのは「豆ぱん」(160円)。冬場は1日600個売れる同店の看板商品だ。 この看板商品は、客との会話から生まれた。 「豆を使ったパンはないのかしら」という客の声に応えて、初代店長が開発した。 水あめで甘く煮た赤えんどう豆を、食パン生地に練りこんで焼き上げた。豆は一口食べれば必ず入っているというほど、たっぷり入っている。 それでも、最初は1日に10個程度しか売れなかったという。しかし口コミで少しずつ売れ始め、さらに雑誌掲載、テレビ放映などが手伝って、看板商品へと育っていった。客の一言を見逃さず、応えたいと思う気持ちが看板商品を生み出したと言える。 同店は、神奈川県の2軒の農家が育てた小麦を、同県の製粉会社、ミル・パワー・ジャパンで製粉した「湘南小麦」を使ったバゲット「湘南バゲット」(250円)を販売している。 「香りが強くて自分も好きなバゲットなので、ついお勧めしたくなります。お客様からは、『湘南小麦って何ですか』と聞かれることもあります。お客様と話すきっかけを作ってくれる製品でもあると思っています」(氏原店長) SHOP DATA 店名 濱田家 三軒茶屋本店 住所 東京都世田谷区三軒茶屋2‐17‐11 電話 03‐5779‐3884 営業時間 午前9時〜午後8時 定休日 月曜日 品揃え 50品目 店舗面積 販売スペース2坪 厨房9坪 スタッフ 5〜6人 日商 平日は約27万円、土日は約37万円 | |||||||||||||


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