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| 対談/2011年9月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 第2回 望月康男の訪問対談 店の年齢や時代の変化に応じてフォーメーションを変えて営業 | |
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神奈川県・大倉山にユニークなベーカリーがある。突然出来たから、「トツゼンベーカーズキッチン」。プライスカードにも「毒りんご」「危険」などの過激な文字が躍る。しかし、岸本拓也社長に話を聞いてみると、そこには、計算しつくされた巧みな経営戦略があった。
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| 地域密着へとシフトし、焼きたてを追求 | |
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望月 5年前にオープンされたときは、スーツを着て接客されていたそうですね。
岸本 立地があまりよくないので、認知度を上げていくために、接客をスーツ姿でやったり、店名も「トツゼンベーカーズキッチン」と斬新な感じにしました。売り方についても、スーツを着てパンを宝石のように扱い、お客様に緊張感を味わってもらい、いい意味でも悪い意味でも「あの店はこんなだった」ということを、まわりの人に話してもらいたいと思いました。それをいいという人は全体の30%ぐらいと踏んでいて、残りの70%は捨てなければならないと思っていました。そこで、地域密着ではなく、東横線沿線という広い範囲をメインターゲットにしました。半径50キロぐらいでしょうか。お蔭様で色々な雑誌でとり上げていただいて、遠方からも多くの人に来店して頂きました。1000円以上のパンも多く販売していて、利益は出ていましたね。当時は客単価も2000円と高かったですよ。 望月 今日、私が店を見て感じたことは、レコードが飾ってあったりして、一般的なパン屋さんというイメージではないな、ということです。私の「パン屋」という概念を切り捨てなくてはだめだなという感じです。プライスカードにも「危険」とか「毒りんご」とか過激なことが書いてありますよね。 岸本 普通の商品説明では面白くないので、お客様を笑わせるようなプライスカードを作るようにいつも指導しています。例えば、ロングソーセージのパンはかなり原価率が高くて、赤字の状態なのですが、それなら「赤字パン」という名前にしてしまおう、みたいな感じです。オープン当初は、地域密着ではなく、東横線沿線をメインターゲットにしていたので、そういうプライスカードは採用していませんでしたが、いまは、地域密着型にシフトさせていますので、そういうやり方も面白いなと思っています。 以前は、「晴れの日のパン」というのがコンセプトだったのですが、地域密着にシフトした今は「毎日のパン」がコンセプトです。しかしオープン当初からの「晴れの日のパン」のお客様もキープしていきたいので、青葉台に、ここ本店のオープン当初と同じコンセプトの店を作っているので、そちらから商品を持ってきています。 9月からは、さらに客数を増やす戦略を実践していきます。コスト調整をして価格をさらに下げるのと、後は焼きたての回数を増やして、それを訴求していくことで、フィーバーさせていこうと考えています。 望月 流行っているベーカリーを見てみると、焼成回数をできる限り多くして、焼きたてを追求していますよね。 岸本 今は、週末は完全に焼きたて追求型でやっていて、平日はどちらかというと、販売スタッフがお客様に提案するスタイルになっているのですが、これからは平日も、焼きたてを追及するオペレーションに変えていきたいと思っています。客単価を追求するのではなく、客数を増やしていこうというスタンスですね。 Shop Data 店舗面積 30坪(売場8坪 製造16坪 倉庫・事務所6坪) スタッフ 製造6人 販売6人 品揃え 70品目 平均日商 30万円 営業時間 午前7時30分〜午後10時(金曜日は深夜2時まで) 定休日 年中無休 |


| 対談後記 | ||||
金曜日の深夜2時までの営業時間やプライスカードの表示コピー、陳列されている商品の構成など、既存のベーカリーにはない発想が印象的であったが、対談で的確なマーケティングに裏付けされた感性豊かな経営戦略であることを知ることが出来た。市場の変化にスピーディーに対応する行動力も魅力がある。客数アップのための策を近々のうちに具体的に実施するとのこと。今後も注目し続けたい。(望月) | ||||
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