第19回アメリカンベーキングセミナー‐タントなど - ブランスリー電子版

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講習会/2011年8月号

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第19回アメリカンベーキングセミナー‐タントなど
 タント、ダイヤモンドフーズ、サン・メイド・グロワーズ・オブ・カリフォルニア、バレー・フィッグ・グロワーズの4社が主催して6月14、15の両日、東京・中央区の日清製粉小網町ビル加工技術センターで「第19回アメリカンベーキングセミナー」が開催された。講師はアメリカ料理学院(CIA)のベーカリー講師をはじめ、アメリカ農務省関連の諸団体のアドバイザーなども務める、ロバート・ジョリン氏。レーズン、フィグ、クルミを使った12品目のパンや菓子についてレシピを紹介し、そのうちの8品目の製造実演を行った。

米国では全粒粉やライ麦などの穀類の摂取が推奨されている(ロバート・ジョリン氏)
 レーズン、フィッグ、クルミは、おいしいだけでなく抗酸化作用やガンリスクの軽減などに役立つ。今回、これらの素材に加え、穀類を豊富に使ったパンを紹介するが、今、米国では健康効果の高い全粒粉やライ麦などの穀類の摂取が推奨されている。穀類には独特の風味があるが、レーズン、フィッグ、クルミがそれを和らげてくれる。アメリカの農務省は6月初旬、健康的な食事の指標である「My Plate」(マイプレート)を発表した。「My Plate」は、穀物の目標摂取量のうちの半分を全粒粉にすることや、食塩を減らすこと、小さな皿を利用することで食べすぎを防止することなどを図で表している。全粒粉や穀類が入っているパンは、健康機能面に優れているが、味の面で難がある場合が多い。レーズン、フィッグ、クルミなどのように、様々なフレーバーや材料を組み合わせて、風味に変化をつけるといいと思う。

講師を務めたロバート・ジョリン氏(中央)
■レーズンのクグロフ
■フィッグ・オリーブ・オニオンのサンドイッチロール
■フィッグ・オリーブ・オニオンのサンドイッチロール
■レーズンペーストとハーブのブリオッシュ・サレ


レーズンのクグロフ
レーズンのクグロフ
写真1
 キャラメル化したタマネギの風味がきいた食事系のパン。サンドする具材は野菜やチーズが向く。
【中種配合%】
小麦粉(カメリヤ)……………38
生イースト…………………………6
牛乳…………………………………27
【中種工程】
ミキシング……………L2分M2分
捏ね上げ温度…………………25度C
発酵………………27度C75%1時間
【本捏配合%】
小麦粉(カメリヤ)……………62
モルトシロップ ……………0・8
食塩……………………………1・6
砂糖…………………………………16
全卵…………………………………9
卵黄…………………………………3
レモンゼスト(レモン皮のすりおろし)……………………………1・5
バター………………………………6
牛乳…………………………………28
DOVレーズン(ブランデー漬け)………………………………………32
【本捏工程】          
ミキシング…………………………L4分H3分(バター投入)L2分H4分(DOVレーズン投入)L2分
捏ね上げ温度…………………27度C
一次発酵……………27度C75%45分
分割……………………450グラム
ベンチタイム……………………10分
成形………………………麺棒で中心に穴をあけ、クグロフ型(口径19センチ、底の直径13センチ、高さ9センチ)に入れる(写真1)
ホイロ………………30度C80%40分
焼成……………………175度C35分(焼成後、冷めたら粉糖をかける)
   ◇
ジョリン氏のコメント フランスのアルザス地方の伝統菓子だ。アルザス地方はドイツに近いので、クグロフという名前は半分ドイツ語から成り立っていると思う。一般的なクグロフとは、香りで差別化した。中種法とブランデー漬けのDOVレーズンがその香りのもととなっている。ミキシングでは、グルテンをよく繋げておく。そしてバターはスライスし、生地とよく馴染むように準備しておく。レーズンを投入すると生地が分離しやすいので、バターはしっかり混ぜ込んでおく。ミキシング時の生地温度は上昇しないように、必要であれば氷を入れたボウルで外側から冷やす。このとき、ミキサーボウルの表面にバターが付きやすいので、こまめにかき落とす。クグロフ型に塗る油脂はバターにすることで、風味がよくなる。



フィッグ・オリーブ・オニオンのサンドイッチロール
フィッグ・オリーブ・オニオンのサンドイッチロール
写真2
 キャラメル化したタマネギの風味がきいた食事系のパン。サンドする具材は野菜やチーズが向く。
【中種配合%】
小麦粉(ルスティカ)……………30
生イースト………………… 0・03
水……………………………20
【中種工程】
ミキシング……………L2分M2分
捏ね上げ温度………………24度C
発酵時間………24度C75% 12時間
【本捏配合%】
小麦粉(ルスティカ)…………70
生イースト………………4
食塩………………………2
オリーブオイル…………………8
カラマタ・オリーブ(刻み)……10
ミッションフィッグ(ダイスカット)…………………………………14
▼ローストオニオン……………10
水……………………………40
▼ローストオニオン
 タマネギをみじん切りにし、オリーブ油できつね色になるまで炒める
【本捏工程】
ミキシング…………L3分M5分(オリーブオイル、カラマタ・オリーブ、ミッションフィッグ投入)L2分
捏ね上げ温度……………24度C
一次発酵…………27度C75%1時間(パンチ)30分
分割………………… 50グラム
ベンチタイム……………15分
成形……………20センチの棒状
ホイロ……………32度C80%30分(ホイロ後、表面にオリーブオイルを塗り、平らになるように生地を軽くつぶす。生地の上にローストオニオン(配合外、スライスオニオンをカラメル化、写真2)とパルメザンチーズ(配合外)をのせ、15分休ませる
焼成………………220度C20分(スチーム注入)
   ◇
ジョリン氏のコメント タマネギのキャラメル化は充分に行う。キャラメル化されていないところが残っていると、焼成後焦げ臭さが出てしまう。トッピングの具材が生地の上にしっかりのるようにするためには、生地の上部をへこませておくといい。ただし、それはホイロ前に行うこと。ホイロ後に行うと、焼成してもへこんだままになってしまう。トッピング用のローストオニオンは、みじん切りではなく、スライスした状態のタマネギをカラメル化する。パルメザンチーズは、香ばしい食感を出すためのものなので、少量で構わない。



フィッグの全粒粉ロール
フィッグの全粒粉ロール
 米国では朝食によく食べられているパン。穀物を水に漬け込むことで食べやすい食感にしている。
【配合%】
小麦粉(カメリヤ)………………53
小麦全粒粉(スーパーファイン・ハード)………………………………47
小麦胚芽(ハイギーA)……1・5
インスタントドライイースト…0・8
食塩……………………………2・2
ハチミツ…………………… 5・4
▼パートフェルメンテ……………12
▼漬込み穀物 …………………全量
▼漬込みフィッグ…………… 全量水(漬込みフィッグに使用した水を使用)…………………64
【工程】
ミキシング…………L6分H3分(漬込みフィッグ投入)L2分
捏ね上げ温……………24度C
発酵…………………27度C75%30分(パンチ)30分
分割………………80グラム
ベンチタイム………………15分
成形………ブール形、好みでオーツ麦(配合外)をトッピングする
ホイロ……32度C80%50分〜1時間
焼成………200度C18分(スチーム注入)
▼パートフェルメンテ
フランスパン生地を一晩冷蔵で寝かせる
▼漬込み穀物
【配合%】
亜麻仁……………………11
ひまわりの種………11
ライ麦全粒粉(アーレグロープ)……………5・5
黒ゴマ……………………5・5
オーツ麦……………… 5・5
食塩……………………0・9
水………………………28
【作り方】
全ての材料を混ぜ合わせ、一晩浸漬する 
▼漬込みフィッグ 
【配合%】
コナドリアフィッグ(刻み)……19
水……………………………80
【作り方】
コナドリアフィッグを30分間水に漬け込む。使用するときは水をきる。漬込み水は仕込み水として使用する。コナドリアフィッグとは、刻んだフィッグの表面に米粉をまぶし、くっつきを防止したもの。
   ◇
ジョリン氏のコメント ミキシングでは、生地が薄くよくのびる状態になってからフィッグを入れること。ライ麦全粒粉とオーツ麦は浸漬することで、特に食感が良くなる穀物だ。漬け込みの際は酸味が出るのを防ぐために、水ではなく食塩水を使用する。



レーズンペーストとハーブのブリオッシュ・サレ
レーズンペーストとハーブのブリオッシュ・サレ
写真3
 ガーリックの風味と塩気がきいた、サクサクとした食感のブリオッシュ。
【配合%】
小麦粉(カメリヤ)…………100
インスタントドライイースト…1・2
食塩……………………2・4
砂糖…………………………15
バター(ダイスカット)…………50
全卵……………………40
牛乳………………………23
【工程】
ミキシング…………………L2分M3分(バター投入)M3分(バター投入)M3分(バター投入)M3分
捏ね上げ温度…………………26度C
一次発酵………………27度C75%45分(発酵後冷蔵庫で1時間程度冷却、または12時間冷蔵もしくは冷凍する)
ロールイン(バター対粉75%)…………3つ折り3回
成形………(1)生地を5ミリの厚さにのばし、40センチ×60センチにカットする(2)オレンジジュースで薄めたレーズンペースト(対粉6%)をシート生地に塗り、その上にすりおろしたパルメザンチーズ(対粉10%)、DOVレーズンのブランデー漬け(対粉6%)、生セージ(対粉1・2%)を均等にふりかける(3)[2]を巻き込み、幅5センチ(生地重量100〜110グラム)にカットして、直径7センチのカップ型に入れる(写真3)
ホイロ………………30度C80%1時間30分(ホイロ後、天然塩=分量外=を一つまみふりかけ、▼ローストガーリックを中央にトッピングする)
焼成………………180度C15分
▼ローストガーリック
【作り方】
(1)ガーリック4個の皮を剥き、天板に並べてオリーブオイル200グラムをかける。
(2)200度Cのオーブンで30分程度ローストする
   ◇
ジョリン氏のコメント サクサクとした食感に仕上げている。ローストガーリックのトッピングはびっくりするかもしれないが、天然塩とパルメザンチーズなどと相性がよく、おいしい。ガーリックは、イタリアやカリフォルニアの料理では一般的に用いる食材だ。ホイロ時は、変わった膨らみ方をする。上方向ではなく、主に横に広がるようにして膨らむ。膨らむ目安は大体2倍ほど。トッピングの時、ガーリックは、パン生地の上部を少しへこましてから、差し込むように入れる。レーズンペーストはそのままだとかたくて扱いにくいので、オレンジジュースでのばす。水でもいい。

原価計算女王
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