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| お店拝見/2003年7月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 荻窪人が集う - ル クール ピュー | |
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昨年2月、東京・杉並区荻窪に、洋菓子とパンの店、「ル クール ピュー」がオープンした。オーナーは、元ホテル日航東京総料理長の鈴木芳男氏。パンと洋菓子のテイクアウトのほか、24席のレストランもある。パン、洋菓子、調理のいずれにも深くかかわってきた鈴木氏のモットーは、3つの部門が単体でも十分に機能することだ。
住所 東京都杉並区荻窪5-16‐20 電話 03-5335-5351 営業時間 月〜金 午前7時30分〜午後9時、土・日 午前9時〜午後8時 定休日 なし |

| 鈴木さん流のヨーロピアンが荻窪の街の日常になった。 | |
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「洋菓子を週に何回食べますか? 週に1回も食べないでしょう。パンを作ることによって日常性が出てくるんですよ」。鈴木さんはこう切り出した。「日常的にパンを買いに来ていただき、そのうちの何回かは洋菓子も買っていただく、というのがひとつの理想形なんです」
同店を特徴付けるキーワードのひとつは「日常性」だ。荻窪という街、荻窪という街に集ういろいろな人たちになくてはならない店、を目指している。 取材日は日曜日の午前。パンと洋菓子が並ぶスペースには、主婦と思われる人が販売スタッフと話をしながら、パンや洋菓子を購入している。夫婦と思われる人や、休日のブランチを買いに来たと思われる若い女性もいる。一方で、一見して学生とわかる若い男性が、クロワッサンをひとつだけ買っていく。 奥のレストランでは、ちょっとだけおしゃれをして、午前のティータイムを楽しむ子供連れの家族。気の合った仲間どうしで、話に夢中になる女性のグループ・・。それぞれが思い思いの時間を楽しんでいる。 幅広い年齢層の人たち、様々な職業の人たちが、それぞれの思いを抱いている店・・。ル クール ピューは、そんな感じの店だ。 オープン1年にして、荻窪の人たちの生活シーンのひとつに自然な形でなり得た理由は何か。 「荻窪は長いんですよ」。鈴木さんはそういった。「馴染みの店も多いし、いろいろな人たちとの付き合いの中から自然とこの場所の空気みたいなものが染み込んでしまいました」 さらに「流行はまったく意識せずに店作りをしました。コピーはタブーです。これまでいろいろなものに接し、吸収してきたことを自分の中で消化し、その上で自分の中から自然に出てきたものを形にしたということなんです。話は簡単なんですよ」。 売上の柱となる商品を戦略的に作ることをしないのも、鈴木さんの方法論のひとつだ。パン、洋菓子、レストランの各部門が単体でも成り立たなくてはならないと考えているのと同じように、各商品も単体でも成り立たなくてはならない、と鈴木さんは考えているのだ。 |

| 「おいしさは感じるもの。食べる人の中に存在する」
「おいしさは絶対的なものではなくて、人それぞれが感じるものです」。鈴木さんはこうもいう。こうした事実を認めた上での鈴木さんの「おいしさの作り方」の方法論のひとつはこうだ。
「味を表現する言葉を考えてみてください。『柔らかい』『甘くない』『甘い』『すっぱい』などそんなに多くはないでしょう。マグロの刺身だったらどうですか。『脂がのっていておいしい』なんかがありますよね。要するに食べる人に何と言わせたいかをはっきりさせることが重要だと思うのです。そして、食べる人が期待するより少しだけ、上等なものにできたらいいわけですよ」 |

| パン、洋菓子、料理のそれぞれに存在感がある。 | |
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JR中央線・荻窪駅を降りて、地元商店街を入ってすぐの場所に「ル クール ピュー」はある。
パンは、店舗正面の、通りに面した棚に陳列され、通りからガラス越しに見えるようになっている。「パン・オ・ショコラ」(180円)、メロンパンに似た「シャポー」(150円=10ページにレシピを掲載)、「こしあんパン」(100円)などがセンスよく陳列されている。 入店して左手が洋菓子のショーケース。右手には、サンドイッチのショーケースやパンと焼き菓子が並ぶ棚などがある。 壁面のかなり高い位置にも飾り棚があって、アンティーク小物などが飾られている。旅行好きの鈴木さんが、世界各国で買い集めたものだという。 一番奥がレストランのスペースで、席数は24。 パン、洋菓子、レストランの各部門がそれぞれに役割を持ち、しっかりとかみ合っている。 |

| 野菜や果物をこれまでにはない形で使いたかった。 | |
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鈴木さんはいま「料理なお菓子」に取り組んでいる。
たとえば「テキャロット」(380円)。にんじんのフォンダンの上に軽くキュイして(煮て)、スパイスが入ったシロップに漬けたにんじんがトッピングされている。にんじんのほのかな甘味に、クミンが心地よいアクセントをつけて、「にんじんはこんな味だったんだ」と気づかせてくれる商品だ。 トマトを丸ごと使った菓子もある。「シュープリーズ」という商品で、価格は380円。中をくり抜いたトマトをシロップ漬けにして、ナッツやドライフルーツを入れ、その上からクリームを流し入れたもの。 鈴木さんは「野菜や果物をこれまでとは違った形でお菓子の材料として使いたいと思いました。簡単に言うと『健康的なイメージの洋菓子』を作りたいと思ったのです」と話す。 ◇ ル クール ピューは、店舗面積が40坪。そのうち、パンと洋菓子の販売スペースが10坪。レストランのスペースが10坪。厨房が20坪。製造は、パンが3人、洋菓子が3~4人、調理が2人の態勢(一定期間ごとにシフトして全員がすべての部門を経験する)。 日商は、パン、洋菓子、レストランあわせておよそ30〜45万円という。 |
| メロンパンとはちょっと違うメロンパン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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シャポー
卵と牛乳で仕込んだパンのソフトな食感とビスケット生地のさくさく感のハーモニーがセールポイントの商品。バニラの香りもポイント。 【配合%】
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▼ビスケット生地 【配合グラム】
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| シンプルでリッチ、不思議な味、サンドイッチにも使用 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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ロール
「シンプルで、リッチ」という不思議な感じのする商品。ル クール ピューでは、サンドイッチ用のパンとしても使用している。 【配合%】
【工程】
※ホイロ後、塗り卵をする。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
| ミックスハーブ、ドライトマトなどが入った人気の食パン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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パンドミエルブ
胚芽、ミックスハーブ、ドライトマトが入ったル クール ピューの人気商品のひとつ。 【配合%】
【工程】
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