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| お店拝見/2011年7月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 老舗ベーカリーが華麗に転身‐カフェ・ド・クルー北久里浜本店 | |
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神奈川県横須賀市にあるカフェ・ド・クルーの前身は、1924年(大正13年)に設立されたホウトーベーカリー。創業時は軍隊にパンを卸していた。戦後は学給パンに移行したが、1975年を境に、米飯給食の導入もあって、パン給食の食数が減少し始めた。横須賀もかつては週5回のパン給食であったが、今では週2・5回に半減した。工場の稼働率は下がり、パン給食の復活は望むべくもない。森勇人社長は学給パンから市販パンへの転換を決意した。社長自身が軽井沢の浅野塾で学び、1989年(平成元年)5月に現在地にオープンした。今年創業87年を迎えた老舗ベーカリーの大きな転身だった。
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| 差別化が地産地消に結びつく | |
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カフェ・ド・クルーのキーワードは「差別化」だ。「他店と差別化して生き残るには」と考えたことが、ヒット商品の「よこすか海軍カレーパン」誕生のきっかけとなったからだ。
カレーパン誕生の最初のきっかけは、3年前に平塚のベーカリーが横須賀で「玄斎カレーパン」として1日に2000個も販売していたことだ。 「驚きでした。まさか『横須賀海軍カレー』というブランドがそれほどすごいものとは思わなかった」と森柾人専務は話す。 カフェ・ド・クルーでも、カレーパン作りに取り組むことになったが、既に「よこすか海軍カレーパン」は、5〜6軒のベーカリーが製造・販売をしていた。 同店がカレーパンの特徴を出すには差別化を考えねばならない。そこでとられた方法が、国産小麦(内麦)の使用と米粉の利用だった。米粉は内麦対比で20%配合した。米粉といっても、海老名市の酒造会社が吟醸酒を作る際にでる白ぬかのことで、つまりは酒米粉だ。この酒米粉を使うことで、もちっとしてサクサク感のある特徴的な生地が出来上がった。 カフェ・ド・クルーだけが使えるオンリーワンの酒米粉だが、あくまでも醸造過程で出来る副産物で、二次利用を考えてはいない。製粉企業が挽く米粉とは異なり、品質にバラつきがあるため、製造に当たっては、毎回吸水に気を使わなくてはならない。「うちの技術者でないと使えません」(森専務)。商品化には苦労が伴ったが、日々の努力が実って、開発に成功し、1個210円で販売を始めたのが、2年前の5月。 そして、昨年10月に開催された「第1回日本全国ご当地パン祭り2010」で、「よこすか海軍カレーパン」は1位となった。 11種類のスパイスを調合した特製カレーと、特徴のあるパン生地、それに、夏季には横須賀で収穫される玉ねぎ、人参、じゃがいもといった地場の農産物を使用することも評価の対象になったのではと思われる。「差別化」が地産地消にも結びついたのだ。 |


| 企業努力を地域活性化に | |||||||||||||
店の食パンの技術的な基礎となるのが「グルメ食パン」(1斤231円)。はちみつがタップリ入っているうえに、通常の強力粉に加え、小麦の表皮が入った粉を混ぜている。そのままでも甘くておいしいが、トーストすると香りが立ってくる。天然酵母を使用した「クルー食パン」(1斤315円)は風味があり、表面はパリッとして中はふんわり。無添加なので素材そのものを味わえる。「美味(うま)食パン」(1・5斤525円)は、水を一切使わず、生クリームと牛乳だけで仕込む。濃厚で味わい深い商品。「チョッピリ高級志向」も満足させられる。これらは柔らかで甘さを好む地域の嗜好に応えた商品といえる。 学給パンから市販パンへと大きく舵をきった老舗ベーカリーが求めた「差別化」は、自分たちだけではなく、地域の生き残りにも貢献しそうだ。 | |||||||||||||

| SHOP DATA
店名 カフェ・ド・クルー北久里浜本店
住所 神奈川県横須賀市根岸町3−2−4 電話 046−835−6555 営業時間 午前9時〜午後6時 定休日 水曜日 品目数 80品目 店舗面積 販売スペース20坪、厨房40坪 スタッフ 製造社員4人、パート延べ25人 日商 約20万円 |
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