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| ここにもパンの現場/2011年6月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| パン文化の成熟化がもたらしたホームメイドパン人気 | |
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ここ数年来、主婦を中心に大人気となっているのが、自宅で手軽にパン作りができるホームベーカリー。従来のホームベーカリーでは焼き色や味などの部分で、どうしても手で捏ねてオーブンで焼いたパンにかなわなかったが、最近のモデルではこうした欠点をクリアしており、なおかつ小麦粉以外にも米粉も使用できるなど、より多彩なパン作りが可能となっている。
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| ホームベーカリーの発達でパン作り愛好家が急増 | |
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そんなホームベーカリー人気に支えられ、最近では主婦のみならず、若い女性や男性たちの間でも自宅でパン作りを楽しむ人たちが急増しているという。
特に、活況を呈しているのがパン教室。大手パン教室のひとつホームメイド協会(東京・中央区)では、独自のパン製法によるレッスンや全国展開のネットワークなど、大手ならでは強味を生かしたカリキュラムで10〜70代の幅広い年齢層のパン作り愛好家たちに人気を集めている。 独自のパン製法によるレッスンについては、手早く失敗の少ない製法を伝授するという同協会の理念に則ったもので、円滑なグルテン生成を促す材料の捏ね方や水を一切使わず果汁で生地を作る天然酵母パンの製法など、同協会でしか得られないノウハウが魅力だ。また、粉末のアーモンドと砂糖、卵白を捏ねペースト状にして洋菓子の装飾に用いる「マジパン」の製法も教えている。 全国展開のネットワークについても、 北海道から九州まで全国に100カ所以上の教室があり、どの教室も同じクォリティーのレッスン内容を維持している。さらに、転勤や引っ越しによる教室の変更の際にも、継続して同じレッスンを受けることができるという。 |

| 安全志向の高まりも人気の一因 | |
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東京・自由が丘にある「クオカショップ自由が丘本店」は、そんなパン作りの愛好家御用達のショップ。パンやお菓子作りの材料や道具の専門店である同店には、プロ顔負けの多種多彩な商品がセンス良くディスプレイされ、自由が丘という土地柄にマッチしたオシャレな空間は、たとえ自分でパンを作らなくとも覗くだけでも楽しい空間となっている。
同店を運営するクオカプランニング、マーケティング部の石原寛子さんは、パン作り愛好家の急増の背景について、次のように話す。 「当店はオープンしてまだ10年にも満たないのですが、売り上げは伸び続けていますし、自宅でパン作りを楽しむ方が増えているという実感はありますね。背景としてはホームベーカリーの普及という要素も大きいのですが、社会環境の変化による内食化や安心・安全への意識の高まりも大きいと思います。材料を自分で選び、自分の手で作る食事に安心感を抱く方が増えているのではないでしょうか」 ただ、いくら気軽に自宅でパン作りができるといっても、有名店のパンと比べて味は劣るだろうし、パン好きならなおさら味にはうるさいのではないだろうか。そこまでして、自宅でパンを作ることにこだわるメリットとは何だろうか。 「やっぱり、焼きたてを食べられるということですね。有名店のパンといえども、自宅に持ち帰れば焼きたては食べられませんから。ですので、来客などの際には有名店のパンでおもてなしをして、朝食など普段食べる分にはホームメイドパンといった具合に使い分けている方もいらっしゃるようですね」(石原さん) |

| 自宅でのパン作りにハマる女性たち、そして男性たち | |
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石原さんによると、パン好きには2種類あるそうだ。1つはパンを食べるのが好きな層。美味しいベーカリーを見つけては、食べ歩くといった人たちだ。
2つ目はパンを食べるのはもちろん、作るのも好きな層。料理オタクと言っていいような人たちで、レシピと首っ引きでプロ顔負けの凝ったパンを作る人たち。 ひと口に「パン好き」といっても多種多様なのだ。 「当店では一番多いのは、30〜40代の主婦の方ですね。ホームベーカリーや手捏ねで気軽にパン作りを楽しんでいらっしゃいます。また、男性のお客様も結構いらっしゃって、とにかく本格的なパンを作りたいという方が多いですね。定期的に店内でパン教室を開催していますが、いつも大盛況なんですよ」(石原さん) パン作りに必要なものはおおよそ全て揃ってしまう同店の品揃え。イーストや酵母、粉類、乳製品、調理器具の数々には、料理好きならオタク心がくすぐられてしまいそうだ。 粉類は一般的なものからプロ仕様まで、さらに同店オリジナルの小麦粉まで揃っている。 調理器具も、パンにカットを入れるためのクープナイフや型押しに使うカイザースタンプなど、プロのパンに劣らないものができてしまいそうな気になる。 「パン作りの魅力にハマって、道具をそろえていくうちに家族が驚くほど上達してしまったというお客様も多いんですよ」と石原さんは笑う。 |
| 有名店や人気店がパン教室を開催する理由 | |
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自分でパンを作るといっても、食パンやバターロールなどのシンプルなパンなのだろうと思っていたが、ホームメイドパン愛好家はクロワッサンやベーグル、バゲット、カンパーニュなどといったいわゆる「プロのパン」まで作ってしまう。かようにパン作りとは奥深いものなのだ。
しかし、クオカのように専門的な材料や道具が揃った棚を見ていると、逆に初心者には敷居が高すぎてパン作りに取り組もうという気持ちが萎えてきそうな気もしないでもない。 「確かに、そうした側面もあると思います。特にパン作りは湿度や温度など微妙な部分が大切なので、初めて作ると上手くいかない、失敗してしまう、ということもあるでしょう。当社としてはホームページに詳しいレシピを掲載したり、お店でもパン作りに最低限必要な材料をワンパッケージにして販売したりするなど、初心者のお客様にパン作りの楽しさを伝えるよう努めています」(石原さん) パン作りを楽しむ人たちが急増する中、大手パン教室以外にも、有名店や人気店なども独自にパン教室を開催しているという。自宅でパンを作る人が増えれば、ベーカリーのお客が減ってしまいそうな気もするのだが…。 「自分で本格的なパンを作ることができるといっても、お店のパンは職人の技術や窯などの違いで、やはりホームメイドパンと比較して圧倒的に美味しいんです。自分で作る方ほど、お気に入りのパン屋さんがあるものです。こう考えると、パンの作り方を教わることによって、パン屋さんのパンの美味しさを再認識するということもあるかも知れませんね」と、石原さんは言う。 美味しいパンを食べるだけでなく自分で作る、そして自分で作ることによって改めてパン職人のパンの魅力を知る――ホームメイドパンの人気は、日本におけるパン文化の定着・成熟化がもたらしたものだと言えそうだ。(M) |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。














