リラックスして来店できる店-ピーターパン 小麦の丘店 - ブランスリー電子版

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お店拝見/2011年3月号

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リラックスして来店できる店-ピーターパン 小麦の丘店
「焼きたてです」とスタッフの声が響く活気に満ちた店内
小麦の丘店で売上げ2位を誇る「石窯ピザ」(189円)は入り口すぐの棚に並ぶ。焼きたてを客の目の前でカット
平日の午後3時をまわっても、客足が耐えない
入り口横には、無料で楽しめるコーヒーコーナーとオーブンがある。コーヒーと焼きたてのパンが目の前にあり、購買意欲を刺激する
 「やっぱり、何と言っても安いでしょ」と話すのは、孫と週に1、2回来店するのが楽しみだという女性。帰りに、近くに住む2人の娘家族それぞれに、土産用のパンを買うのが習慣だという。
 平日の午後1時半、千葉県八千代市のピーターパン小麦の丘店のテラス席は、パンを頬張る家族連れや子どもを連れた母親などで賑わっていた。
 無料サービスのコーヒーを片手に、焼きたてのパンを頬張る客は皆、リラックスした様子。一人で来店した男性のサラリーマンも、「気軽に寄れるところが気に入っています」と話す。
 店内に入ると、「いらっしゃいませ」の挨拶と共に、「カレーパンができあがりました」というスタッフの声や、「パンダのパンがあるよ」とはしゃぐ子どもの声が聞こえてくる。その活気に包まれ、購買意欲が一層沸き立てられる。
 店内が活気に包まれているのは飛び交う声のせいだけではない。テラス席やコーヒーコーナーの掃除をしたり、両手のふさがった客に対し、ドアを開けに行くなど、約20人のスタッフが生き生きと動いている。テラス席の客の姿がリラックスした様子であるのも、スタッフの目配りが行き届いているからなのだろう。
 平日は70万円、土日は130万円も売り上げる人気の同店だが、売上げのピークを迎える昼時でも、客の流れはスムーズだ。
 しかし、「スタッフそれぞれの持ち場は、製造、販売以外の細かいことは特に決めていないんです」と、同店でスタッフのシフトや商品の動向などを管理する役割のトレーナー、中島健太さん。
 中島さんは、スタッフが自主的に動ける環境作りのために、シフト表を目立つところに貼っている。製造と販売の各スタッフが、何時に何人いるかが一目でわかる表だ。
 「スタッフ全員に、業務に入る前にシフト表を見てもらいます。その日1日のスタッフの配置をイメージしてもらうためです。そうすれば、手の足りないところを予測して動くことができるので、ピーク時でも周りに目が行き届く余裕を生み出すことができます」
 一方、製造に関しては効率を重視して、分業していることがある。デニッシュ類などのトッピング作業だ。
 「トッピング作業は時間がかかりますし、慣れが必要です。しかし、パンを作る技術は必要ありません。トッピング専門のスタッフを配置することによって、パンの製造技術を持ったスタッフの手を効率的に使うことができるんです」



定番商品は改良を重ねる
購入した焼きたてのパンはテラス席ですぐに食べられる
平日は30回、土日は40回揚げる「自家製カレーパン」(136円)
午前に2回、昼に1回、午後2回と1日に6回焼きたてを提供する「八千代あんぱん」(136円)。クリームパンも同様に6回焼きたてを提供する
子どもの目線の高さにある棚には、動物をモチーフにした製品が並ぶ
 同店は、09年10月にオープンした。千葉県を中心に展開するベーカリー、ピーターパンの5店舗目となる。
 テラス席で会話をする客からは、「ここにもできたんだね、ここもいい店だね」との声も聞こえ、同ベーカリーの他の店舗の常連客が、新たな常連客となるケースも増えてきている。
 その常連客の胃袋を掴んでいるのは、「自家製カレーパン」や「クリームパン」、「八千代あんぱん」。3商品とも136円という低価格で、近くにある大手スーパーのインストアベーカリーよりも安い。同店から約15キロ離れた小麦の郷店で5店舗分をまとめて製造することでコストを抑えた。
 小豆は北海道の十勝産、卵は千葉県産と、材料の品質と、自家製であることにこだわっている点も、人気の理由の一つ。
 「去年の春頃から、卵は地元千葉県産のものを使用しています。昨年夏期に、豚肉、卵、全粒粉、野菜と使用材料の全てを千葉県産にした『ミルフィーユサンド』を限定販売したのですが、その人気ぶりからも、県産食材を重視するお客様が多いと感じました」
 フィリングの味付けに関しては、ピーターパン社長の横手和彦氏が、1号店のオープンからこれまでに何度も改良を重ねている。また、カレーパンのカレーは、甘口で子どもでも抵抗なく食べられる味付けだが、夏期は一味唐辛子を少し入れるなど、季節によって微調整する。定番商品の人気を不動のものにするためには、こうして変化し続けることが必要なようだ。



スタッフの個性を伸ばす配属
トレーナーの中島健太さん(写真左)と、販売担当の田端聡子さん(写真右)
「今までお客様の死角となっていたスペースに、季節のイベントコーナーを設けました。商品だけでなく、飾りつけをして目を引くように工夫しています」(田端さん)
「ベーコンエッグサンド」(262円)の卵は千葉県産。ほか、クリームパンのフィリングにも、千葉県産の卵を使用
同店にある石臼で挽いた、北海道十勝産の小麦を使用した「全粒粉バゲット」(241円)
 共通のフィリングを使うなど、ピーターパンの全店には、基本的には同じ顔ぶれのパンが並ぶが、小麦の丘店にだけあるのが、全粒粉を使った商品。全粒粉は北海道十勝にある前田農場で栽培された小麦「ホクシン」を、同店にある石臼で挽いたものだ。
 石臼は、客から窓越しに見える場所に設置されており、その窓に貼られた「まえださんの小麦をめしあがれ」と書かれたイラスト付きのポスターが目を引く。さらにテラス席横では水車が回っており、食べに来るたけでない、来店することの楽しみを感じさせる。
 小麦の丘店に、オープン時から配属の販売担当の田端聡子さんは、「石臼のポスターを書くために、小麦の丘店にきたようなものです」と笑う。
 田端さんは、ピーターパンに勤務して6年。「上司の方が、各スタッフと定期的に面談してくれるので、自分の個性が伸ばせる場所を、スタッフそれぞれがわかっているんだと思います」と田端さん。小麦の丘店のオープン時も、スタッフ一人ひとりの力が伸ばせる場所であるかどうかを入念にチェックして、担当を決めたという。
 小麦の丘店には、スタッフが伸び伸びと力を発揮している姿がある。だからこそ、「気軽に来れる」と、客もリラックスして来店できるのだろう。



SHOP DATA

店名 ピーターパン 小麦の丘店
住所 千葉県八千代市村上南4‐18‐1
電話 047‐481−3401
営業時間 午前7時〜午後7時
定休日 木曜日
品揃え パン80品目、焼き菓子20品目
店舗面積 厨房55坪、販売スペース28坪
スタッフ 製造10〜14人、販売7〜12人
日商 平日約70万円、土日祝日120万円



原価計算女王
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