本格化や洋風化など、多様に展開するカップラーメン - ブランスリー電子版

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食のトレンドを追う/2010年2月号

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本格化や洋風化など、多様に展開するカップラーメン
リニューアルも含め、1年で膨大な数の新商品が発売されるカップめん市場。日清食品は約300種、明星食品は約100種の商品を発売している
 日本人1人が平均年間40食を消費する――日本の国民食にまで成長したカップラーメンは、街のラーメン屋さんで食べるような本格志向品や、有名ラーメン店やラーメン評論家とのコラボ商品などの高級志向品などが主流となり、さらには洋風スープやチーズ入りなど多様化も進み、もはや「ラーメン」というジャンルを超えた食べ物に変身している。



戦後の日本人の食生活を支え国民食に成長
日清食品「カップヌードル マイ・レンジタイム」の「リッチカレーヌードル」は濃厚なデミグラスソースとトリュフをペーストに使用
「オニオングラタン風ヌードル」はオニオンのコク深い甘さとチーズの濃厚さが特徴
 1971年の「日清カップヌードル」を発端とし、中華めん、うどん、焼きそば、パスタを含む即席めん(カップ入りインスタント麺)市場は、商品の多様化で幅広い層の支持を取り込み発展してきた。しかし、現状は短いサイクルで膨大な数の新商品を発売する一方で定番として定着する商品が少なく、競争も激しい。シェアは、日清食品、東洋水産、サンヨー食品、明星食品、エースコックの上位5社がほぼ独占。
 「富士経済」の09年市場調査によると、08年は値上げによる買い控えや低価格のPB(プライベートブランド)の増加などにより市場は4年連続のマイナス。一転、09年は値頃感のある商品やPB人気の一方でナショナルブランドの健闘があり、市場は前年を上回りそうだ。
 また、世界ラーメン協会(会長・安藤宏基日清食品ホールディングス代表取締役CEO)のデータによると、08年の即席めん消費量は全世界で936億食。1位の中国・台湾451・7億食、2位インドネシア137億食に続いて3位の日本は51億食で、日本における「即席めん」の国民食ぶりがわかる。



ラーメンの地位向上とメーカーの技術革新がカギ
日清食品「全麺革命」の3ブランド「日清太麺堂々」
日清食品「全麺革命」の3ブランド「日清麺職人」
日清食品「全麺革命」の3ブランド「日清のどん兵衛」
日清食品「全麺革命」の3ブランド「日清のどん兵衛」
 多様なカップラーメンの製造が可能となった背景には、油で揚げないノンフライ麺の技術開発が進んだことがある。麺の技術レベルはこの10年で飛躍的に向上し、従来のフライ麺のスナック感がなく、店で食べるラーメンに近い食感に近づいたことで有名ラーメン店とのコラボも可能となった。
 また、以前はラーメンがグルメの視点から注目されることはなかったが、「フレンチやイタリアン、和食などの異分野の料理人がラーメン業界に参入してきたことで調理方法や素材にこだわるという異分野の要素が加わり、斬新なラーメンが生み出されていった」(跡部氏)ことでラーメンのグルメ性が追求され、料理としてのラーメンの地位が向上した。さらに料理人らとのコラボレーションを通じて、カップラーメンの多様な商品展開にもつながった、という流れがあるようだ。



ラーメンの地位向上とメーカーの技術革新がカギ

明星食品から2月8日に発売予定の「明星 バリカタ細麺 とんこつ」
「明星 バリカタ細麺 しょうゆ豚骨」は、お湯を注いで1分で食べられる
 多様なカップラーメンの製造が可能となった背景には、油で揚げないノンフライ麺の技術開発が進んだことがある。麺の技術レベルはこの10年で飛躍的に向上し、従来のフライ麺のスナック感がなく、店で食べるラーメンに近い食感に近づいたことで有名ラーメン店とのコラボも可能となった。
 また、以前はラーメンがグルメの視点から注目されることはなかったが、「フレンチやイタリアン、和食などの異分野の料理人がラーメン業界に参入してきたことで調理方法や素材にこだわるという異分野の要素が加わり、斬新なラーメンが生み出されていった」(跡部氏)ことでラーメンのグルメ性が追求され、料理としてのラーメンの地位が向上した。さらに料理人らとのコラボレーションを通じて、カップラーメンの多様な商品展開にもつながった、という流れがあるようだ。

リピーター獲得のためのヒット商品作りが重要

 1年間で発売される膨大な数の新商品の中で、1つでも多くのアイテムを定番商品として生き残らせるため、メーカーは知恵を絞っている。
 明星食品で2月1日から全国発売予定の「明星 ラーメンの底力 太麺と濃厚みそ」は、濃厚さが味わえる半面、しつこくなりがちという味噌味の課題を克服した。麺は現在主流のノンフライの太麺。特許を取得した「スーパーノンフライ製法」は、うどんやパスタにも対応していく予定だ。スパイスを加え香りと味わいを良くし、「食べ終わり」をすっきりとさせることで年配層にも受け入れられ、リピート買いを狙う工夫がある。
 日清食品が力を入れているテーマは、「麺の追求」。カップめんの旨さを追い求め「極太麺」に行き着いた。昨年8月より「日清麺職人」を先駆けにブランド横断プロジェクト「全麺革命」を展開中だ。09年9月から11月にかけて試食キャラバンを全国各地に派遣し、10万人を超える人々が試食体験をした。

世相を反映する食べ物がカップラーメン

 味付けは多様化する一方のカップラーメンだが、中心価格帯は200円前後に集中している。「3〜4年前は、豪華な具材の300円前後の高価格商品が多く出回りましたが、続きませんでした。どんどん安くなる外食産業も競合相手になってしまったことが要因でしょう。今は200円前後の商品が多いですが、それくらいが現在のカップラーメンの役割なのでは」(跡部氏)
 確かに250円がひとつの境界線で、それ以上の価格の商品は多くない。世の中のトレンドや景気に合わせて価格や内容が多様に変化するのがカップラーメンなのだ。中でもユニークなのは環境に配慮した商品として07年から発売中の「カップヌードルリフィル(詰め替え用)」と専用カップ。簡便性というカップラーメンの特徴と相反する面もあり、定着するか否かはわからないが、確かに世相を反映している。(U)

原価計算女王
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