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| 同店で販売されている、使用材料が100%インドの「ベジタリアン」向きの食品であるというマークが付いた菓子袋 |
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| スパイスのパッケージにも、ムンバイパンの写真が掲載されており、ムンバイの定番の料理だと伺える |
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| アンビカトレーディング社長のヒンガル・ニッティンさん |
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| インド食材輸入卸会社「アンビカトレーディング」のオフィスビルの1階にあるインド食材店 |
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東京・台東区にあるインド食材店で販売している「ムンバイパン」。インド料理というと、ナンやチャパティなど、平べったいパンをイメージする人が多いのではないか。しかし、インド西南部のムンバイで食されているムンバイパンは、それらと一線を画す。6〜8センチほどの高さがあり、食感はふんわりとやわらかい。
増加を続けるインドの総人口は、中国に次いで世界第二位だ。国連の推計では2050年までに約15億人に達し、中国を超えるとされている。
来日するインド人の数も年々増えており、1991年の3653人から、2009年には2万2858人と、約20年間で6倍以上となっている。
「ムンバイパン」を販売しているインド食材店は、運営元のインド食材輸入卸会社「アンビカトレーディング」のオフィスビルの1階にある。
同社の社長ヒンガル・ニッティンさんは、約20年前に来日した頃のことをこう振り返る。
「来日したとき、私の周りのインド人は、日本での食事に困っていました。私もそうですが、インド人には、インドのヒンドゥー教の定義に基づく『ベジタリアン』が多いんです。『ベジタリアン』は、卵など、主に材料に動物性たんぱく質が使われているものは食べられません。インドから輸入した食品なら安心して食べられるのですが、当時、日本のスーパーにはほとんどなく、苦労しました」
こうした実情と、「イメージではない本物のインドの食文化を日本に提供したい」という思いから、ヒンガルさんは13年前、同社を立ち上げた。
オフィスを東京・足立区から、問屋が多く集まる現在の場所に移し、1階に食材店を構えた。
現在卸業務で取り扱う食材の数は約500品目。約9割がインドからの直輸入品だ。これだけの種類のインド食材を扱う会社は、日本国内では珍しい。その中でも日常よく使う品が、食材店では売られている。地方に住むインド人が上京した次いでによく来店する。
店舗は、業務用でなく個人向けに運営しているので、インド人の主婦がスーパーに来る感覚でよく買い物に訪れる。
そんな同店で販売を始めたのが、「ムンバイパン」だ。ヒンガル社長が、「故郷のムンバイでよく食べていたパンを食べたい」と、近隣のベーカリーに依頼した。試作を重ねて完成し、現在はほぼ毎日、昼前に店舗に届けられる。
ムンバイパンは、6センチ四方の四角型のパンが8つ、2列に連なった形に成形されている。ムンバイでは、1人1食あたり2〜3つほど、家族で取り分けて食べるそうだ。
味はしっとりとしていてやわらかく、飽きのこないシンプルな味。ナンやチャパティよりもクセがない。
ヒンガル社長は「卵など動物性たんぱく質が入っていないことも大事だが、この形状が一番のポイントです」と話す。ムンバイパンは高さがあるので、真ん中で割り、中にスパイスで炒めた豆や野菜などをバーガー風にサンドして昼食や夕食によく食べる。朝食では、バターを塗ることが多いという。牛乳やバターは、卵と違ってインド人の多くが食べられる動物性食品の一つ。
チャパティは全粒粉と水、塩、ギーという油を使って、30分ほどで作ることができる。インドの一般家庭では、チャパティは作るが、ムンバイパンはほとんど作らず、店で買うのが一般的なのだという。
ムンバイパンのほか、「バーガーパン」や「ミニピザベース」など6種類を予約販売しており、インド人が購入していいく。形や味は日本のパンと変らないが、「ベジタリアン」が食べられる材料のみで作っているという安心感があるからだろう。
日本のスーパーやベーカリーでも、インド人など、ベジタリアン向きの食品は扱っている。しかし、説明がなかったり、説明があっても言葉がわからないなどの理由で、購入できないのが本音のようだ。