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| お店拝見/2011年1月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

| ちらりほらりといるありがたい客の存在 | ||||||||||
「近所のフラダンス教室に通っているお客さんが、100人近くいる他の生徒さんたちに広めてくれました。今では小学生の子どもを持つ30代の主婦を中心に、60代の女性まで幅広い年齢層の人が買いに来てくれます。このようにして広めてくれるありがたいお客さんが、ちらりほらりといるんです」 現在、製造と販売を田中シェフが一人で行っている。わずかな睡眠時間で一日のほとんどの時間、パンと向き合っている。しかし、「休むのも忘れてしまうくらい、パンを作るのが好き」と話す田中シェフの表情からは楽しさが溢れ出ている。 「ちらりほらりといるありがたい客」というのは、こうした田中シェフのパン作りへの情熱が生み出しているのだろう。こんなエピソードもある。 「初めての来店のとき『こんな見た目じゃないわ』などと、とにかく嫌なこと言うお客さんがいました。パンの説明をしても、聞く耳を持たないといった様子でした。それでも、また来てくれたんです。『本日のパン』として、毎日違うパンを作っているのですが、『明日は何作るの?』って聞いてきてくれて。そこから次第に打ち解けていったような気がします。今では、長年通っていたほかのパン屋さんに行かなくなったって言って、常連さんになってくれました」 東京・世田谷は、下町とは違って気位の高い人が多く住んでいる。そのような環境で新しく常連客を作っていくのは容易なことではない。また、オープンした直後は興味本位で来てくれても、その次に繋げる何かがなければ、再来店はなく、クチコミが広がることもない。 「最初は嫌なことを言っていたお客さんが、おいしいと言ってくれたり、褒めてくれるようになった瞬間が、一番うれしくて、やりがいを感じるんです」 ベーカリーではよく、常に80点以上の出来を維持することが大切だと言われている。しかし、田中シェフは常に100点を目指すと言う。 「100点は今出せなかったら、いつでもどんなときでも出せないという気持ちで作っています」 田中シェフは高校生時代、ボクシングに打ち込んでいた。 「ボクシングは試合の途中で休憩がありますが、この場所に立っている間は常に全力です」。厨房に立ち、客にパンの説明をしたり会話をする姿からは、楽しさが溢れ出ている。 | ||||||||||

| 気持ちの和むパン屋を目指す | ||||||||||
田中シェフがパン作りに魅了されたきっかけは、学生時代に宮崎駿監督の映画「魔女の宅急便」を観たこと。「映画の中に出てくるパン屋さんが、店主も商品も店内もすべての要素がとても温かくて、人を包みこんでくれる存在だと感じた」のだという。 「パンがおいしいことはもちろんですが、スタッフみんなで、気持ちの良い挨拶ができることを大事にしています」 東京・三鷹市の三鷹の森ジブリ美術館に12月1日から26日までの期間限定で、田中シェフをはじめ同店のスタッフらが製作した飾りパンが展示された。今年の同館のクリスマス装飾のモチーフ、「麦」と「パン」を装飾に取り入れたい、という相談があり、依頼を受けたのだという。 宮崎駿監督の映画から、パン職人を志すきっかけをもらった田中シェフ。今回は、同館を訪れた人々に飾りパンで目を楽しませ、パンの温もりを伝えている。 ※ジブリ美術館は日時指定予約制、同館のクリスマス装飾は2010年12月26日(日)まで。 | ||||||||||

| SHOP DATA
店名 TOLO PAN TOKYO COFFEE&BAKERY
住所 東京都世田谷区代田5‐3‐1 電話 03‐5787‐6732 営業時間 正午〜午後11時 定休日 火曜日 品目数 35種類 スタッフ 3人 |
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