「食べるラー油」だけじゃない!? / 「ご当地調味料」に要注目 - ブランスリー電子版

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食のトレンドを追う/2010年12月号

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「食べるラー油」だけじゃない!?
「ご当地調味料」に要注目


食べるラー油はいまだ人気が衰えないが、一方で、その土地の素材や食文化を繁栄した「ご当地調味料」がブームである。調味料といえば「醤油かソースか」という時代はすでに遠い過去。今やいつのまにかゆず胡椒が全国区になっていたりと、調味料のラインナップはどんどん豊かになっている。




地元新聞記者が太鼓判。福岡の液体ゆず胡椒
ピザやパスタなど洋食にも気軽に使え、和のテイストが楽しめる「ゆずすこ」
海外での食品フェアでも「ゆずすこ」は高感触
47CLUB(よんななクラブ)というお取り寄せ通販サイトがある。これは、全国各地の地元新聞社の記者が実際に見たり、使用したりして全国の消費者にオススメしたいと感じた商品を購入できるサイトである。食べ物をはじめ、文具、インテリア、コスメなど生活に関するさまざまな商品が揃っており、地元で活躍する新聞記者による紹介だけあって、説得力がある。
 このサイトの調味料のカテゴリでは、人気ランキングが表示され、そのまま「ご当地調味料人気ランキング」として楽しむことができる。その中で堂々の1位となったのは、福岡県の食品メーカー・高橋商店が発売する液体タイプのゆず胡椒「ゆずすこ」だ。
 今まで約20年間、ゆず胡椒を製造してきた同社。「ゆずすこ」開発のきっかけは、「いちいちスプーンにとって使う方法は面倒臭い」「使い勝手がよくないので冷蔵庫に眠ってしまいがち」という消費者の声が届いたことだった。 「どうしたら手軽に使っていただけるか長年研究を重ねて、液体という答えにたどりつきました」(高橋商店・江口氏)と、2008年に発売を開始。かけるだけで、和洋中あらゆる料理に使え、料理のレシピの可能性を広げてくれることが人気の理由だ。
 人気に火がついたのは、「ゆずすこ」を利用した消費者が口コミサイトへ投稿したことだ。それを機に、一挙に「ゆずすこ」の存在が全国に広まり、マスメディアに取り上げられる機会も増え、一躍注目の「ご当地調味料」となった。
 今後は、消費者への直接的な働きかけに加え、飲食店への働きかけも強化していく予定。現時点で利用している店舗からは、既存のゆず胡椒と違い無駄なく使用することができること、いろいろな料理レシピに使用できることなどで高い評価を得ている。 同社は、パリ、アメリカ、ドバイなど海外での食品フェアにも積極的に出展し「ゆずすこ」をアピール。現地の一流シェフたちからも注目を集めた。
 「海外戦略については、今から大きく展開していこうと構想している段階で、まだまだ種まきの状態。しかし、海外の方々の反応は予想以上で驚いています。『ゆずすこ』が世界の食卓に常備されることを期待しています」(同氏)



人気のご当地調味料は汎用性がカギ
47CLUBで堂々の1位を獲得した液体ゆず胡椒「ゆずすこ」
ファミマ・フードパークで東の横綱となった「万能つゆ 味どうらくの里」。ホームページでは、料理研究科のこうちゃんこと相田幸二氏が推奨する、本品を使ったレシピを多数紹介
 ファミリーマート系の「ファミマ・ドット・コム」(http://famima.com/)が運営していた食品通販サイト「ファミマ・フードパーク」(現在は12月にファミマ・ドット・コムとの統合リニューアルのためサービス休止中)では、魅力的な地域の商材を紹介しているが、中でも圧倒的な人気を誇っていたのが昨年5月から始まった「ご当地調味料東西人気番付」だ。リニューアル後も引き続き展開される予定である。
 「注文件数」「商品ページへのアクセス数」「ファミマ・フードパークスタッフのお勧め」などから統計を取り、四半期ごとに横綱・大関・関脇などの番付を更新。休止前の〈2010夏場所〉では、東の横綱は「万能つゆ 味どうらくの里」(秋田県・東北醤油)、西の横綱は4場所連続の「やきとり屋さん キャベツのうまたれ(黒酢入り)」(くばらコーポレーション)となった。
 1979年発売開始と歴史を持つ「万能つゆ 味どうらくの里」は、苦心の開発を経て、現在では秋田県内や山形県庄内地方のスーパーを中心に流通している。醤油代わりに使用でき、浅漬けや煮物などあらゆる料理の味つけベースに利用できるマルチ調味料だ。 「年配の購入者が多いため、ネットでの売り上げは流通に比べると多くはない」(東北醤油)とのことで、個人消費者からは電話での購入希望が圧倒的に多いが、全国から問い合わせが来る。
 一方、「やきとり屋さん キャベツのうまたれ(黒酢入り)」は、1999年から発売開始。博多独自の食文化である「やきとり屋さんで出される、酢ベースのたれがかかったザク切りのキャベツ」を、気軽に全国の人が食べられるように、という発想から生まれた。ノンオイルドレッシングや料理の調味料として広く使用されている。
 ちなみに大関は、東は「明宝トマトケチャップ」(岐阜県・明宝レディース)、西は「くめじまのラー油」(沖縄県・島酒屋)。依然高いラー油人気を反映していると同時に、「ケチャップ」という新たなる調味料トレンドの萌芽も見える。
 「この企画の人気の背景には、消費者の方々の“プチ贅沢”傾向が見られるようです。旅行などの大がかりな贅沢はできないけれど、自宅で全国各地のグルメを調味料で味わう、ちょっとした満足感を楽しんでいただいているのだと思います」(ファミマ・ドット・コム広報、小勝氏)
 また、どの商品も、もともと地元でよく知られているなじみの品のため、都会に出てきた人たちが、地元の味に懐かしさを覚えて購入するケースも多いようだ。生まれ育った土地の味を家庭の食卓に再現したくなったとき、最も手軽に活用できるのが調味料なのだ。



「ご当地もの」を身近にしたネットショッピング
全国の地元新聞記者がオススメする「ご当地名品」が購入できるお取り寄せサイト「47CLUB(よんななクラブ)」
 ご当地ラーメンやご当地バーガー、全国のB級グルメの味を競う「B-1グランプリ」など、まさに「ご当地グルメ」ブームといえる昨今。食に関しては、東京や大阪など大都市圏がトレンドを生み出すわけではなく、消費者の心を掴めば、どの場所からでもヒット商品を生み出すことができるのだ。
かつて「ご当地食品」を味わう機会は、旅行のお土産やデパートの物産展が主流だった。現在は、各都道府県のアンテナショップも隆盛だが、やはり「ご当地」への注目度が高まったきっかけは、インターネットの普及だろう。
「インターネットというツールが、『ゆずすこ』の口コミでの人気を加速させたと思いますし、今後もさらに広がっていくだろうと期待しています。また、ネットのツールも増えていくでしょうから、弊社もそれに合わせて戦略を立てていきたいと思っています。現在は、ツイッターを利用して口コミで広げていく戦略に取り組んでいます」(高橋商店、江口氏)
地域に根ざす食品メーカーにとっては、商圏が全国規模に広がったことは、大きな変革である。
 消費者も、インターネットによって世界が狭くなり、食べたいときに食べたいものを取り寄せられるようになった。だからこそ地方の独自性や魅力に対する関心が高まってきたと言えるだろう。(U)

原価計算女王
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