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| お店拝見/2010年11月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 間伐材の有効利用がきっかけ | |
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「辺ぴなところにできたもんだから、話題になりましたよ」というほどの、山に囲まれた地に構える「薪窯パン工房木の葉」。最寄駅の東京・青梅駅からさらに緑の茂る道を車で5分ほど行くと、ログハウス風の造りの同店が顔を出す。それでも、週末ともなれば100組近くが車で訪れ、ランチタイムは順番待ちの列ができる。
入り口横には一軒の小屋ほどの大きな薪窯がある。オーストリアで昔使われていた窯を再現したものだ。現在、現地でもこの窯が使われているところがほとんどないという。そのため、パン作りを伝授しに来日したマイスター自身も、この窯でパンを焼く技術を「祖父から教わった」と話していたという。「昔使われていた窯が日本でつくられた」と、オーストリアのテレビ番組で話題になったほどの貴重な窯だ。 窯にこれほどのこだわりを持っているのには理由がある。 「間伐材を利用できないかと考えたのが始まりです」と同店サブマネージャーの松澤さん。同店を経営するのは、林業を営む多摩農林。同社は、375?もの「青梅の杜」の管理を、かつての里山を手本に進めている。 「昔オーストリアのアルプスの小さな村の農家で広く使われていた、グレコローマンスタイルと呼ばれる窯です。かつては自給自足だった日本の里山文化にも通じる山村の暮らしを、100年以上支えてきた窯だと言えます。当社のプロジェクトに相応しいとして、この窯を導入しました」(松澤さん) |

| 焼くまでに4時間以上、薪と対話する | |
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窯を操るのは、パン職人の高山真二さん。朝4時半に薪に火付けてから、約2時間薪をセッティング。それからさらに2時間、火をふかしていく。最初の焼きに入るまで、かかる時間は約4時間。毎日状態の違う、間伐材の薪と空気と火と対話して窯を整える。
「かけた時間の分だけ、窯の熱が持続するんです」と、高山さんは苦労の表情を見せずに言う。というのも、出身の北海道の田舎では、昭和50年代頃まで薪を使った生活をしていたそうだ。薪で火を起こすことはすでに、子どもの頃から体に馴染んでいる。 窯の状態が整ったら火を落とし、余熱だけで焼いていく。最初に窯に入れるのは「根っこパン」(200円)。クラストを厚めに仕上げるため、最も高温状態のときを利用する。甘味のある焦げやすいものは、温度が下がってくる後半に入れる。こうして窯の状態に合わせ、製品ごとに焼いていく。 8時半に最初の根っこパンを入れてから、最終の製品を入れるのは1時半。朝4時半から午後2時過ぎまで、約10時間かけても、焼けるパンの種類は毎日約12種類だ。 「窯の熱をしっかり入れたおいしいパンを焼くためには、種類を増やすよりも、窯の管理が最優先ですね」 「この窯の火は、半身浴をしたようなイメージ。心から温まるんです。だからボリュームが出る。それに電気やガスのオーブンよりも2割くらい短い時間で焼けるから、水分のあるしっとりとしたパンを焼くことができます」 ランチタイムには、「根っこパン」と、ライ麦を60%配合した「農家のパン」、食パンのような食感の「杜の白いパン」の3種類のパンのスライスが、かご盛りで提供される。おかわりは自由なので、3種の中でどのパンが人気なのかがわかる。 「大体の方が好まれるのは根っこパンと杜の白いパンです。ライ麦パンは好みが分かれます」と松澤さん。 パンと一緒に提供されるメニューは、オーストリアで食べられているスタイルを参考に用意。サラミチーズ味やマロンクリームなど4種類のスプレッドとスープのセットや、ビーフシチュー、コンビーフ、塩豚の4品。どれも、パンのおかわりが進む料理だ。 「約3年前のオープン当初からメニューの内容はどんどん変わってきています。始めはパンはライ麦だけで、スプレッドは、アンチョビを使ったものなどの塩気を効かせたものを4種類揃えていました。でも、ライ麦パンよりも白いパンの方が日本の方には馴染みがありますし、それに合わせてスプレッドも甘いものを入れました」と料理を担当する竹谷シェフ。 また、車で来店する客がほとんどなことと、午後5時までの営業ということもあり、ドリンクは、ワインよりもソフトドリンクを注文する人が圧倒的に多い。そのため、塩気のあるものとの組み合わせよりも、甘味のあるものが好まれるようだ。 |


| SHOP DATA
店名 薪窯パン工房 木の葉
住所 東京都青梅市黒沢3丁目1574‐1 電話 0428‐84‐2280 営業時間 午前11時〜午後5時 定休日 水曜、第2・第4木曜 品揃え 約12種類 店舗面積 厨房6平方メートル、デシャップ5平方メートル、ホール50平方メートル、テラス18平方メートル スタッフ 販売・カフェ常時4〜5人、製造常時4人 |
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