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| 食のトレンドを追う/2010年10月号 |
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| 日本中を席巻した「食べるラー油」が横浜中華街でも大ブームに | |
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巷で大ブームの「食べるラー油」。あまりの売れ行きに、桃屋やエスビー食品が発売した商品は未だ品薄状態。そんな消費者の飢餓感が向かった先は横浜中華街。今や中華街では、食べるラー油が一大ブームになっているのだ。
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| 市場通りの中国食材店でもブームに便乗して | |
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香ばしいフライドガーリックとフライドオニオンをたっぷりと入れることで、ご飯にかけてもよし、調味料として料理に使用してもよし、これまであまり注目されなかったラー油に新たな側面をもたらした「食べるラー油」ブーム。ひと頃ほどのブームではなくなったとはいえ、ブームのキッカケとなった桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」は未だ品薄状態が続いているほど。
ラー油といえば中国が発祥。そして今、横浜中華街でも食べるラー油が大ブームなのだ。桃屋やエスビーといった国内メーカーに負けじと、各店ともオリジナルの食べるラー油を販売し、また食べるラー油を用いた新メニューや肉まんを提供している。 横浜中華街・市場通り。多くの中国食材店が軒を連ねるこの通りでは、どの店でも看板とともに食べるラー油が店先に目立つように陳列され、道行く観光客を誘う。そして、多くの食材店で売られているのが、「老干媽 油辣椒」という食べるラー油。価格は店によって違うが、250〜380円。最多価格帯は350円といったところか。 |


| 中国ではそれほどポピュラーではない調味料?
一方、意外にも「中国人にとって、ラー油はそれほどポピュラーなものではない」と話すのは、広東料理の名店「招福門」総支配人の梶恒翁氏だ。
「ラー油という調味料自体がそもそもは四川地方独自のものだし、日本の中華料理店のように醤油や酢と一緒にテーブルの上に置かれていることなんて、中国ではあり得ないんです」(梶氏) といいつつも、同店でもちゃっかり食べるラー油を販売している。価格は630円と他店に比べ高めだが、発売開始後あっという間に5000本以上が売れ、生産が追いつかず現在は欠品状態。梶氏によれば、原材料よりも器のビンの確保のほうが大変なのだという。 そこで、招福門の食べるラー油を試食してみた。もちろん、同店の職人手作りのオリジナル商品である。真っ赤に染まった油分が激辛を予想させるが、実際には見た目ほど辛くはない。また、食べるラー油独特のザクザクとした食感も、国内メーカーの商品以上だ。 「商品開発で最優先したのが、辛くないこととザクザク感なんです。赤く着色されているのは、実は唐辛子ではなくパブリカ色素。だから、見た目ほど辛くない。ザクザク感にしても、国内メーカーや中華街の他店の商品はフライドガーリックとフライドオニオンが入っているだけだけど、当店の商品にはアーモンドチップが入っている。これが、さらにザクザク感を増しているんです」(同) 招福門では、売店で食べるラー油を販売するだけでなく、2階の飲茶コーナーでは9月1日から30 日までの期間限定で「激うま!『食べるラー油』点心フェア」と銘打ち、食べるラー油を使った点心料理を提供している。具材に食べるラー油を練り込んだ「ラー油小龍包」、うずらの卵が丸ごと入ったシュウマイに食べるラー油がかけられた「うずら焼売ラー油がけ」、自家製の煮チャーシューとメンマ、食べるラー油を飯に乗せた「叉焼ラー油ごはん」といった、食べるラー油メニューを楽しむことができる。 |
| 1日400食以上売り上げる江戸清の「激辛ラー油まん」 | |
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景気後退に伴い外食の機会が減りつつある昨今だが、それは横浜中華街でも例外ではなく、中華街を訪れても中華料理店ではなく、店頭で売られている肉まんで食事を済ませる若者カップルも増えている。そして、その中華街で肉まんといえば、老舗「江戸清」のぶたまんだ。
江戸清では8月初旬より、オリジナルの食べるラー油を用いた「激辛ラー油まん」を発売し人気を集めている。江戸清管理本部の山本綾子さんは、次のように話す。 「もともと、当社では『スポットまん』といって、期間限定の商品を定期的に提供しているのですが、食べるラー油ブームにちなんで社内で試作したところ好評だったので、販売に踏み切りました」 激辛ラー油まんは中華街の他店と違い、ラー油本来の持つ辛さを前面に打ち出している。もっとも、激辛というほどではなく、後に尾を引く辛さだ。販売開始直後にテレビの情報番組で紹介されたこともあり、人気を呼んで1日に多いときで400食以上を売り上げている。同社の定番商品であるぶたまんが売り上げる1日3000食には及ばないものの、全18種類ある中華まんの中でも上位にランクされる売り上げなのだそう。 「ですから、9月末に販売終了予定なのですが、迷っているんです」と、山本さんは苦笑する。 ところで、この横浜中華街の食べるラー油ブームはいつまで続くのか。 「あと1年は続くと思いますよ。中華街のお客さんは地方の観光客が多いので、地方というのは東京や横浜に比べてブームの沈静化にタイムラグがありますからね」と予測するのは、前出の「招福門」総支配人の梶氏。 また、ブームに便乗しているようでも、当の中華街の店主たちは意外に冷めているのだとか。 「ヒット商品が出るのは嬉しいのですが、それだけが中華街のイメージになっても困るんです。長年築き上げてきた中華街のイメージもありますから」(同) ブームに左右されない守るべき伝統とブランド――それが横浜中華街の店主たちの誇りなのだろうか。(M) |
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