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| 特集/2010年7月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 学校給食のパンが変わる | |
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パン・ミルク・おかずの3種による完全給食が始まったのは1950年。1976年に米飯給食が導入されるまで、学校給食の主食はパンだった。1985年になると、週3回を目標とする国による米飯の推進が始まり、2007年に、米飯回数は全国平均週3回を達成した。現在は週3回以上が目標となっている。
米飯の回数が増えたことでパンの回数は減った。回数は減ったが、種類が増えたり、地場の小麦を使ったものなど、パン自体の内容の充実が図られている。また、学校給食の新しい顔として「米粉パン」が現在3割の学校で導入されている。 こうした学校給食のパンにおける近年の動きについて、神奈川県と埼玉県の学校給食を例に紹介する。 |


| 県産米と県産小麦を使用した米粉パン「さきたまライスボール」を開発-財団法人埼玉県学校給食会常務理事事務局長 大澤次夫さん | |||||||||||||
「米粉パンということにこだわったのではありません。すでに県産小麦使用のパンや県産米の米飯の提供はしていたので、さらに県産作物を使って新しくメニューを開発できないかと考えたのがきっかけです」(大澤さん) 埼玉県は全国でも小麦や米の有数な生産地。小麦の生産量は 全国第6位で、地粉うどんの食文化もある。地粉うどんは学校給食でも1999年より提供を開始。県産小麦を100%使用した「さきたまロール」は2000年から提供しており、県内全校での県産小麦使用のパンの提供は、埼玉県が先駆けだ。 県産小麦は「さきたまロール」だけでなく全てのパンに、少なくとも5割の量を使用している。 学校給食の地産地消に関しては、内閣府が2006年より食育推進基本計画の中で進めており、食材数ベースで30%以上が目標となっている。埼玉県は現在18.5%と全国の中では低い方だが、主食の小麦や米は県産品を多く使用している。大澤さんは「カロリーベースではなく使っている食材の数でのカウントなので、評価は低くなってしまう」と話す。 しかし「地場産の量を増やすことや評価にこだわってはいけない」と大澤さん。 埼玉県は大消費地の東京にとって、葉もの野菜などの重要な生産地だ。「周囲の地域との関係性など、県としての位置付けを理解した上で取り組んでいく必要があります」(大澤さん) また、近年では食育としての要素が強くなるなど、給食の役割は時代とともに変化しているが、「変わらないことは、子どもたちにとって、おいしく食べられるものであること」と大澤さん。さきたまライスボールの開発には1年を要した。米粉50%という配合率は、グルテンを入れないでおいしくできる最大の量。「自給率を意識するのではなく、米粉の味を、子どもたちに楽しんでもらえれば」と願っている。 | |||||||||||||

| 学校給食開始当初から作り続けるベーカリー-長後製パン 齋藤伸一社長 | ||||||||||
神奈川県藤沢市にある長後製パンは、県の学校給食が開始された当初から学校給食のパンを手掛けており、現在は地元藤沢市と大和市の44校の小中学校を担当している。 「地元の小学校でも、昔は1学校で1200人の生徒がいましたが、今はその半分。その上、米飯の推奨でパンの回数が減ったので、周囲のパン屋さんで学校給食のパンを作るところはほとんどなくなりました」(齋藤社長) 毎日の発注数にも波があり、同ベーカリーでは多いときで3万食を作る。人手も機械も、最大数に合わせて用意しておかなければならない。 卸、給食、販売の3本柱 夏休みなどの長期休暇の間は学校からの発注がなくなる。同社は学校給食と卸、直営の3店舗での販売の3本柱で営んできた。「長期休暇は学校給食がない代わりに、旅行シーズンなのでホテルなどの観光施設での需要が高まります。双方を手掛けることで、製造数を常に一定に保つことができます」と齋藤社長。 さらに、米飯施設も備えているので、調理パンの施設でおかずを作り、弁当を製造している。中学校によっては弁当制のところもあるが、近年両親の共働きなどで弁当を持ってこられない生徒が増えている。彼らに向けて、毎日100個ほど製造し、1食あたり450円で提供している。週に1回はサンドイッチボックスで、その日は女子生徒からの注文が増えるという。 地粉の会を発足 藤沢市の北部で問題視されていた耕作放棄地を活用しようと2004年に「さがみ地粉の会」が発足。 学校給食のパンにも使用し、子どもたちに地場産の魅力を伝えたいと、パン用小麦「ゆめしほう」の栽培が昨年より始まった。齋藤社長も農家と共に栽培に励んでいる。給食用として、ゆめしほうを2割配合したナンの提供を7月から行う予定だ。 「弊社は80年以上この地で営んできました。地域への恩返しの気持ちと、今の子どもたちに仕事を通して貢献できることとして、地粉を使ったパン作りに取り組んでいきたいです」 同社は昨年、夏休みに子どもを対象にしたパン教室を開催した。パン作りと共に、工場の見学にも子どもたちは興味深々だったという。今年も開催を予定している。 | ||||||||||
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