安くておいしいパンを提供したい‐ブーランジェリークルミ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2010年6月号

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安くておいしいパンを提供したい‐ブーランジェリークルミ
低価格でボリュームのある焼きこみ調理パン。左から「焼きもろこし」(150円)、「枝豆塩焼き」(130円)、「タルトフランベ」(130円)
オーナーシェフの福井清史さん(中央)、販売担当の水村さん(左)と製造担当の田所さん(右)
一番人気の「究極のメロンパン」(160円)は、バタークリームを包んでおり、中はしっとりとした食感
売り場横にある13・5坪と広めの厨房
 「クリームパン」100円、「塩トマト」100円、「枝豆塩焼き」130円などと、ブーランジェリークルミのパンは、ボリュームがあって低価格。
 オーナーシェフの福井清史さんのモットーは「パンは、毎日食べるものだから、安くておいしいものを作りたい」ということ。店名の「クルミ」も、「覚えてもらえるよう、分かりやすい名前がいいと思った」と、客に親しまれる店作りを目指す。
 福井シェフは高校生時代を神戸の西宮で過ごした。そこでよく「ビゴの店」のパンを夕食前のおやつに利用していた。
 「学生の頃はパン職人になることは考えていませんでしたが、パンは昔から好きで、毎日のように食べていました。だから、お客さんにも毎日来店してもらえるように、パンの価格は低く設定しています。そのために、安価な材料でおいしく仕上げることを大事にしています。原価率が高いとロスが出た場合の打撃も大きいですし、売上げは、商品の回転をよくすることで上げていきたいですね」
 福井シェフは、東京製菓学校を卒業後、ドンクで5年半働き、ダロワイヨなど数々のベーカリーで修行を積んだ。カリフォルニアくるみコンテストのブレッド部門賞とキリクリームチーズコンテストの金賞を受賞している。これらの受賞に関して謙遜した表情を見せながらも、「コンテストにはこれからも挑戦していきたいです」と意欲的。技術力で、おいしいパンを提供していきたいという熱意が感じられる。
 また、毎日の数字の管理もきっちりと行っている。来店客数、売上げ、ロス率などをパソコンで記録。さらに1日の中で時間を区切って様子を見て、製造量をコントロールしている。こうすることで、ロス率はだいたい5%程度に抑えている。
 ロスが出てしまった場合は、バゲットはラスクに再生する。同店のラスクは「バジルチーズラスク」(100円)をはじめ6種類もあり、選ぶ楽しみがある。「お米のしょうゆせんべい」(100円)は、ケシの実をまぶして焼いた米粉パンに、バター醤油を塗ってこんがりと焼いた、和風せんべいのような新感覚のラスクだ。



食べやすさの工夫を商品一つひとつに施す
「ナチュラルアンティーク」のイメージでまとめた店内。白くペイントされた木目調で、明るい雰囲気
角地にあり、通りから目立つ店構え
 ブーランジェリークルミは、昨年10月にオープンした。大宮駅からさらに電車で約10ほど行った東武野田線・七里駅から、徒歩10分ほどの道路沿いに位置する。「角の立地にこだわった」という同店は、見通しが良いので通りすがりでも目に止まり、客の多くが、車を使って来店。近くには小学校があり、立ち並ぶ家々は新旧が混在。「主婦を中心に女性客が多いですが、意外に年配の男性客も多くて、ハード系を好まれる傾向があります」と福井シェフ。そのため、ハード系は、少しソフトに仕上げている。
 平日は120〜160人、土日となると約200人が来店。客層と客単価も平日と土日で異なる。土日は平日より若い人の方が多く、客単価は50〜100円ほど高い。一番の売れ筋「究極のメロンパン」(160円)も土日は倍近くの数が売れ、土日限定で販売する「パンドカンパーニュ」も人気だ。
 半年前のオープン時、1万枚のチラシをまいた。福井シェフは「想定していたよりも順調に伸びています」とこれまでを振り返る。現在は電話予約をする常連客も増えた。約半径2?の周辺に住む近所の人が多いようだが、口コミで遠くから来てくれる人もいて、着実にファンを増やしている。
 土日は70個ほど売れる一番の人気商品は「究極のメロンパン」。その人気の秘密は、「内側のパサつきがちなメロンパン生地をしっとりとした食感にする」ため、クッキー生地の内側は、ブリオッシュ生地を使用し、さらにバタークリームを包んでいる。外側はサクッとしており、全体として軽い食感。メロンパンが好きでない人でも、食べられる新しい感覚のメロンパンだ。
 具が隅々までのって、おなかをすかせた学生が喜びそうなのが「枝豆塩焼き」などの焼きこみ調理パン。価格も100〜150円と安い。もっちりとした食感のフランスパン生地と、それぞれ、枝豆やコーン、ベーコンなどの具の相性がよくクセになる一品だ。ベーコンののった「タルトフランベ」(130円)は、ソースにサワークリームとヨーグルトを使用しているので、しつこくなく飽きがこない。トッピングの粗挽き黒胡椒も良いアクセントとなっている。
 菓子パンも充実している。アイテム数はオープンした頃より倍近く増え、現在は80個ほど。シュークリームなどの菓子も人気だ。
 福井シェフは普段から、夕食にもパンをよく食べるという。
 「ハムやチーズと合わせて食べます。ワインも最近は1000円くらいでも、充分おいしいので手軽。お客様にもいろいろな食べ方を知ってもらいたくて、今年の夏くらいに地域の人を集めて夕食会を開催したいと思っています」



取材メモ

 ブーランジェリークルミが面した道路沿いに5分ほど歩くと宮下精米店があり、同店に勤務している鈴木さんも、ブーランジェリークルミを度々利用するという。「普段はご飯を食べていますが、パン屋さんが新しくできたと知って買いにいきました。最近でもおやつに買いに行きますよ。家族が多くないから、食パンだとカビにしてしますが、惣菜パンや菓子パンが食べやすく、種類も多くて気に入っています」と笑顔で話してくれた。



SHOP DATA

店名 ブーランジェリークルミ
住所 埼玉県さいたま市見沼区春岡1‐22‐10
電話 048‐685‐0444
営業時間 午前7時〜午後6時
定休日 水曜日
品揃え 80品目(菓子パン系が4割)
店舗面積 厨房13.5坪、販売スペース5坪
スタッフ 製造2人、販売2人
日商 平日は10万円、土日は15〜16万円

原価計算女王
原価計算女王

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