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| 特集/2010年5月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 各国の料理とパン 〜パンを主食とする国々の料理とパン〜 農水省によると、日本のパン市場は、小麦粉使用量ベースで見ると、平成12年に過去最高の128万トンを記録してから微減傾向で推移。平成21年は118万トンと前年比で0.2%減少している。 昔から米飯を主食としてきた日本人にとってパンは、朝食にトースト、おやつに菓子パンといったイメージが強く、夕食におかずと一緒にパンを食べるという習慣が根付いていない。こうした背景からも、パン食普及協議会は平成20年度、「夕食にパンを」というコピーを掲げた看板を設置するなど、パンの夕食需要を喚起している。
今回は、パンを主食とする各国の料理を提供するレストランを取材。料理と合わせやすいパンや、パンと相性の良い料理を紹介する。 |

| ブルガリア ヨーグルトを調味料感覚で使用するブルガリア料理‐ソフィア | |
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ヨーグルトでお馴染みのブルガリア共和国。ブルガリア料理を提供するレストラン「ソフィア」では、メニューの半数以上にヨーグルトが使われている。ヨーグルトは、ソースにしてサラダの上からかけたり、煮込み料理に入れたりして、使われている。
「ヨーグルトは、日本の醤油や味噌と同じ感覚で料理に使っています」(料理長の小泉達也さん) 煮込み料理の「カヴァルマ」には、ヨーグルトは隠し味としてコクを出すのに使う。冷やして食べるスープ「タラトル」には、ヨーグルトそのものの酸味を生かす。 使う料理によって様々な顔を出すヨーグルト。同店がオープンして2年ほど経った頃、「パンにも使ってみたら面白いのでは」と、当時のスーシェフが「自家製ヨーグルトパン」(200円)を開発した。 「パンはアラカルトで用意していますが、大抵のお客様が料理と一緒に注文されます。お一人様2個が平均です」(店長の松村淳一さん) 「塩気はきかせず、甘いパンです。食感はふわふわで、女性のお客様にも食べやすいようです」(小泉料理長) 自家製ヨーグルトパンは、ヨーグル トのほかにも、白ゴマと黒ゴマ、胡麻油、胚芽が入っており、ビタミンやミネラルが豊富。甘めの味なので、煮込み料理と合わせると、料理の塩気を引き立てる。水気を切った濃厚なヨーグルトと合わせて食べるとおやつ感覚で楽しめる。 |


| エチオピア 紀元前から栽培されてきた「テフ」で作るパン‐クィーン シーバ | ||||||||||
インジェラの生地は数日間発酵させて作る。テフに水を加えて、ペースト状のどろっとした状態になるまで常温に数日間置く。途中、一掴みの生地を火にかけて温めたら元の生地に戻して混ぜ、発酵を促進させる。こうしてできた生地を、直径70?、厚さ5?ほどの円盤状に焼いた後、蒸して仕上げる。焼き上がった製品の表面には、ぷつぷつとした気泡があり、水分が多くしっとりとしている。 「エチオピアでは各家庭でインジェラを作っています。毎日水を取り替えて、カビが付かないように注意しながら発酵を進めていきます」とオーナーのソロモンさん。エチオピアでは3〜4日、エチオピアより少し気温の低い日本では1週間から2週間ほどかけて発酵させる。 水とテフ、元種以外に何も入れないで作ったインジェラの味は、すっぱさをストレートに感じる。「酸味があるのがインジェラ。その酸味が料理の味を引き立てます」 インジェラの上にのせて食べるのは「ワット」という肉や野菜を入れて煮込んだ、シチューのような料理。エチオピアでは魚より肉を食べる習慣がある。中に入れる肉がチキンなら「ドロワット」、牛肉なら「カイワット」と言う。「ワット」の味の決め手となるのは、唐辛子やジンジャーをベースにした「ベルベレ」という名のスパイスのミックス。同店では17種類ものスパイスを合わせて作る。各家庭でスパイスミックスの味は異なるので、「日本の味噌みたい」とソロモンさん。 タマネギのみじん切りをよく炒め、肉や野菜を加えて作る。ワットは、まさに味噌汁のような感覚で毎食のように食べられているという。 | ||||||||||

| 砂糖を使わないエチオピア料理 | |||||||||||||
スパイシーで辛いワットと、酸味のあるインジェラがエチオピア料理の定番だ。 インジェラともう一つ、エチオピアでよく食べられているのは「ダボ」というパン。ダボはインジェラとは対照的に、高さがあり、ふわふわとした食感のパンだ。小麦粉とイーストで作るダボに、同店ではブラッククミンを加えて爽やかな風味を出している。ダボも、インジェラと同様にワットを付けて食べる。インジェラの酸味とワットの辛味に、ダボの爽やかな風味がエチオピア料理にアクセントを与えている。 | |||||||||||||
| エジプト 豆と野菜をたっぷり使うエジプト料理‐ネフェルティティ東京 | |||||||
エジプト料理の最大の特徴は、豆と野菜をたっぷりと使うこと。同店のメニュー表を見ても、豆と野菜のみのメニューが7割ほどを占める。そして、ゴマもよく使う。ペースト状にしたり、粒のまま、料理のトッピングに使ったり。油は、オリーブオイルがメインで、仕上げにかけたりする程度。肉は、宗教上の理由から豚肉は食べないので、牛やマトン、ラムなどを炭火やオーブンで焼いて余分な油を落として食べる。 主食は、パンとお米の両方だ。日本のラーメン感覚で食べられているのが「クシャリ」で、ライスと7種類の豆、マカロニをトマトソースで合わせたもの。簡単に食事を済ませたいときに外食したり、テイクアウトして家で食べたりもするという。「健康維持に必要なものがたくさん入っている上に、手軽に食べられます」(イマドさん) 一方、日本のハンバーガー感覚で食べられているというのは、エジプトのコロッケ「ファラフィル」のサンド。ファラフィルは、すり潰したそら豆にオニオンやニンニク、ハーブを合わせて油で揚げ、仕上げにゴマをトッピング。一つのサンドに2個入っているのが通常だという。ファラフィルのほかにも、すりゴマのペースト、レタスやトマトなどの生野菜を一緒に挟む。豆と野菜がたっぷり入っており、肉がメーンの日本のハンバーガーに比べて、ヘルシーな印象だ。 | |||||||
| パン発祥の地で今食べられているのは、クセのない薄いパン | ||||||||||
6000年前に作られていたパンは、直方体のずっしりとした形のようだが、現代のエジプトで定番のパンは、「エイシ」という薄めの円盤状のパン。厚さは、トルティーヤとピタパンのちょうど中間で、大きさも直径13〜15?ほどと、ピタパンよりひと回り小さい。材料は小麦粉とイースト、水、ミルクで、油は使わない。エイシは一般のベーカリーでは作っていないので、同店でシェフが焼いている。 「エジプトではランチの時間が遅めで、だいたい3時頃。夜は軽めですが、ランチは、豆や野菜料理を食卓にたくさん並べ、それらをエイシに挟んで食べます」 エイシは温かい常態で用意される。ミルクが入っているのでしっとりとしているが、温かい状態だとふわふわしてより食べやすい。生地が膨れて中が空洞になっているので、手で半分にちぎり、空洞部分に料理を入れ、挟んで食べる。 エイシと一緒に家庭でよく食べられている野菜料理は「ムサアー」。タジン鍋に、焼いた米ナスとポテト、ベシャメルソースを重ね、挽肉を少々と、トマトソースをたっぷり入れてオーブンで焼く。焼き上がったら、生のピーマンのスライスとゴマをトッピング。エイシにサンドすると、ゴマの粒々感とピーマンのしゃきっとした歯ごたえ、トマトソースの酸味が引き立つ。具材とソース、その両方の役割を果たしているような一品だ。 「豆類や野菜はビタミンやミネラル、プロテインを豊富に含んでいます。エイシに挟めば、これらを手軽にたくさん食べられます」(イマドさん) イマドさんは、エイシと相性のいい日本の家庭料理を教えてくれた。「トマトソースを使ったものや、ビーフシチューのほか、肉じゃがも合うと思います」 | ||||||||||
| ベラルーシ サワークリームが欠かせないベラルーシ料理‐ミンスクの台所 | |
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「サワークリームはベラルーシ人は皆好きです。和食にとっての醤油のように、煮込み料理に使ったり、仕上げにかけたりします」
ベラルーシ共和国の首都、ミンスクから店名をつけた「ミンスクの台所」のシェフを務めるのは、日本に来て9年になるというベラルーシ出身のヴィクトリアさん。「サワークリームはベラルーシ料理に欠かせないが、日本で買うと現地の倍以上の高価格」だそうで、同店ではヴィクトリアさんが手作りしている。 サラダやオーブン焼きに絞り袋を使って線描きしたり、出来たてのボルシチにたっぷり落としたり、水餃子と一緒にスプーンでたっぷりすくって食べるなど、合わせる料理の幅の広さと摂取する量は、日本人にとっての醤油以上と言える。乳脂肪分が高いので料理をまろやかにしてくれる。また、ヨーグルトのように乳酸発酵させて作るので、ほどよい酸味もある。 お米はほとんど食べず、主食はパンとジャガイモ。パンは、ライ麦パンが主で、ライ麦の配合量の違いや、ドライフルーツを入れたもの、ディルなどのハーブを入れたものなど、ライ麦パンだけでも現地のパン屋には30種類以上揃うという。 「ベラルーシ人は酸味のあるものが好きなのかもしれません。ライ麦パンにサワークリームを塗ってよく食べますし、ピクルスも各家庭で作ります」(ヴィクトリアさん)。また、ライ麦は、昔から小麦粉と比べて安価だが、安いからではなく、「おいしいからという理由で、現代でも好んで食べられているのではないか」と話す。 ベラルーシでランチにライ麦パンと合わせてよく食べられているのは、ミンスク風ボルシチ。日本で一般に作られているボルシチと、「ミンスク風」ボルシチの最も大きな違いは、「野菜の切り方」にある、とヴィクトリアさん。日本のボルシチは、トマトやジャガイモなどの具は、大きくカットした状態で煮込むので、少しとろみがつくが、同店で提供しているミンスク風ボルシチは、ビーツやタマネギ、キャベツなど、野菜を細かく刻んでからスープに入れてサラサラした状態で仕上げる。「カットを細かくすることで、スープに野菜の旨みを溶け込ませます」 |
| ジャガイモは第二のパン。パンケーキにして食べる | ||||||||||
作り方は簡単。摩り下ろしたジャガイモに小麦粉を少しと、卵を入れて混ぜた生地をフライパンで焼く。好みで、タマネギと挽肉で作った種を、焼いたパンケーキの上にのせ、さらにもう一枚パンケーキを上にかぶせて、種をサンドしてもよい。仕上げにかけるソースはやはりサワークリームだが、焼いた後、摩り下ろした生のニンニクを表面にこすり付ける。サワークリームがかかっているせいか、ニンニクの臭いはそんなに気にならない。もちもちとした食感で、おなかにたまる一品だ。 | ||||||||||
| ◇◇◇ニュージーランドのおやつ「チーズ・ロール」◇◇◇ | |
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ニュージーランドの最南端に位置する島、サウスランド地方で伝統的に食べられている「チーズ・ロール」。作り方は簡単で、食パンに、ホワイトソースで伸ばしたチーズを付けてロール状に巻き、オーブンで焼いたら出来上がり。簡単に作れてロール状なので手軽に食べることができるので、子どもたちのおやつや朝食、ラグビー観戦時(ラグビーはニュージーランドの国技)などによく食べられている。
また、焼く前の段階で冷凍保存もできるので、子どもの友達が急に遊びに来た際に便利。オーブンで温めれば、すぐに手作りの温かいおやつを子どもたちに食べさせることができるので、母親にとっても人気の一品だ。 作り方?食パン(白パンまたはブラウンパン20〜25枚)を用意する?器にチェダーチーズ(500?)をすり下ろし、温めたホワイトソース(500?)とオニオンスープの素(1パック)、お湯(カップ半分)を加えスプーンで混ぜる?柔らかくなったら食パンにつけ、ロール状に巻く?オーブンで6〜8分焼き、きつね色になったら出来上がり |
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