スタッフ一人ひとりのアイデアが育つ環境‐Bread50 - ブランスリー電子版

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お店拝見/2010年4月号

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スタッフ一人ひとりのアイデアが育つ環境‐Bread50
シェフの西村雅弘さん(左から2番目)と販売担当の西村千賀子さん(右)と、製造担当のスタッフ
子どもに人気の「ミニキャラクターパン」(40円)など、飾っておきたくなるようなパンが出迎えてくれる。「ネコのおやこ」(ママネコ80円、コネコ60円、小サイズ40円)は、水を使わず牛乳を使ったリッチなプチパンで、もっちりとした食感
シナモンの風味が効いた「チョコシナモン」(160円)
中身は自家製カスタードクリーム、チョコカスタード、あんの3種類。串団子のような「ぱん3兄弟」(160円)
主婦に評判の「ツナ・たまごサンド」(250円)。五穀の食パンと全粒粉の食パンを使用
内側からも熱が通るのでふんわりと焼き上げることができる溶岩窯から、焼きたての「ネコのおやこ」(80円など)
 ねこの顔をイメージしたプチパン、串団子に見立てた菓子パン、シナモンをトッピングしたチョコレートのクロワッサンなど、見た目のかわいさや一味違う味の組み合わせで、思わず手が伸びてしまうようなパンがずらり。
 Bread50は、横浜市港北区の住宅街に昨年6月オープンした新店だ。シェフの西村雅弘さんと共にパン作りに励むのは、未経験者として採用されたスタッフ2人。しかし、オープンして半年が経った現在、「成形は安心してスタッフに任せられるようになった」と西村シェフ。
 「ショッピングやお茶をするのが好きなスタッフは、メニューを開発するのに多くの引き出しを持っています」(西村シェフ)
 「ネコのおやこ」(ママネコ80円、コネコ60円、小サイズ40円)は、スタッフがショッピング途中で見たクリスマスツリーの飾りつけからヒントを得た。ツリーに飾れるパンを作れないかと、飼い猫をモデルに見た目のかわいい小さめのパンを開発。「チョコシナモン」(160円)は、シナモンが好きだというスタッフによるものだ。スタッフは同店の顧客の大半を占める女性客と嗜好が近いこともあり、シナモンとチョコレートの組み合わせが絶妙と、人気の品となった。
 「定番の品でも、必ず一工夫入れて当店にしかないパンを目指しています」(西村シェフ)
 「一工夫」を生み出すために西村シェフが大事にしていることがある。スタッフが、やりたいと思ったことはまずやってもらう。そして最後まで見届けることだ。固定観念は持たないようにしているという西村シェフは「実際どうなるかは、最後までやり遂げてみないとわかりません。自分もそうでしたが、頭ごなしに言えば、例え挑戦したとしても結果が中途半端になってしまいます」と話す。スタッフの数だけ多くのアイデアが生まれ、それがバラエティーに富んだ製品となって生かされている。
 「一人でやっていくには限界があります。スタッフには得意なことやできることをどんどんやってもらって、4人が互いにカバーし合える関係になれたらいいと思っています」と話す西村シェフからは、シェフとスタッフが対等に意見を交わせる環境作りを目指す姿が感じられる。
 同店を6月にオープンさせた理由について、「パンが売れないとされている夏場に設定し、広告も出しませんでした。経験の少ないスタッフで始めるには、最初から多くのお客様には対応しきれないからです。スタッフには、少しずつ、着実に慣れていってもらいたいと考えました」(西村シェフ)
 スタッフへの配慮は販売スペースにも生かされている。ラスクやバゲットが陳列された手作りの棚の下には、キャスターを取り付けた。こうすることで毎日の後片付けや掃除のときに、無理な体勢をしなくて済む。西村シェフ自身が、腰を痛めた経験があり、「これなら無理せず動かすことができる」と考えた。
 西村シェフは同店のオープンに至るまで、ホテルや個人のベーカリーなど4つの店舗で修行を重ねた。同店には、シェフがスタッフとして働いてきた、これまでの経験が集積されている。



「来てよかった」と思ってもらえる店作り
入店すると奥に厨房が見渡せるオープンな造り
サンドイッチを作るスタッフ
惣菜系のパンやクロワッサン生地を使ったデザート感覚のデニッシュなど50〜60アイテムが揃う
女性客に人気の黒いちじくと白いちじくの2種類のいちじくが入った「いちじくのパン」(150円)と、栗の甘露煮を散りばめた「くりのパン」(150円)
「ラングドシャ」(120円)や「マドレーヌ」(130円)など、手ごろな価格の焼き菓子も豊富
冷蔵コーナーには「プリン」(120円)や「黒ねりゴマ入パンナコッタ」(160円)も揃う
 店に入ると、正面奥に厨房と窯が見える。客に対してオープンな店構えだ。
「厨房をオープンにすることで、お客様に安心感を持ってもらえるだけでなく、作っている側にとってもお客様の顔が見えることがうれしいです」(西村シェフ)
窯は、「溶岩窯」を使用。内側からも熱が通るので、短時間で焼成ができ、水分の損失が少なくて済み、ふんわりと焼けるという。
毎朝2時に起きて仕込むというパン生地は、食パン、ヨモギ入りやイチジク入りなど10種類。食パンは全粒粉(280円)や五穀(280円)に加え、「花粉症に効果があるみたい」という客のリクエストから、ライ麦食パン(280円)を追加した。
女性客に人気なのは、黒いちじくと白いちじくの2種類のいちじくが入った「いちじくのパン」(150円)。その横に並ぶのは、いちじくの代わりに栗の甘露煮を散りばめた「くりのパン」(150円)。栗の甘みがパン生地に馴染んで、おやつにも向く一品だ。レーズンやクルミなど、定番の具材を入れたものを試していたが、最終的に栗を入れた同商品に落ち着いたという。
「日がわりピザ」(1切180円)は、スタッフがトッピングを担当。食べることが好きだというスタッフが、毎日具材の組み合わせを楽しみながら考えている。生地はフランスパン生地で余った分を有効利用。ふんわりとしており、歯切れがよくて食べやすい一品だ。
パン以外にも、「マーブルクッキー」(400円)や「ザントクーヘン」(120円)、「クロッカン」(150円)などの焼き菓子、「プリン」(120円)など、おやつや進物に最適なアイテムが豊富。「お客様に、当店に来てよかったと思ってもらいたくて」と、オープン当初よりアイテムの幅を増やした。これらの菓子類は、同店の定休日にシェフが製造している。
「お昼や朝の食事以外の場面でも、当店を使ってもらえればと思っています。近所の方に親近感を持ってもらえる店作りを目指していきたいです」



SHOP DATA
大きな通りに面し、住宅街にある「Bread50」。シンプルなデザインの看板が引き立っている
店名 Bread50
住所 神奈川県横浜市港北区高田東
2-5-8
電話 045-543-8550
営業時間 午前8時〜午後7時
定休日 火曜日、第3月曜日
品揃え 約50〜60品目
店舗面積 厨房約10坪、販売スペース約5坪
スタッフ 製造3人、販売1人
日商 5〜8万円



原価計算女王
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