広がる「朝食」マーケット【前編】 / 「ソトアサ族」のためのユニークな朝食サービス - ブランスリー電子版

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食のトレンドを追う/2010年3月号

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広がる「朝食」マーケット【前編】
「ソトアサ族」のためのユニークな朝食サービス
回転するおかずにビックリ! 東京駅構内「うず潮」の「回転朝食」
ビジネスパーソンのスキルアップの勉強や、ヨガ・ランニングなどの運動、そして「婚活」などに、朝の時間帯を有効に活用する「朝活」がブーム。そんな朝型生活者や、忙しいビジネスマンたちの早朝時間帯を充実させる、さまざまな朝食サービスがある。



老若男女が楽しめるユニークな朝の外食の数々
ワンコインで、基本セットにおかず3品のボリューム朝食が食べられる
朝食といえば喫茶店のモーニングや牛丼チェーンの朝定食などが定番だったが、最近はちょっとユニークな朝食が出現してきている。
 昨年10月に日比谷にオープンした卵かけご飯専門店「たまごん家」(夜は居酒屋になる)では、朝7時半からの朝食時間帯に、みそ汁と粒のりがセットになった卵かけご飯(305円)を提供している。しらすや明太子など別料金105円のトッピングもあり、安価でさまざまな卵かけご飯が楽しめる。
 ファミリーレストランのCOCO’Sでは、和・洋の通常の朝食メニューに加え、650円の「ドリンクバーつき朝食ビュッフェ」が一部店舗で始まり、インターネット上でも多くの利用者にブログで紹介されるなど、話題になっている。 
 また、北欧家具や生活雑貨を扱う「IKEA」のレストランコーナーで提供されている99円のモーニングプレートもクチコミで話題となっている。
 さらに、さっぱり味で小ぶりな「朝ラーメン」などもブームとなっている。  早朝に趣味や勉強などの活動を楽しむ「朝活」や、「めざましごはん」をスローガンとした行政による朝食摂取の推進活動なども背景となり、全国的に朝食や健康への注目が高まり、飲食業界でも朝の時間帯が重視されているようだ。そして、これらのサービスから、ビジネスマンのみならず、幅広い層が「ソトアサ族」として自宅外で朝食を楽しんでいることがうかがえる。



回転するおかずをセレクト。ワンコイン「回転朝食」
 膨大な人々が通勤途中などに利用する駅の構内(いわゆる「エキナカ」)にある飲食店にも、ユニークなサービスがある。
 まずはJR東京駅にある回転寿司店「うず潮」。新幹線の改札口近くの飲食店ゾーン「ダイニングコート」内にある。朝6時45分から10時までが朝食時間帯で、お客はごはん、味噌汁、味のりの基本セットを受け取り、レーンを流れる13〜14種類のおかずを3品セレクトする形態だ。価格は500円。この「回転朝食」、1996年の浜松町店(現在は駅改良工事のため閉店)で始まったので歴史は古い。サービスを始めたきっかけについて、「単純に、朝の時間にお店を閉めているのがもったいない、という理由なんです(笑)」と、ジェイアール東日本フードビジネス営業本部、レストラン事業部スーパーバイザーの嘉久和貞雄氏。
 おかずは、卵焼き、目玉焼き、おひたし、冷や奴、きんぴら、鮭やサバなどの焼き魚など一般的な朝食メニュー。しかし、魚のあら煮は、前日、寿司のネタとしておろされた魚の残りであるため、非常に高価な魚が使用されている場合もあり、「3品全てあら煮を選ぶ人もいる」(嘉久和氏)という注目メニューだ。ちなみに、取材時は、ブランド魚である氷見(富山県)の寒鰤(ぶり)のあら煮で、脂がのり、非常に美味しかった。
 この「回転朝食」は人気が高く、6〜7時台は盛況だ。当初は7時開店だったのを、列をなして待つお客さんのために、開始時間を15分早め、終了時間を30分遅らせた。
 「終了時間の30分の延長で30人のお客さんが入ってくることがわかり、寿司の営業時間への準備時間をできるだけ短縮し、朝食時間帯を合計30分長くしました」(嘉久和氏)
 客層は、当初は男性のサラリーマンが圧倒的に多かったが、女性の利用者も増え、現在は7対3くらい。「ダイニングコート」には他にも朝食サービスのある飲食店が複数あるが、同店の支持が高い。また、利用客のほとんどが常連である。連休中、長距離の旅行に出かける前に食事をしていく家族連れなどの利用も多い。
「昼食や夕食のように、『どこかへ食べに出かける』というものではなく、
朝食は生活動線上にあるものなので、一度お店のファンになってもらえば、定着率は高いんです」(ジェイアール東日本フードビジネス、営業戦略本部 販促・宣伝部 森大祐氏)
「うず潮」東京店では、回転朝食を始
めて米の消費量が約2割増加したという。嘉久和氏は、「1人でも多くの人にご飯を食べてもらい、日本の米離れに貢献したい」と語る。
おかずのラインナップ例。おかずの選択例。左から魚のあら煮、目玉焼き、きんぴら
 膨大な人々が通勤途中などに利用する駅の構内(いわゆる「エキナカ」)にある飲食店にも、ユニークなサービスがある。
 まずはJR東京駅にある回転寿司店「うず潮」。新幹線の改札口近くの飲食店ゾーン「ダイニングコート」内にある。朝6時45分から10時までが朝食時間帯で、お客はごはん、味噌汁、味のりの基本セットを受け取り、レーンを流れる13〜14種類のおかずを3品セレクトする形態だ。価格は500円。この「回転朝食」、1996年の浜松町店(現在は駅改良工事のため閉店)で始まったので歴史は古い。サービスを始めたきっかけについて、「単純に、朝の時間にお店を閉めているのがもったいない、という理由なんです(笑)」と、ジェイアール東日本フードビジネス営業本部、レストラン事業部スーパーバイザーの嘉久和貞雄氏。
 おかずは、卵焼き、目玉焼き、おひたし、冷や奴、きんぴら、鮭やサバなどの焼き魚など一般的な朝食メニュー。しかし、魚のあら煮は、前日、寿司のネタとしておろされた魚の残りであるため、非常に高価な魚が使用されている場合もあり、「3品全てあら煮を選ぶ人もいる」(嘉久和氏)という注目メニューだ。ちなみに、取材時は、ブランド魚である氷見(富山県)の寒鰤(ぶり)のあら煮で、脂がのり、非常に美味しかった。
 この「回転朝食」は人気が高く、6〜7時台は盛況だ。当初は7時開店だったのを、列をなして待つお客さんのために、開始時間を15分早め、終了時間を30分遅らせた。
 「終了時間の30分の延長で30人のお客さんが入ってくることがわかり、寿司の営業時間への準備時間をできるだけ短縮し、朝食時間帯を合計30分長くしました」(嘉久和氏)
 客層は、当初は男性のサラリーマンが圧倒的に多かったが、女性の利用者も増え、現在は7対3くらい。「ダイニングコート」には他にも朝食サービスのある飲食店が複数あるが、同店の支持が高い。また、利用客のほとんどが常連である。連休中、長距離の旅行に出かける前に食事をしていく家族連れなどの利用も多い。
「昼食や夕食のように、『どこかへ食べに出かける』というものではなく、朝食は生活動線上にあるものなので、一度お店のファンになってもらえば、定着率は高いんです」(ジェイアール東日本フードビジネス、営業戦略本部 販促・宣伝部 森大祐氏)
「うず潮」東京店では、回転朝食を始めて米の消費量が約2割増加したという。嘉久和氏は、「1人でも多くの人にご飯を食べてもらい、日本の米離れに貢献したい」と語る。



朝の身支度が整う。女性応援施設「Refresta」
メイクアップラウンジは、インターネット利用や、カフェで購入したものの飲食、携帯電話の充電などにも使用できる
花王が商品提供するメイクアップ用品。スッピンで訪れてもフルメイク&ヘアセットが可能(写真左)
横浜駅の「Refresta」。しっかり「女子力」をチャージできそうだ
「ドリップマニア」の朝食メニューの中で一番人気の「スクランブルエッグセット」は450円
 もうひとつのユニークな施設は、横浜駅構内にある、昨年6月にオープンした女性応援施設「Refresta(リフレスタ)」。施設内にはカフェ「ドリップマニア」、ベビー休憩室、メイクアップラウンジ(30分200円)があり、幅広い世代の女性がリフレッシュできる空間になっている(カフェとベビー休憩室の一部は男性も利用可)。メイクアップラウンジでは、花王とパナソニック、横浜駅近接の駅ビルC?ALが協賛し、スキンケア用品、メイク用品、ヘアケア用品、ヘアアイロンやドライヤーなどを自由に使用できる。また、ベビー休憩室では大王製紙と扶桑社が協賛し、無料で紙オムツがもらえ、雑誌の閲覧も可能になっている。
 「メイクアップラウンジは、デートや約束のある夕方を中心に混み合うようです。クリスマス・イブの夕方には、利用者でいっぱいでしたよ(笑)」(森氏)
 また、朝の時間帯では、朝食メニューやコーヒーをカフェで頼み、メイクアップラウンジで身支度をして出掛ける人も多い。
 カフェでは「ドリップコーヒーを楽
しんでもらう」というコンセプトで、注文ごとに1杯ずつ丁寧に、ハンドドリップでコーヒーをいれる。
 「日本は、お茶や出汁など、水の中に素材のエキスを抽出する『出汁文化』。同じ方法でいれるドリップコーヒーは、
日本人の味覚に合うと思います」(森氏)と言うとおり、苦味や酸味が薄く、すっきりした飲みやすさ。朝の時間帯にもぴったりだ。
 フード類はオープントーストがメイン。エビや生ハムなどリッチな具材がのっていたり、スイーツ風になっていたりと、食べごたえがある。朝食のメニューは3種類あり、コーヒー・トースト・サラダで400円からとリーズナブルだ。
 「『仕事や育児に頑張る女性を応援する』をコンセプトに、移動中や待ち合わせなどのちょっとした時間でも、エキナカでより快適に心地よく過ごしていただきたい、というのがこの施設の目的です。特にベビー休憩室を利用されるお母さんたちからは、とても使いやすいという評価をいただいています」(森氏)
 どんな時間帯でも、どんな立場の女性でも有意義に利用でき、生活をより快適にしてくれる複合施設は、まさに「女性の駆け込み寺」という感じだ。
 「朝食市場については、メディアも関心を持っていますし、多様な朝食サービスを行う飲食店が増えるのは、市場の拡大や消費者の健康のためにも、とてもよいことだと思います。朝の時間帯は、一度利便性を実感してもらえれば固定客になる可能性の高い手堅い部分。弊社も、より魅力的なサービスを提供していきます」と森氏。今後は、消費者のライフスタイルにきめ細かく入り込むようなサービスがより支持を集めるのだろうと思われた。(U)

原価計算女王
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