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| お店拝見/2010年2月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| ディンケルの種子を日本に持ち帰る-大地堂 | |
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滋賀県の近江八幡駅から車で約1時間。畑や民家が点在するのどかな場所に大地堂はある。同店の営業日は週4日。店長の中田志穂さんは、パンに使う小麦を栽培するため、農作業もこなしているからだ。
大地堂で使っている小麦は、パン用小麦の原種にあたる古代小麦(ドイツ語でディンケルという)。日本で栽培されていなかったディンケルを、中田さんは修行先のドイツから種子を持ち帰り、05年から栽培を始めた。日本国内で販売用としてのディンケルの栽培は、中田さんが初めてだ。「まず、ディンケルがどういうものかということから証明する必要があって。種子を持ち込むための手続きに苦労しました」(中田さん)。手続きには、修行先のマイスターとその知人の農家の協力が欠かせなかったという。 中田さんと一緒にディンケルの栽培に励むのは、義兄で農業家の廣瀬敬一郎さん。「廣瀬さんの後押しがあったのでディンケルの種子を持ち帰ることができました」(中田さん)。日本では不可能だといわれていたディンケルの栽培だったが、廣瀬さんは手探りで取り組み、実現させた。「毎年気候も変わるし、収量の目処も立たないけれど、なんとか少しずつ収量が増えてきています」(廣瀬さん) 中田さんがディンケルの魅力を知ったのは、京都の仏料理店でパンの担当になり、納得する味を追求しようとヨーロッパに渡ったときだ。「イタリア、フランス、ドイツと回った中で、ドイツパンのおいしさに惹かれました。おいしいパンを作りたい。そのためにも日本にディンケルを広めたいと思いました」(中田さん) ディンケルは単位面積あたりの収量が低い上、厚い殻に覆われているため、脱穀する手間もかかる。しかし殻が厚い分、ふすまが薄い構造をとっているので一般の小麦より、ふすまの粒子が細かい全粒粉になるという。そのため、小麦の栄養をしっかり吸収できる。また、風味が豊かでナッツのような香ばしさが特徴だ。 製粉は中田さんが自ら行っている。製粉機は畑近くの作業所と店舗の2カ所にあり、自家栽培のディンケルと小麦だけでなく、北海道などから仕入れるライ麦も、粒のまま仕入れて製粉している。摩擦熱で粉の持つ風味を飛ばさないよう、石臼は低速で回す。 |


| 材料一つを取っても物語のあるパン | ||||||||||||||||
中田さんはその小柄な体で鹿の解体までこなす。2年前に地域の食材を消費する一環で行われた、鹿肉を使った料理のセミナーに参加。鹿の解体の仕方を学び、実際に自ら鹿の解体から行い、「鹿のリエット」(800円/70グラム)を作った。現在は解体済みの鹿肉を使ってリエットを作っており、定番商品として販売している。鹿肉を地元日野町の養豚メーカー「蔵雄ポーク」の背油で作った自家製ラードで煮込んだ、甘みとコク味、ハーブの香りが豊かなリエットだ。 現在畑で栽培しているのは、ディンケル、大豆、ごまの一種である「ごまぞう」。普通小麦は他の農家と協同で栽培、大地堂用には2〜3?収穫している。ディンケルの平成21年度の収量は約7?(作付け面積4?)で、22年度は作付け面積を増やし、9?の収量目指す。ごまは、国内に出回っているものの多くが中国産だが、ごまぞうは中国産のものよりも、抗酸化作用があるというセサミンが2倍ほど入っているという。中田さんはごまぞうの栽培も手探りで挑戦。「必要な農薬がわからなかったから、最初はほとんど芋虫に食べられてしまって。だけど何度か挑戦しているうちに、無農薬で育てることができるようになりました」(中田さん)。必要であれば無理をせず最小限の農薬を使おうとする中田さんの姿勢は、「食材の存在を知ってもらうこと」を第一とする考えから生まれている。生産する側と、消費者が協力し合って実現している価格設定が、商品の販売力に繋がっていくのだろう。 | ||||||||||||||||

| SHOP DATA
店名 大地堂
住所 滋賀県蒲生郡日野町村井1377 電話 0748-26-6090 営業時間 金曜・月曜日は午前12時〜 午後8時、土曜・日曜日は午前10時〜午後6時 定休日 火曜〜木曜日 品揃え 19品目(パン10品、スコ ーン、菓子8品) WEB http://www.daichidou.com/ |

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