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| 特集/2009年12月号 |
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| 原材料の計算から始める
商いの原点は「どれだけ儲かるか」ということだが、この目安になるのが原価率。原価率とは一言で言うと、売価に対して原材料費がどれだけかかっているかの割合のことを言う。1個のパンをつくるのにも、人件費や地代家賃など、原材料費以外にもあらゆるコストがかかっている。そのなかで「どれだけ儲かるか」の追求、言わば利益を上げるために、まずしなくてはならないのが原価率の計算だ。しかし、この商いの原点を追求する上での大元となる、原価率の計算をしていないパン店が少なくない。
例えばスーパーやコンビニで商品を仕入れる際、仕入原価がいくらであるかを知らずに発注をすることはない。このように仕入原価があって売価があるという流れの形態では、原価に対する意識が高いのは当然だ。しかし、多くのパン店は、自店で製造から販売まで手掛けるため、製造した商品に対しいくらかかったかという感覚が薄れてしまいやすい。適正な儲けを出すために、原価をもっと意識し、まずは商品原材料の原価率をしっかり計算することから始めて欲しい。 一般に、パン1個の売価に対する原材料費の占める割合、原価率はおよそ20%台〜30%台であり、人件費率はだいたい30〜35%。他の機材(リース代) や地代家賃、光熱費、包装材料などの率 が10〜15%とすると、売価100円のパンなら、60〜80円のコストがかかっていることになる。それでは、残りの差額40〜20円が利益になるのかというと、そうではない。すべて売り切れない場合、廃棄ロスが2〜3%発生するので経常利益は17〜18%となる(実際は10%以下である)。 |

| 売上目標より利益目標
数年前は経営において、前年売上に対する売上比率を最重要としていた。しかし今は、生活者の価値観の多様化と著しい変化でモノが簡単に売れなくなってきている。このような時代は、売上目標ではなく利益目標を掲げなければならない。そのためには、原価率を計算し、廃棄・製造ロス率を鑑みていくことが必要だ。
廃棄・製造ロス率とは、粗利を出すのにいくらの損をしたかということを言う。例えば、原価30円で販売価格100円の商品を20個つくって2個売れ残った場合、損した原材料価格は60円。実粗利は70(円)×18(個)=2260円で、廃棄・製造ロス率は60(円)÷2260(円)≒2・7%となる。利益を上げるためには、この廃棄・製造ロス率を算出した上で営業をしていかなければならない。1個でも売れ残れば原価率が上がり、儲けが減ってしまう。 人件費率が高く労働集約的産業と言われるパン店が生き残っていくためには、廃棄・製造ロス率をはじめ、原価製造個数、販売個数などについて、商品アイテムごとに数値化し、分析することが大切だ。数値を出して視覚的に捉えることで、製造個数の増減や売価の改定などの判断ができ、改善策を打ち出していくことができる。 数値化したものを週ごとまたは月ごとに統計していくと、自店の現況を客観的に判断でき、利益を上げるための戦略が立てられる。例えば、ビジネス街の立地で惣菜パンやサンドイッチが多く売れている店が、今の経営を維持していったところで、利益向上には結びつかないはずだ。数値を分析すれば、時間帯別の売れ筋商品や天候状況による売上の変動などが把握できる。これによって、売価を改定すればいいのか、生地量を調節するべきなのかといった、具体的な策を立てることができる。 客層や立地、看板商品の違いを強みに変えていくためには、毎日の営業で生み出される「数」を統計し、分析していくことが大切だ。こうすることで初めて、利益向上のための効果的な戦略を立てていくことができる。 「儲ける」ための経営を目指していこう。 |

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