技術に裏付けられたパン作り-ブランジュリ ルーク - ブランスリー電子版

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お店拝見/2009年9月号

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技術に裏付けられたパン作り-ブランジュリ ルーク
町屋を意識した「ルーク」の外観
右から、戸口温善さん、製造担当の中村さん、販売担当の高橋さん
小さな店内に、バラエティー豊かなパンの数々が並ぶ
イタリアンレストラン御用達の「アルプル」。ワインによく合う
 京都駅から、家電量販店のビックカメラを背にして西洞院通りを歩くこと約10分。七条通りを渡って少し行くと、焼きたてパンの店「ブランジュリ ルーク」がある。普通の民家を改装した店舗は、京の町家を意識したという。和風のたたずまいを残した外観は、ベーカリーを意識させない。そのためか、初めて来る客は一度は通りすぎてしまうことが多いそうだ。街並にしっかり溶け込んでいるということか。
 オープンしたのは8年前の10月。開店当初は1日の売上を7〜8万円と予測していたが、それも6カ月でクリア。今では、製造3人、販売1人の陣容で、およそ120品目を揃えて約14万円(店舗販売のみ)を売り上げる。
 ルークの舵を取るのは、戸口温善氏(34歳)。戸口氏は、ドンク京都四条店在職中の1999年に開催された「カリフォルニア・ウォルナッツコンテスト」で、ブレッド部門特別奨励賞・テクニカル賞を受賞した経歴を持つ。同店の技術力を裏付ける一つの証といえよう。戸口氏は、高校を卒業すると同時に、京都市内にあるドンク出身者のベーカリーで4年6カ月修業。この店で一からパン作りの基礎を教わった。次に請われてドンク京都に入り、ここでも4年半勤めた。この間にコンテストでの受賞となった。ドンクの製パン技術をしっかりと身につけた結果ではなかろうか。
 だから、様々な店が開店しては撤退する、という現在地に出店する事を友人たちが反対しても「きちんとしたパンを作ればやっていけるはず」と思ったそうである。実際「フランスで食べたフランスパンと同じだ」と言ってくれる50代の男性客もいるという。パン作りに対する姿勢が、ルークのファンを増やしていく。



要望に応えて、腕を磨く
イタリアンレストラン御用達の「バゲット」と「バタール」
一番人気の「林檎の紅茶パン」。天然酵母を使用。アールグレイの香りが漂う製品に仕上げている
くるみの食感が良い「カリフォルニア宇治」
植物性材料にこだわった「豆乳食パン」
 客筋は、平日は「ご近所の40〜60代」が中心だが、土日ともなると、大阪など遠方からも買いに来るという。また、ルークの客の特徴は外国人が多いこと。付近に外国人専用の宿泊所があり、パンを求めて来るという。朝7〜8時頃には外国人だらけ、ということもあるそうだ。彼らが購入するのはハード系のパンが中心になる。京都のベーカリーでは、ハード系の占有率は15〜20%といわれているが、ルークでは30%を占める。毎日卸すレストランの分を含めると50%にもなる。
 ハード系が充実している理由は、戸口氏の技術力ばかりではなく、日々のレストランとの付き合いにもあるようだ。毎日卸すレストランは8軒。それぞれに個性的なパンを求められるという。例えばイタリアンレストランのイル・ギオットーネは、季節ごとにその時期に相応しい料理を提供する。そのため、その料理に合ったパンを要望してくる。これに応えるために、季節ごとのパン作りも心掛けるようになった。
 イタリアンレストランに必要なのはイタリアらしさ。ここ京都では、地元の食材にこだわってイタリアらしさを追求する。つまり、地産地消である。京の食材によるイタリア料理。それに相応しいパン。ますます腕が磨かれそうである。
 レストランとの付き合いは大変だ。葵橋店(京都市上京区出町通り今出川上る貴龍町204、電話075‐223‐5400、月曜定休)が出店するまでは、休みなしに製品を作っていたが、今は本店と交互に作るようになった。レストランで食べたパンが欲しいと求めてくる客のことを考えると、こうした苦労も吹き飛んでしまい、パン作りの大切さを知る毎日であるようだ。



こだわりの製品作りで不況にカツ
全体の20%を占める菓子パン類も人気
「ま四角食パン」(左)は、材料を贅沢に使った製品だ
とりたての新鮮野菜を使った調理パン類
 ルークを支えるのは客やシェフ、つまり人である。それを取り持つのが毎日焼き上がる製品群だ。一番人気は紅茶葉の天然酵母を使用した「林檎の紅茶パン」(200円)。アールグレイの茶葉を自家培養した酵母菌を使い、長時間発酵して焼き上げた、小麦の旨味が活きた製品だ。青森県産のリンゴを刻んで入れている。子供から高齢者まで評判だ。お土産用としても活躍しているようだ。食パンの最新作でおすすめなのが、「ま四角食パン」(260円)。牛乳、バター、卵をたっぷり使った濃厚さが人気。毎日完売している。リピーターも多いとか。安定した人気商品である「カリフォルニア宇治」(180円)は、前記のコンテストでテクニカル賞を受賞したもの。ライ麦ベースの天然酵母を使用している。クルミとの相性も良い。「豆乳食パン」(360円)は、丹波産オオツル大豆から作った豆乳と徳島県なると産のミネラルたっぷりの自然海塩を使用。植物性材料にこだわったヘルシーな無添加食パン。イル・ギオットーネご用達のパンもある。「バゲット」(290円)と「バタール」(280円)、それに「アルプル」(380円)。アルブルにはドライフルーツが入っており、チーズやワインのお供にピッタリ。
 戸口氏は「不況の影響はうけていません」と語る。来店客は増えているという。1日に180〜200人がルークを訪れる。日々の努力が繁盛店へとつながっているのであろう。



SHOP DATA

店名 ブランジュリ ルーク
住所 京都府京都市下京区西洞院通り七条上る福本町422-2
電話 075-361-6789
営業時間 午前7時〜午後6時30分
定休日 木曜日 
品揃え 約120品目
店舗面積 厨房約18坪、販売スペース約4坪
スタッフ 製造3人、販売1人
日商 約17万円(レストランへの卸3万円を含む)

原価計算女王
原価計算女王

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