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| いろいろ、エッセイ/2009年11月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 「お客様都合の陳列」が出来ているか-武市 多美夫(パンを売り続けてきた男)
いろいろ、エッセイ(35)
紅葉の季節がやってきた。登山をかねて栃木の那須岳に紅葉を観に出かけた。山肌に自然がえがく一枚の絵画は期待以上の感動を与えてくれた。めっきり歩くことが少なくなった私の右足は登り始めからかすかに悲鳴をあげていたが、ダケカンバやカエデやナナカマドの赤い実が痛みを和らげてくれた。 今も売上低迷が続いているある大手ベーカリーに勤める知人に、最近の売上や営業状態を聞いたが終始浮かぬ表情だった。先の見通しもなかなか立ち難くいし、先どころか、今が分らないという。 迷い道を彷徨っている状態がやたらに長い。新製品の数を増やしたり接客の見直しをしているが、即効性がないと嘆く。「売上に即効を求めるのは間違いだ。売上アップは日頃の地道な動きが大切だ」という考えに共感してお付き合いを願っているが、その彼が前言をひるがえすほど状況は深刻なのだろう。 デパ地下やスーパーのメインの入口に、必ず野菜や果物の生鮮売場がある。季節ごとの彩りを表現できて、見た目の変化も演出できるという。意識してみると大小の規模にかかわらず、ほぼパターン化したレイアウトになっている。 東北を一人旅した時、地元のスーパーに入った。買い物の途中でいつもの回り方と違うことに気付いた。勝手がまったく違い、お目当ての品を探すのに時間がかかった。 スーパーの食品売場はパターンがあるので、それを掴んでおけば初めての店でも容易に確実に素早く買い物ができる。 最近のスーパーの食品売場は関連商品も多く買い易く便利になった。以前は焼肉の準備をするのに肉を買ってからタレを別の売場に探しに行っていた。何故、肉売場に置かないのか不思議でならなかった。 当時の担当者から聞いた話だが、売場単位の管理でお客は蚊帳の外であったという。お客の買い易さなど気に掛けず内部都合が優先していたのだ。 時代は変わり今は野菜のそばに鍋用のスープがあり回鍋肉の基もある。肉売場には多くの種類のタレも陳列されている。 さて、ベーカリーでは食パンやフランスパンの近くに何が陳列されているだろうか。ジャムやバターやスープなどの関連商品が、店のあちこちに散らばって陳列されていないだろうか。 お客様都合の陳列が出来ているか、お客様の立場で店をみてみることも必要だろう。 |




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